(4 / 158) 浦原娘主 (004)

私は突き落とされて死んだからと言って落ち込むなんて事しない。

きっと父と母が敵を討ってくれる。
社会的に抹殺ぐらいはするはずだ。
むしろ学校にも責任負わせて慰謝料だとかでお金をガッポリ頂いているのだろう。
慰謝料が貰えるかは分からないが…
でもあの人達を怒らすと怖いのは私自身が実証済みなので半端ないと思う。

私は幸い家族には愛されていたと自負するからあの人たちは必ず復讐してくれる。
私は善人ではないのだ。
だから漫画や小説の主人公のように優しくはないし、全てを許すことは出来ない。


その代わり諦めの速さは世界一だが。


もう死んでしまったことはどうにもならない。
父と母と弟には会いたいがもう会えない。
あの人達は生きて、私は死んだのだから住む世界が違うというのはこのことだろう。


だから、現世のお父様、お母様。
強く生きるのは結構です。
でも周りに迷惑かけずに弟と三人で仲良く生きてください。
私は新しい家族と仲良く生きていきます。

ばぁい・貴方達の愛する天使、真由美より



なんて馬鹿なことを言っているが私の地区は本気でやばいかもしれない。
最近、山賊らしいものが出てくるらしい。
まだ山の中だけだがいつ村に襲いに来るか分かったものではない。
私達は夜怯えながら家族で固まって寝ている。


だけど、神様は残酷だ。



警戒したその夜に山賊がやってきた。

悲鳴で起きた私達はお母さんに隠れなさいと言われとりあえず押入れに隠れる。

そんなとこすぐ見つかるのに、と冷静だったなら考えるだろう。
でもそんな分かりきったことが分からないほど私達は混乱し、怯え、姉弟で震え山賊に見つからないように祈る神などいないのに祈りながら待つことしか出来なかった。

お母さんはきっと死ぬんだろうなぁとお姉ちゃんとお兄ちゃんに挟まれ思う。


外の悲鳴や断絶魔を聞きながら隠れているとついに見つかってしまう。



「チッ!餓鬼三匹だけかよ…」

「ここの村は若い女がいないなぁ…こいつらでもいいんじゃねぇの?」

「お前ロリコンかよ。」

「ばーっか。こんな餓鬼でも成長すりゃぁ立派な女じゃねぇか。」

「逆に育てる楽しみがあるってか?お前本当、変態だな。」

「あ?じゃぁお前はいらないのかよ?」

「いや、いるね。女に飢えてるもん、俺。」

「ギャハハハ!お前も十分変態じゃねぇか!!」


下品な笑い方、下品な言葉使い。
まさに山賊だ。
私達は下に降ろされて山賊に手をつかまれていた。
お姉ちゃんも私も、怖くて動けなくて。

だたお兄ちゃんだけは山賊は捕まえずにいた。
だから逃げてと、言った。
勿論聞こえないように。
私達に気を取られている隙に兄だけでも山賊から逃げて欲しかったから。

お母さんはもう死んでいる。
山賊の後ろに死体が見える。
その死体は母だったものだ。

死んで何も映らない瞳を姉は見つめ何も出来ない。
私は何故か冷静だった。
姉みたいになれたら楽だなのだけど、それも出来なかった。


「あ?おい。男がいるぞ。」

「殺すか。」

「!?や、止めて!!!!」


お姉ちゃんが我に返って止めるために山賊の足にしがみ付くが子供では大人を止めることはできない。
お兄ちゃんは逃げるが残りの山賊に斬られ死んでしまった。

お姉ちゃんはそれを見て悲鳴を上げてお兄ちゃんに駆け寄る。
でも出来なかった。山賊がお姉ちゃんも斬ったから。

止める際お姉ちゃんは山賊の足に噛み付いたらしい。
それに逆上した山賊がお姉ちゃんを殺した。

でも

何故私はこんなにも冷静でいられるのだろうか

何故姉みたいに叫んだり涙を流したり出来ないのだろうか

本当の家族みたいに大好きだったのに


なぜ


「この餓鬼姉兄が殺されても顔色一つ変えねぇぞ。」

「ちょっと子供には刺激が強すぎたんだろ?でもこれから始めることも刺激が強すぎるぜ?お譲ちゃんに耐えられるかなぁ?」

「お前それセクハラ!ギャハハハ!!」


押し倒される私。

イヤだ

イヤだ!

イヤだ!!!

こんな奴らに触れられるのはイヤだ!!!!

いやだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!



あぁ、お可哀相なご主人様。

私をお呼びくださいな

なればその下種どもを滅してさしあげましょう

さぁ

はやく

わたくしのなまえは



「咲き乱れろぉぉ!!!姫桜ぁぁぁぁぁ!!!!!」


そう、私の名前は姫桜

全てを癒す者の名前

そして全てを滅する者の名前


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