屋敷から帰ってきたお嬢様を皆心配そうな顔をして出迎えた。
お嬢様は皆を大広間に集め皆の顔を見渡す。
「皆に、一つ言いたいことがある…私は今日から…いえ、お父様が追放された瞬間浦原家二十五代当主となりました。」
私達は何も言わず、ただお嬢様の言葉を一言も聞き漏らすことないよう聞いている。
「みんな知っての通り私は貴族の血など一粒も入ってはいません……それに少しでも不安に思われる方はどうか…」
「真由美様!!私達はそのような事一度も足りとも考えた事はございません!!」
「そうです!俺達は真由美様が浦原家の姫様になられたことを心から感謝しております!!」
「姫様がおられなかったら浦原家は滅亡しておりました!!」
「それだけではございません!!お嬢様はどんな貴族の姫よりも素晴らしく、貴いお方でございます!!」
次々に上がる皆の声にお嬢様は目を丸くしておられた。
「みんな…」
「旦那様が恐ろしい実験をなさっていたなどそんな真っ赤な嘘、我々は信じておりません!」
「えぇ、旦那様がそのような実験をする方じゃないと私達とお嬢様がよく分かっております。」
「トキ…みんな………ありがとう…私頼りない当主だけど…頑張るから…ありがとう…」
お嬢様は涙を流されなかったが泣きそうな顔で笑ってくださった。
お嬢様が笑ってくださるなど久々な感じがして皆ホッと息をつく。
「それと、もう一つ。浦原家は五大貴族になります。」
「五大、貴族…」
「ですがそれは旦那様が蹴られたのでは…」
「私もそう思い銀嶺様に言いました。しかしコレは保留との事です。」
「保留…」
「銀嶺様が後ろから支えてくださります。朽木家だけではありません…蜂家も我々の味方となってくださる…」
「おぉ…それは心強いですね」
家臣の言葉にお嬢様はいつもの可愛らしく可憐な微笑みを向ける。
「この先反感を買うでしょう。ですが絶えるのです。今私は崖の上にいるような状態。流魂街出身の貴族に優しくしてくださる方は数少ないでしょうね……だから、耐えてください…どんなに浦原家や私やお父様の陰口を言われたとしても耐えるのです。」
「お嬢様…」
「絶えて、絶えて…お父様の濡れ衣が晴れ、無事この屋敷に戻れる日まで皆で生きていきましょう…」
お嬢様に言われ、皆力強く頷く。
それを見てお嬢様は満面の笑顔を見せてくれた。
でもまだ顔が晴れていなかった。
父に置いていかれたという事実はまだ幼いお嬢様にはショックが大きすぎるのだろう…
皆は自分達がお嬢様の支えとなっていかなくてはならないと決意する。
お嬢様は幼いが聡明なお方だ。
本音を言うと神童なのだと思う。
幼いながらも大人びているお方。
言葉使いも子供とは思えない…
それに研究などでも才能を発揮なさっているとか…
すでにお嬢様の部屋には研究のもので埋め尽くされていた。
でも、あの方は貴族のことは知らない。
これから教えればよいのだが汚れた世界にあの方を放りこむのは戸惑ってしまう。
たとえ斬魄刀をお持ちなのだとしても不安は消えない…
私は、私達はお嬢様を見守る事しか出来ない…
51 / 158
← | back | →