「と言うわけでやってきました待ちに待った花火大会!!」
「テンション高いね…」
「当たり前だ!!これが吼えずにいられようか!!ね!黒さん!!」
「そうともさ!若者よ!因みに向こうに朝の7時から出向いて確保しといた特等席があるんだが其処に皆で移動しないかい!?」
「まじっすか!黒さん!!」
この二人がいると数倍煩くなる…
誰だこいつら呼んだの…
あ、走り出した。
「あー、仕方ねぇ…俺も行くか……悪いな竜貴毎度毎度。イヤなら来なくてもいいからさ」
「分かってる分かってる。心配しなくても後からちゃんと行くって。早く行ってあげな」
竜貴の言葉に甘えて俺は親父たちを追いかける。
隣にいたあかりの歩く幅に合わせてだから遅いが。
あかりは親父たちについていかず俺の隣にいてくれた。
それがどんなに嬉しいか…
あかりも浴衣を着ていて直視出来ないぐらい綺麗だった。
顔が赤いが夕日だったから助かった…
****************
「あかり、」
「ん?」
「あー…っと…その…後で話しがあるんだが…」
「…今じゃ駄目なの?」
「あ、あぁ…」
あかりは「そっか」と言って目線を俺から前に移す。
俺の方が背が高いから自然と上目使いになる。
だから話しかける度に理性が危ない。
今もドキドキ煩い心臓をお押さえて落ち着かせる。
****************
夜になり、出店も客も賑わう。
俺はあかりに寄り添い出店を回る。
あかりは甘いものが好きなのか輪投げや射的は通りすぎ露店ばかり行く。
まぁたまに欲しそうに見るものを輪投げや射的で取ってやるがその時の顔がたまらく好きだ。
あかりは学校では表情が乏しいから見れない。
家でも笑うが満面の笑みじゃない。
なんか俺にだけ見せてくれるような感じがして嬉しい。
スゲー嬉しくて愛おしい。
花火が始まった。
それを緊張しながら見る。
「あかり、ちょっと…」
「え、うん…」
俺はあかりの手を引いて道をはずれ人気のないところに行く。
親父たちは俺達が抜けたことなんて花火で夢中で気付いていない。
****************
「一護くん…?」
「え、あ!すまん…」
俺は考え事していてあかりに呼ばれるまで呆けていた。
ちょっと情けねぇな。
俺は目を逸らし頭をかく。
花火はまだ鳴り響いていた。
「あのな…俺、今度遠くに行く」
「うん」
「だから当分戻んないと思うんだ。」
「うん」
「だからな…あー…」
「……………」
告白なんて初めてだから何言っていいかわからない。
あかりは俺が言うまで待っててくれる。
それが嬉しいんだが見つめられると照れる…というか恥ずかしいんだが…
告白するヤツがウジウジすんの分かるわ。
だからと言って告白せず終わるのはもっとかっこ悪い。
俺は決意を固めあかりの肩を掴み見つめる。
「あかり!!」
「は、はい!」
「俺はお前が好きだ!!!」
あー…言ってしまった…
ついに言ってしまた…
「は……え?今…なんて……あ!友達として!?もー!私勘違いしちゃった!」
…は?
今なん…友達?
何でそうなるんだ?
今の状況で"俺はお前のこと友達として好きなんだ!"なんていう奴いるのか!?
あかりはアハハ、とテレ笑いをしていた。
ちくしょー…そんなあかりも可愛いが…
唖然としている場合じゃねぇな…
「ち、違う!!俺は…お前を愛してる。一人の女性として……付き合って欲しいんだ、あかり」
「あ、愛して……」
あかりは呆気に取られている感じだった。
突然そんな事言われても、ってかんじだろうな…
振られんのかな、俺…
まだ答えを貰ってないのに俺は落ち込んだ。
だがあかりは肩にある俺の手と自分の手を重ね俺を見つめる。
「答えは一護くんの全てが終わった後じゃ駄目、かな?」
その顔にはさっきのような笑顔はなかったが微笑みを俺に向けてくれる。
俺は見惚れていて反応できなかった。
見惚れていたのもそうだがあかりの言葉を上手く頭に入れることが出来なかったとも言うが…
俺は
「あ、あぁ…」
というのが精一杯だった。
あかりは俺がルキアを助けに行くと分かっているのか…?
あかりの口からルキアの事なんて聞いた事ないが…覚えているのだろうか…
とにかく、全てが…ルキアを救い出して連れて来る日まで俺はお預けらしい。
「…戻るか」
「うん」
俺はあかりの手を引いて親父たちの所へ戻る。
親父たちはまだ花火に夢中だった。
心の奥では"もしかしたら戻って来れないかもしれない"という不安がある。
戻ってくる自信もあるがその不安がたまに襲ってくる。
俺はその不安を誤魔化すようにあかりの手を握る。
あかりはと惑った感じはするが受け入れてくれた…
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