(66 / 158) 浦原娘主 (066)

真由美が四番隊に配属されると断言した事に俺は首を傾げるがあいつは笑うだけで話してくれなかった。
別に気になるわけではないがもったいぶられると気になるのが人の性だろ?
だが聞き出す暇もなく卒業試験は呆気なく終わった。
俺も真由美もトップで卒業した。

卒業したとき、俺の周りには人だかりが出来て鬱陶しかったがあいつの周りは人がいなかった。
というか近寄れないのだ。

卒業したとき、あの朽木白哉が真由美の元にいたのだ。
二人は、というか主に真由美が喋っていたが仲がいいのがよく分かる。
時々朽木白哉が真由美の髪やら顔やらを触って馴れ馴れしいのが気に入らないが俺が入るわけもいかず二人を見つめていた。

すると朽木白哉に睨まれた。
俺は少したじろいだ。
まるで恋敵に睨むような鋭い目つきだった。
そういえば元婚約者だったな、と頭の端で冷静に考えていた。


****************


「あ、此処みたいだね」

「あぁ。」

「入隊試験の流れは筆記と実技と…あ、面接があるんだ…」


『すごい緊張する』と余裕そうな顔に言う真由美に俺は嘘付け…と呆れた目線を送る。
俺の目線に気付いた真由美は舌を出して惚けた。
溜息をついたとき待合室に辿り着く。
俺達は空いている席に座った。
俺達が入った瞬間に目線が絡みつくのだが慣れている俺達は無視をした。
暫らく喋っていたら試験官が来てテスト用紙を配る。

次は面接らしい。
次々と呼ばれる中俺達は呼ばれるのを待つ。
他は緊張してイライラしている。


「隊長達が揃ってるなんて…それなんて拷問?って言いたいよね。」

「あぁ」

「白哉様と山本様には耐えれるけどなぁ…」

「……………」


真由美、頼む、その二人の名前を出すのはやめろ…
睨んでんだよ。
俺らと同じ入隊希望者が…

俺はここで冷や汗をかく。
隊長達との面接に緊張なんてないがいつ乱闘になるかと溜まったものではない…
頼むから貴族だからという理由で目をつけられていることを自覚してくれ…!


「次の方」

「俺か…」

「頑張ってね、冬獅郎くん」

「あぁ…」


胃を抑えながら俺は案内人の後についていく。


****************


「おぉ、お主か」

「…は?」


行き成り一番隊の隊長に話しかけられ唖然としてしまう。


「さてどうしようかのう…」

「あの…?」

「天才だからのう。一番隊かの。」

「は?…俺の希望は…」


俺の希望を聞かず何故か自己完結するじじい…ではなく一番隊の隊長に困惑する。


「お待ちください。二番隊が相応しいのでは?」

「いいや、俺のところだろ?」

「何言ってやがる」


何故か俺争奪戦が生まれ、俺を無視して争う隊長達。
俺は溜息を付くしか出来なかった。

****************

しかし、隊長達が天才を取り合っている中、二人だけその争奪戦を冷ややかな目で見ていた。


「……………」

「君は行かなくてもいいのかネ?」


それは六番隊、朽木白哉と十二番隊涅マユリだった。
マユリは天才には興味がないだけなのだが白哉は違っていた。
白哉は前から真由美を護衛させていた者からの報告で冬獅郎と真由美の仲が気に入らなかった。
その為自分の隊に入隊さえしなければどこに配属されようが関係なかった。
むしろ十二番隊か十一番隊に行けばいいのに、と案外狭い心をお持ちのようだった。
だから絶対自分から入隊させようともせず、コチラに来ても拒絶しようと企んでいた。


「……兄には関係ない」

「そういえば真由美とあの者が仲がいいと聞くが…それは本当かネ?」

「……………」

「……成るほど…なら真由美が他の隊に入ってもダシに使えば会いたい放題だネ」

待て、この者は六番隊が貰おう


しかし白哉の決意は案外脆かった。

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