チュンチュンと小鳥のさえずりで目を覚ました真由美はどこか息苦しく感じる。
まぁそれは何時ものことだしまた父親である喜助が抱き枕として自分を抱え込んでいるのだろうと思っていた。
だがふと横を見ると真っ裸の夜一が自分を抱き枕にしていた。
真由美は驚き、固まる。
叫びたいが驚きすぎて声がでない。
というか金縛りのように体が動かないのだ。
(え?なん………え?)
(ちょちょちょっとまって!!なんで夜一様が!!?)
(っていうかなんで裸なの!?私どうして夜一様の抱き枕になってんの!??)
(パ、パパは!!?あの親馬鹿はどうした!!!)
やっと金縛りも解け、混乱しているため暴れても何故か腕は解けない。
ぐぐっと押してもびくともしない。
「んー…大人しゅうしておれ…」
「ふぎゃ!」
真由美が動いたことで相手も起きたのか!?と期待したが余計力を入れられ抱き締められる。
完全に動けず人肌の温かさで真由美の瞼は落ち始める。
****************
「あーーーー!!!夜一サン何してんスかーー!!!!」
大音量の目覚まし…ではなく人の声で真由美は飛び起きる。
といってまだ抱きつかれていたので飛び起きれなかったが。
首を動かすと父が真由美を見てあたふたしていた。
「煩いのー…頭が痛くて仕方ないわ…」
「う、う、ううう煩いじゃないッスよ!!!!アタシの真由美サンを早く放してください!!」
「あ?真由美…?」
夜一は喜助の指さす方へ目を向ける。
真由美も夜一の方を見上げるので必然的に目が合う。
「おぉ、起きたか」
「あ、はい…」
夜一はまだ寝ぼけているのか二人は見詰め合う形になる。
それが許せない人が一人。
「な、なに見詰め合ってるんスか!!!真由美サン!!早くアタシの腕の中に避難を!!さぁ!!」
夜一から喜助へと目をやると喜助は膝を付き両手を広げてスタンバイしていた。
真由美は行きたいのは山山だが夜一が力を抜かない限り動けないのだ。
だから真由美は夜一の方へ向き、目を見つめ…
「あの…はなしてください…お父さまが…」
「
ヤじゃ。」
「なっ…!!?」
ショックを受けたのは真由美ではなく喜助だった。
それを見た夜一はにやにやとぎゅーっと更に真由美に抱き締める。
苦しいのだが喋れず夜一の腕をペチペチ叩くしか抵抗の方法が浮かばない。
「よ、夜一様!!?なんという格好…それより真由美をお放しください!!」
「おぉ砕蜂、起きておったか!」
「起きておったか!、ではありません!真由美が苦しんでいます!窒息します!!」
「ん?」
「………!!!」
砕蜂のお陰で真由美の状態に気付いた夜一は力を緩める。
その隙を喜助は見逃さず素早く窒息寸前の力ない真由美を抱き上げ救出する。
「大丈夫ッスか!!?何もされませんでした!?あぁ!!唇は無事ッスか!?身体は無事ッスか!!!??」
「……だい、じょうぶ……たぶん…」
「あぁ!可哀想なアタシの真由美サン!あんな汚らわしいものに触られて!!大丈夫!アタシは穢れた真由美サンでも愛してますよ!!」
「お主、気持ち悪いぞ…」
「浦原!夜一様のお体のどこが汚らわしいのだ!!」
「突っ込みどころ違うと思うが…」
変なことを言い始める喜助に軽く引き、部下の砕蜂に着物をかけられながら突っ込む大忙しの夜一さん。
「旦那様!!!真由美お嬢様がおりません!!!」
「あぁ、真由美サンならここにいますよ〜」
慌てて入って来たのは昨日気絶したトキだった。
真由美が居なくて慌てたらしい。
喜助は抱き締めていた真由美に頬ずりして真由美の無事を見せる。
「あぁ…よかった…私、誘拐されたのかと……」
「真由美サン可愛いからその心配はしょうがないッスよねぇ!」
「旦那様、真由美お嬢様。お食事をご用意しましたが如何いたしますか?」
「真由美サン、お腹すきましたか?」
「はい。」
「なら、いつもの部屋にお願いします。」
「畏まりました。」
そういって何事も無かったかのようにトキは出て行く。
喜助は『夜一サンも着替えてくださいねー』と言って真由美と出て行く。
残された二人は何も言えず、沈黙が続いた…
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