「違う!違いますぞ!一護殿!!ぬおおお!ではなく、ぬあああ!って感じで!!」
「ぬあああああ!!!」
「違う!違う!」
一護君が全く出来ずに金彦と銀彦が懸命に教えていた。
だがその教え方にも問題があるのでは…と思ったりもする。
正直私も出来てなかったが何とか形になり、次は安定力を強めようと頑張ってはいる…
いるのだが…難しい…
とりあえずご飯は食べる。
腹が減っては戦は出来ぬ、だ。
ご飯を食べたら最後挑戦しなくては。
もう少しで完成だから。
ぐ〜〜〜〜
そう思って黙々と食べていると井上さんがお腹を鳴らす。
顔を上げると井上さんがお腹を殴ってた。
(え…ちょ…)
驚いて目を丸くするが井上さんは無理にでも腹を満たしたように見せたいらしい。
「い、井上さん!女の子がそんな…」
私が止めようとしたとき何かが大爆発したような音がする。
駆けつけると一護君の霊力が放出し、岩鷲くんが空鶴さんに説明する。
私はそれも耳に入らずドアを開け、叫ぶ。
「一護君!!霊力を!霊力を固めて!!」
私の声が一護君の耳に届くかは分からなかったが、聞こえていたらしく霊力を固め成功する。
「やったね!黒崎くん!」
「おう!」
ピシ。という音をさせヒビが入る。
「バ、バカ野郎!急に集中を解くんじゃねぇ!!」
「え、」
次の瞬間爆発してしまった。
一護君は空鶴さんに怒られ岩鷲くんも怒られてしまう。
しかもご飯抜き。
可哀相だと思うが仕方ないと思う。
残ったのは、私だけ。
でも、大丈夫。
私ももうすぐ完成するんだから。
****************
「やった!出来た!!」
「良かったですな!あかり殿!」
「はい!ありがとうございます!!」
金彦に付き合ってもらって何とか私も出来た。
三人の中では最低だがコレなら耐えられるだろう。
「あかり」
「一護君」
「おぉ、一護殿。…では私はコレで失礼を」
「あ、はい!ありがとうございました!!」
私は部屋を出る金彦さんに頭を下げる。
「あかり、出来たのか?」
「うん、やっと出来た。…疲れたぁ」
「そうか…」
一護君はなんだか元気なくてへたり込んだ私の隣に座る。
「どうしたの?元気ないよ?…ルキアちゃんのこと?大丈夫だよ…ルキアちゃんは絶対に私達が助ける。…違う?」
「…そう、だな。」
「向こうに突入したらほかの事は考えちゃだめだよ。どんなに仲間が心配しても、ね」
「は?何言って…」
私は真剣な顔で一護君を見る。
一護君も私の真剣さに顔を険しくする。
「それはお前も、か?」
「そう、私が例え倒されても一護君は振り返っちゃ駄目。」
「な、」
「前だけを見てなきゃ駄目。ルキアちゃんを助けることだけを考えて。」
「あかり…」
「私達の中で、ルキアちゃんを助け出せる人は一護君しかいないの…だから…振り返ってる暇があるのなら進んで。」
「……………」
私の言葉に黒崎君は頷く。
渋々、といった所だがそれでいい。
井上さん達は絶対死なないのだから。
でもだからと言って私も死ぬなんて事しない。
「…大丈夫だよ、私逃げて、逃げて、逃げまくるから!だから絶対負けない!というか勝負すらしないから!!」
「…そうしてくれ、じゃなきゃ俺は前に進めねぇからな。」
「うん、そうする。」
私が頷くと一護君はホッと息をつく。
そんな一護君に私は一護君の肩に頭を乗せる。
「どうした?」
「告白の答えなんだけど…」
「!あ、あぁ…」
「知りたい?」
「当然。」
「ふふ」
即答する一護君に私は笑ってしまった。
それに一護君はバツが悪そうに目を逸らし頬をかく。
「知りたかったら生き残って。」
「あかり……あぁ、生き残る。だからお前も死ぬなよ…」
「…うん。」
私は静かに頷く。
私と、黒崎君はしばらくそのままくっ付いていた。
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