(33 / 42) 一護夢 (33)

「清音、すまないが死覇装を貸して欲しいのだが…」

「なに、浮竹ってそういう趣味あったんだ」


清音が俺の部屋で待機していると思い部屋に入ると動じに清音に死覇装を貸してもらえないか聞く。
だが帰ってきた返事…というか声は太く清音の声とは大分違う。
その声は俺は知っている。


「きょ、京楽!!?お前、なんでここに…!?」

「浮竹の様子を見にねぇ…だけどまさか浮竹にそんな趣味があったとは驚きだなぁ…」

「ば、違う!!俺はそんな趣味はない!お前と一緒にするな!」

「なにそれ、どういう意味?」


突っかかってくる京楽を無視し俺は清音を探す。
するとすぐに清音が来てくれた。


「隊長!!ご無事だったんですね!!良かった!!」

「心配させてすまない。突然で悪いが死覇装を借りたいんだが、いいか?」

「え、死覇装ですか?構いませんが一体何に…」

「ありがとう!じゃぁ今すぐ死覇装をもって付いてきてくれ!」

「え!?あ、はい!!少々お待ちください!」


突然の俺の言葉に戸惑うが清音は俺の部屋を出て自分の死覇装を取りに行ってきてくれている


「なにがあった?」

「…お前には関係ないだろ、京楽」

「冷たいねぇ。長い付き合いじゃない」

「……………」


俺はわざとらしく泣き始める京楽を横目で見てため息を付く。
まったく、こいつは…


「誰にも言わないか?」

「言わない、言わない」

「誰にも報告しないか?」

「……旅禍かい?」

「………あぁ」


京楽は普段のんびりとしているが頭がキレる奴だ。
すぐに旅禍だと分かったのだろう。
京楽はおちゃらけた感じから顔を険しくさせる。


「わかってるかい?旅禍を匿うというのが…」

「普通の旅禍なら匿わない…」

「…もしかして……琴春くんの……」


本当に京楽は頭がキレる。
俺は黙って頷く。
京楽はそれを見て眉を顰める。


「……旅禍だぞ?」

「それでも、俺の…琴春の大切な唯一つの宝だ…」

「……………」


それから清音が来るまで俺達には会話が交わされることはなかった。



****************



「すまないな、清音」

「いえ!気にしないでください!」

「ありがとう…で、何でお前も来るんだ?」


俺は清音に再度お礼を言って後ろの京楽に振り返る。
それに京楽は『気にしない気にしない』と手を振る。
俺は付いて来いなんて言ってないだろ。



俺はあの子がいる部屋へ着きドアを開ける。


「ワン!」

「あぁ、すまない。遅れた…この人達は危険ではない、安心しろ」

「わん!」

「この犬…ってこの子…隊長?」


清音が唖然として俺の後ろにいた。
京楽はドアを閉めてからこの子を見る。
その顔は険しかった。


「旅禍だ」

「な、隊長!?なぜ旅禍が…」

「清音」

「は、はい」

「…俺はこの子を匿う。協力してくれ。」

「隊長……分かりました。この清音、微力ながら隊長の力となりましょう!」


そういう清音に俺は微笑みこの子の着替えを頼んだ。

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