(63 / 158) 浦原娘主 (063)

私は、死神になります。
まだ椿ちゃんは触れるだけで使いこなせる日があるのか、と言いたいぐらいで全然駄目ですが桜ちゃんが居ればいいか、と三人の結論に至りました。
それに、前から死神になって白哉様の支えになればよいと考えていました。
お父様を感じていたい、というのも本当です。
ですが白哉様はいつもより仕事をしておられる様子、清家殿に泣きつかれて私はそういう結論に至りました。
白哉様をお止するのはまず無理だと思ったのです。
そして私はすでに真央霊術院で死神を学んでおります。
思っていた通りあの事件をご存知の人に白い目で見られているけど頑張っております。

そして私は今…


「ねぇ、あんたって五大貴族なんでしょ?なんでここにいるわけ?」

「死神になるためにここにいますが…」

「はぁ?あんたバッカじゃないの?あんたみたいな常識を知らないお姫様が死神になれると思ってんの?」

「なれると思っているので此処に通っております」


絡まれております。

正確に言うとイジメられてます。
…正直に言って私は五大貴族ということで先生側に腫れ物に触るような態度だし、そのお陰で贔屓されてたりで気に食わない人続出です。
以前は睨む、無視する、陰口を言う。
それだけでしたが誰かが勇気を出して私の物を隠した事でイジメに発展しました。
誰?余計な事したバカたれは。
イジメられすぎて友達100人出来るかな?という歌が永遠と流れていた事もいい思い出です。


「ちょっと聞いてんの!?」

「………っ」


ドン、と肩を強く叩かれ後ろに倒れそうになる。
私は物思いに耽っていたらしく、その痛みで我に帰る。


「何よその目…あんた才能ないくせになんで此処に入れるのかしら?やっぱりお金?」

「えー!いくら出したのぉ?」

「キャハハハ!!洒落になんないよそれ!」


私は馬鹿笑いする女子三人に呆れてモノも言えませんでした。
お前らより私の方が成績いいだろうが、なんて口に出したいのを我慢し、時が過ぎるのを待ちます。


「あ、それとも身体?どっかの偉い貴族にでもその貧相な身体を売ったの?」

「何それ!そんな趣味の悪いオッサンいるわけ!?」

「おっさんって決まってんだ」

「あ、でもさぁこいつって朽木家の当主と婚約してたんでしょ?そいつに入れてもらったんじゃない?」


白哉様の名前を聞いたとき、私はその女を睨んだ。
女は私の目線にたじろぐが鼻で笑う。
だが笑顔が引きずっているので怒りもしないが。


「な、なによどうせ本当のことでしょ?」

「でも婚約破棄されたじゃん。愛想を尽かしたんだよきっと」

「あぁ、確かに愛想が尽きるよねぇこいつって…でもこいつを婚約者に選んだ朽木って奴も趣味悪いよね。」

「所詮坊ちゃんだから。」

「なるほど!」


とキャハハと大声で馬鹿笑いするアホどもに私は限界が来た。
私はアホどもにの前に出る。


「何よ」

「訂正なさい。」

「は?」

「あの方を侮辱したことを訂正なさい」

「な、なんであんたなんかに命令されなきゃいけないのよ!」

「そうよ!あんたを選んだんだからどうせ碌な人間じゃないんでしょ!!」


その言葉に私の頭の中で何かが切れる音がした。
私はその女の襟を片手で掴む。


「訂正しなさい」

「ひっ…イヤ!放して!!!」

「あ、あんた!何してんのよ!!!」

「放しなさいよ!!」


女の仲間が近寄って私を女から離そうと私に触れる。


「姫桜」


私は影にいる桜ちゃんに頼み周りにあった木の枝を操ってもらって女達を縛り上げる。


「なっなによこれ!!!」

「なんで木が…!!?」

「ひ、人呼ぶわよ!!」

「呼びたいなら呼びなさい」


私の意外な言葉に三人はポカンと馬鹿面を見せる。
それが可笑しくて私は笑みを浮かべる。


「でも、私を苛めていたことがバレたら貴方達、流魂街戻りね」

「「「!!?」」」


やっぱり、この三人は流魂街出身だったらしい。
白哉様を貶せるのは大体が流魂街出身の人だからそうかなぁと思ってたけど此処まで顔に出されたら爆笑ものだ


「あ…あんただって真央霊術院にいられなくなるわよ!!!」

「知らないの?五大貴族の権力を…揉み消しも貴族の特権なのよ?……言っている意味、貴方達の小さい頭でも理解していただけたかしら?」

「「「……………」」」


顔を青くする三人に私は微笑む。
その微笑みに三人は小さく悲鳴を上げる。
…ちょっと失礼じゃない?
そう思い、目を細めると急に腕を引っ張られる。
突然の事で驚いていると白い髪の見た目が同い年の男の子が私の腕を掴んでいた。
確かこの子は…


「日番谷…冬獅郎…」


そう、日番谷冬獅郎。
天才と言われている男。


「何してんだ…お前…」

「……………」


私は何故か日番谷を見つめることしか出来なかった。
バレたのが怖いのではない。
何故か彼の目に引き込まれるのだ。


「た、助けて!!」

「私達なにもしてないのにこの子が…」

「お前らに聞いているんじゃねぇよ」

「なっ…」


日番谷はぎゃーぎゃー騒ぐ女達など目もくれず私を見つめる。


「……なぜ、貴方が出てくるのかしら」

「誰だってこんな場面見たら止めるだろ。」


それ、貴方だけだと思う。と私は何故かそう突っ込んだ。


「桜ちゃん、解放していいわ」


桜ちゃんは躊躇したが三人を解放した。
解放された三人は私を怯えた顔で見て一目散に逃げていく。
私はその三人を見届け反対側に歩き出す。
日番谷とすれ違うが何もしてこないのでホッと息を吐く。

私は日番谷がじっと見ていたことを知らなかった。

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