「生きたまま…怖いッスよねぇ〜」
「なんや、行き成り」
十二番隊へ向かう途中に喜助は突然ポツリと呟く。
「いやね?解決するまで真由美サンを出さない方がいいかなぁと思いましてね…」
「……事件が起きるのは流魂街だヨ」
「でも!もしもって事もありますし…!!」
「………………」
「…………親馬鹿めが」
部下二人に呆れられながら十二番隊へ到着する。
そして研究室へ入ると…
「お父様、マユリさん、ひよ里様、お帰りなさい」
可愛らしく笑顔の真由美が出迎えにやってきた。
喜助は愛する娘のお出迎えにデレデレと鼻の下を伸ばす。
「真由美サン!!来てたんですか!迎えにいこうとしてたんスよ!」
「まぁ!お父様ったら!!今日はトキに送っても貰うといいましたのに〜」
****************
「なんや真由美のやつ、えらいご機嫌やな…」
「フン…」
「お?嫉妬か?男の嫉妬は醜いんやで〜?」
「うるさいヨ。私はただ浦原の顔が気に入らないだけだ!」
「はいはい、そういう事にしといてやるわ。……って真由美の頭についてるアレは…」
****************
「お父様、ちょっとお聞きしたいことがございます。」
喜助に抱き締められ少しへばっていた真由美は喜助の胸に押し付けられていた顔を喜助に向ける。
「なんすか?」
「明々後日のことです。」
明々後日、と聞いて喜助のデレデレ顔が一瞬にして強張る。
「……誰に聞いたんすか?」
「誰でもいいではありませんか」
「…白哉サンですか……」
当てた喜助に真由美は目を丸くする。
喜助は真由美に付けている牽星箝に触れる。
「真由美サンが知っている貴族の中で牽星箝をつけてるのは白哉サンだけッスからね…アタシと夜一サンと砕蜂サンはしてませんし…」
「私、行きますから。」
「…だ」
「…めと言うのは無しです。私は行きます。」
「……真由美サン、貴族というのは汚い人達ばかりです。そんなところを真由美サンを連れて行くなんて…」
真由美は納得いかないという顔で喜助を見る。
そして喜助の両頬を小さな手で覆い真面目な顔で見つめる。
「私はお父様の子です。そんな私がその汚い人達に負けるとお思いですか?」
娘のその言葉に喜助はポカーンと呆気に取られた顔をする。
その後苦笑を浮かべ、喜助も真由美の両頬を手で包み込む。
「そうでしたね…それに真由美サンはアタシが守りますから平気ッスね」
喜助の言葉に真由美は満面の笑みを浮かび喜助を抱き締める。
喜助も真由美を力強く抱き締める。
****************
だが、喜助は真由美を守ることは出来なかった
少しずつ
少しずつ運命の歯車は動き出す
それは喜助と真由美にとってとても悲しい運命
だが喜助と真由美は気付かない
静かに周り続ける歯車には誰も気付くことはない
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