「隊長!休まれては…!」
「大丈夫だ、ありがとう。清音」
「い、いえ…そんな…」
俺は外の空気を吸うために外に出る。
側に居た清音に止められるが閉じこもってるだけでは逆に体に悪いからな。
「ワン!ワン!!」
「犬…?どうしてここに…」
「あれは…。……待ってくれ!!」
「え、隊長!?隊長!!どこに…隊長!!!」
庭に出ると犬が居た。
清音が不振がっていたが俺はその犬には見覚えがいた。
いや、犬ではない…狼だ…
その狼は俺と目が合いその場から去っていく。
俺は清音の止める声も聞こえず狼を追いかける。
****************
「はぁ、はっ…はぁ…ま、待ってくれ!!何故お前がここに…いるんだ!!!琴春がいるのか!!帰ってきているのか!!答えてくれ!狼陣丸!!!」
病弱の俺に会わせ狼…狼陣丸は止まっては走り止っては走りを繰り返す。
「ワン!!」
「はぁ、はぁ…ここに…いるのか…?」
狼陣丸はあるドアの前に止まり俺を待っていた。
俺はドアを開け中を見る。
「女の子…?」
「くーん」
「…旅禍か……」
中には人間の女の子が横たわっていた。
どうやら気絶しているようだ。
女の子の両脇には狼陣丸が二匹伏せていた。
まるでこの女の子を守っているように。
いや、まるでじゃない。
守ってるんだ。
「…お前がここにいてこの子を守ってるという事は…この子は…」
「ワン!」
俺の言葉に狼陣丸は"そうだ"というようにひと鳴きする。
「そうか…この子が……そうか…」
俺はその子の髪を撫でるようにすく。
深い眠りなのだろう。
俺が触っても起きない。
「さて、どうするか…」
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