あの後私は何時も通り黒崎家で夕飯を食べ、寝る頃に家に帰る。
この街に来てからその繰り返しだ。
「お兄ちゃんまだ起きて来ない…」
「あ、じゃぁ私が起こしてくるよ」
「え、お姉ちゃん!?」
私は遊子ちゃんの止める声も聞かず黒崎君の部屋に行く。
一応乙女なのだから家族でもない男の黒崎君の部屋に行くなんて不躾だと思うだろうけど、この時の私はなんだか昨日の事で黒崎君との距離が縮まった気がして機嫌がよかったのだ。
「黒崎くん、起きてる?あけるよー?」
ドアを開けると黒崎君が押入れを押さえている黒崎君がいた。
「…何してるの?」
「な、なんだ斎藤か…どうした朝っぱらから」
「朝っぱらじゃないよ?水色君と浅野君が着てるってさ。」
そう言うと黒崎君は慌てて着替える。
私はそのまま下に戻ろうとした瞬間…
「あかりすわーーん!!」
「わっ…!」
コン君が私の胸にダイブしてきた。
咄嗟に受け取ろうとしたが黒崎君がコン君を蹴り落とし、未遂に終わる。
「斎藤、悪い…水色達にちょっと待っててくれって言っといてくれないか?」
「うん」
黒崎君がコン君と喧嘩で忙しいようで、私は窓から顔をだす。
「水色君、浅野君!黒崎君がちょっと待っててってさ!」
「なんだよ珍しいなぁ……って斎藤さんぅぅ!!!??何で斎藤さんが一護の部屋から顔を…!?―――ハッ!もしや二人は付き合って…」
「ゆっくり急いでねって言ってくれるかい?」
私は水色君の言葉に頷く。
下で浅野君が何か言っていたようだが気付かなかった。
時計を見た時の黒崎君の表情で私は思い出す。
明日は黒崎真咲さんの命日だと…
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