「いってらっしゃいませ、お父様」
「…はい、行ってきます。」
毎日の日課である見送りをする際真由美は少し違和感を覚える。
「お父様…ご気分が悪いのですか?」
喜助は首を振り真由美の頭を撫でる。
真由美は心配そうな顔をするが喜助はそれに苦笑いを浮かべるだけだった。
「真由美サン、今夜お話しがあります。アタシが帰ってくるまで起きててくれますか?」
真由美は「はい…」と言うが不安そうにする。
そんな娘の頭を撫でて喜助は仕事へ向かう。
喜助の背中を完全に見えなくなるまで真由美は見つめていた。
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