(38 / 42) 一護夢 (38)

一護君は二日間眠ってやっと起きた。
起きて私が付きっ切りだったが二人っきりになる事はなかった。
誰かしら一護君のお見舞いに来ては帰っていく。
浮竹さ…伯父さんは私に会いに来ているだろうけど…

伯父さんの話しを私は信じた。
思い返せばこの人結構それっぽかったなぁと思ったから。
だっていくら言い人だからって旅禍が倒れてそれを保護する?
聞いてから納得するがその時の私にはちょっと怪しいオッサンだ。
原作を知らなければ絶対警戒して伯父さんを傷つけてた。



「あかり!!」

「一護君…」

怪我も完全に治ってから一護君は忙しい身だ。
どの隊の人達に引っ張り凧で中々会えない。
窓から見ることはあるがこうやって実際会うのも久しぶりだ。


「ってどうしたの!?その格好…」

『あー…酔っ払った乱菊さんから逃げていく時窓から出てったから多分そん時だろ?』


一護君は身体中を葉っぱだらけにしていた。
それに私は噴出してしまった。


『笑うなよ!そりゃちょっとかっこ悪いが…』

「だって…!ふふ!ハハハ!!」


まだ笑が収まらない私に一護君は不貞腐れてしまい顔を背ける。
それも私のツボに入ってしまう。
私はとりあえず収まるまで木影で休憩する。
隣には一護君も座って待ってくれる。


「……なぁ、あかり」

「ん?」


一先ず笑いが収まり二人で風を感じていたら一護君が話しかけてきた。
私は目を瞑り風を受けていた。


「ルキアも助かったし…一応全てが終わったよな。」

「そうだね」


全てが終わった。その言葉に私は思い出す。
私はすっかり忘れていた。
最近おじ様と一緒だったからそれを思い出す暇もなかった。


「…その、な…あー……」

「ふふふっ!」

「あかり?」


言いにくそうに言う一護君は顔を赤くしてすごく焦る。
私は先みたいにツボには入らないが笑がこぼれる。


「告白の返事、だったね。」

「お、おぉ!」

「……その前にね、言っておかなきゃいけない事があるの」

「言っておかなきゃいけない事?」


私は一護くんの言葉に頷く。
一護君は首をかしげ私を見る。
私は体操座りし、全てを話す。
母と父の事、一族の事、別世界の事、伯父さんの事、そして…寿命のこと。


「そ、うか…」

「でも、私はお父さんの血の方が濃いから関係ないかもって伯父さんも言ってたし…だから、気にする事…ないと思うって…」

「あかり…」


私はやはり怖くて声が小さくなっていく。
そんな私に一護君は私の手の上に自分の手を重ねる。
私は一護君に顔を向ける。
一護君は真剣な顔で私を見ていた。
それに私は心をときめかす。


「俺は、お前が好きだ。それは変わらねぇ…お前が最期まで…お婆さんになっても笑って居られるまで俺は側にいたい…駄目か?」

「お婆さん…それって……」

「そ、そういう意味だ!」

「一護君…」


その意味を理解し私は顔を赤くする。
一護君も顔を背けているが耳が真っ赤だ。
お互い顔を背け顔を真っ赤に染めていた。


「あかり」


私は一護君に呼ばれ顔を向ける。
一護君は真剣な顔で目が話せない。
けれど少しずつ一護君が近づいてくる。


こ、これは…!
これはもしや…キ、キスというもの!?
こ、高校生だからしても可笑しくないけど早くない!?
一護君って意外と手が早いんだ…
ってそうじゃなくて!
こんなとこ見られたら恥ずかしいじゃん!
特に京がつくオッサンに見られてみろ!
会う度にからかわれ伯父さんで遊ぶぞ!



頭は動いているのに身体が動けない。
目もいつの間にか瞑っていた。
ドキ、ドキと戦う時とは違う鼓動を聞きながら私は一護君からのキスを待つ。



「黒崎一護みぃーっけ!!」

「ふぎゃっ!!」

「わっ!」


あと数センチで唇が奪われると思った瞬間誰かが一護君を潰す。
それは乱菊さんでお酒臭いから酔っ払っているのだろう。
どうやら乱菊さんは乗っかるとき一護君の頭に胸を乗せて乗っかったらしい。
その上体勢が崩したとき至近距離にいた私の膝の上に倒れはちょっと重い…


「ちょ、乱菊さん!!どいて…どいてくれ!!」

「何処行ったと思ったらなぁに?ナンパー?」

「ちが!なっ!何いっゴフッ!!」


一護君は顔を真っ赤にしていた。
ほぉ…おっぱいはそんなに気持ちいものかね…
私はイライラしてきて足をそのまま上げ一護君は顎を強打した。


「いっ…あかり?どうし…た……」

「……私は…私は…っ!!」

「あー!いたいた!乱菊さー……ん……」


立ち上がって叫ぼうとした時誰かの声が私の言葉をさえぎる。
前を見るとあの檜佐木修兵がいて、その後ろには三番隊の副隊長、吉良イヅルがいた。
檜佐木と私は目が合いお互い固まる。


「どうしたんですか?檜佐木さん。檜佐木さん…?」

「お、おいあかり…どうしたんだ?おーい?」


檜佐木には吉良が、私には一護君が声をかけたり顔の前で手を振ったりするが効果なし。
お互い見つめある。
別に恋愛ではない。


「てめっ!!あの時のガキ!!!」

「げ、なんでこんな所に!?」


この後私と檜佐木との喧嘩が始まったのは言うまでもない。

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