(61 / 158) 浦原娘主 (061)

白哉様がお帰りになり、私は早速地下へ向かう。
お父様の部屋に消える私をトキが切なそうに見つめていたことは私は知らない。


≪真由美様!集中力が切れておいでです!≫

「……………」

≪…その調子です。それを終えましたら休憩いたしましょう≫


今日は白哉様のことがあり集中が出来なくて桜ちゃんに怒られてばかりだった。


「あー…疲れた…」

≪真由美様、お飲み物でございます≫

「ありがとう」


私は桜ちゃんが持ってきてくれた飲み物を一気に飲みほす。


「後どれぐらいで椿ちゃんに触れれて死神になれるんだろ…」

≪そうですねぇ…触れれるようになるのはまだ分かりませんが死神を目指すならばせめて始解ぐらいしなくては≫

<そうだのう…いくら桜が最強だとて始解せず戦うのも限界というものじゃからの…>

「始解かぁ……あれ?でもさ、二人とも私に屈服してるじゃん…それって卍解じゃないの?」

≪いいえ、私達は特別な斬魄刀故…それに今までの主の中で真由美様は特別ですもの≫

<妾達が斬魄刀ではなく人として主に選んだお方が帝ですから>

「……ふーん…」


いまいち分からず私は首をかしげて返事をする。
それに二人は笑って私を見つめる。
美人に見られるというのは毎日見ていても慣れないものだ。


「あ、そういえば鬼道ってなに?」

≪鬼道…ですか?≫

「うん。だって桜ちゃんの攻撃って鬼道全て使えるっって聞くけど実際鬼道ってなんだろうなぁって思って…」

≪まぁ…ご存じでないのですか?私はご存知だと思っておりました…≫

「実は卍解も分かってないんだよねぇ…なんていうか聞きたいことがありすぎて分けわかんなくなったっていうか…」


言い訳する私に二人は目を丸くするがすぐに微笑む。


≪そうですね。真由美様はこちらの知識がない方ですもの、知らないのも仕方ありませんわ≫

<そうだの、ではお教えしましょう…まず死神のことはご存知ですか?>

「んー…よくわかんない…私の死神のイメージは魂を狩る邪悪な存在なんだよね」

<魂を狩る、というのは少し似ていますね。死神と言うのは魂を尸魂界に送るのが仕事でございます>

「魂…幽霊のこと?」

<はい。しかし、帝は虚というものはご存知ですか?>


ホロウ、という言葉は聞いたこともないので首を振る。


<虚というのは…説明するより見てもらった方がよいでしょうね……桜>

≪はい≫


そう言って椿ちゃんは桜ちゃんを見て、桜ちゃんがそれに答えるように私の前に出る。
そして桜ちゃんは少し大きな丸い水鏡を造り出す。その水鏡に椿ちゃんが手をかざすと何かが移りこむ。私は最初分からなかったが、画像が映ったときこれはテレビのようなものなのだな、と納得する。その水鏡には白い化け物が映っていた。


「これは…なに?」

≪これが、虚と言うものなのです≫

<虚の正体は何らかの理由で堕ちた人間の魂と言われており、主食は人間の魂魄…即ち魂との事です>


椿ちゃんは<まぁ細かい説明は学舎で教えて頂きます。>と言って話しを戻す。


<その虚と戦うことも死神の仕事です。正確に言うと虚を斬魄刀で斬り伏せることによって虚になってからの罪をを濯ぎ、その魂を元の人間のものへと戻し尸魂界へと送ることができるのです。>

「そうなんだ…じゃぁ斬魄刀って何なの?」

≪斬魄刀というのは死神が持つ特殊な刀です。先も言ったようにその刀で虚を斬れば魂は尸魂界へと送ることが出来ます。
そして斬魄刀は所有者の魂を元として形作られているために形、能力は全て違うのです。
普段は所有者によって力を封じられておりますので普通の日本刀の形状になるのです。
そして所持者が解号を唱えることで始解と卍解が使用できるのです≫

「解号って?」

<帝、桜を刀の形でお呼びする時になんと仰られておりますか?>


急にそんなこと言われ、私は首を傾げる。


「桜ちゃんを呼ぶとき?≪咲き乱れろ、姫桜≫…だけど?」

<それが解号なのです。>


私はさらに首を傾げる。


<つまり、言霊と名前。コレを合わせて"始解"となるのです。>

「あ、じゃぁ椿ちゃんにもあるんだ」

<はい。>

「早く呼びたいなぁ…」

<ふふ、妾も早く帝に呼ばれとうございます>


椿ちゃんと笑っている私を見て桜ちゃんも微笑んでくれる。
私は桜ちゃんにも笑いかけ、その場は花が飛び散っていたに違いない。

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