(72 / 158) 浦原娘主 (072)

私はげんなりしていた。
せっかくの休憩だから散歩していただけなのに…

なんで

なんで…!!

それは数分前のこと…

私、浦原真由美は普通に歩いていました。
休憩だったんです…最近は外に出ていなかったので散歩していただけなんです…


「風が気持ちー!最近室内の仕事ばっかだったからなぁ…」


あぁ、でも後数分でこの幸せも終わるな…と私は肩を落とす。


「真由美ちーーん!!」


聞き覚えのある声に私は振り返る。


「真由美ちーん!!!」

「え…は…?」


向かってくる人が見える。
しかもチリンチリン言わせて。


「え…更木たい…え…なに、何でこっちに…」


私は戸惑ってその場から逃げれなかった。
そしていつの間にか更木隊長の脇に抱えられていた。
そして、今に至る。


****************


「あ、あの…!!!」

「真由美ちん!久しぶりだね!!!元気だった?」

「やちるちゃん!元気にしてたよ…ってそうじゃなくって!何で私は更木隊長の脇に抱えられているのですか!!!」

「あ?やちるがそうしろってうるせーんだよ」


えぇぇ!?とやちるちゃんを見る。
正直この体制で後ろを見るのは辛い。


「だって真由美ちんがいたら怪我しても治せるじゃん!!あと迷わないし!」

「迷わないって…今迷ってるの?」

「うん!」


私はどうやら案内人をしなくてはならないらしい。
聞くと虚退治をするため現世に行かなくてはならないらしく、部下達は先に行ってしまったらしい。
これも何時ものことなので二人は気にしていない。
気にしろよ、と私は思うが更木隊長が怖くて言えなかった。


「とりあえず更木隊長…案内させて頂きますので降ろして頂くと助かるのですが…」

「駄目だよ真由美ちん!!剣ちゃんって言わなきゃ!!前は言ってたじゃん!!」

「それは剣ちゃんが更木隊長とは知らなかったからで…」

「剣ちゃん!!」

「ざら…」

「けーんーちゃーんー!!!!」

「いや、だから」

「けーん…」

「うっせぇぞ!!!」


私とやちるちゃんが言い合っているとき、ついに更木隊長がお怒りになられた。
私は小さく悲鳴をあげる。
怖いとかではなく大きな声に驚いたのだ。


「どっちでもいいが道教えろ」

「あ、はい。ではあっちに行って下さい、ざら」

「剣ちゃん!」

「……け、剣ちゃん」


やちるちゃんに根負けしていまい剣ちゃんと言ってしまった。
恐る恐る更木隊長を見るが気にしていない様子だった。


「んで、次はどっちだ」

「では左に曲がって、そのまま真っ直ぐ進んでくださればつきます」


私の案内でやっとつく。
だが何でこんな簡単な道を間違えるんだ、と思う。


「よし、じゃぁ行くか。」

「あの…地獄蝶は…」

「…………」

「…………」

「…取りに行ってまいります…」


私はわざわざ十一番隊に行き地獄蝶を取りに行き、瞬歩で戻ってくる。
そのタイムは最高記録と言えるほど早かったと自分は思う。
だって怖いじゃん!!
剣ちゃん怖いじゃん!

地獄蝶を持って更木隊長…あぁ、もう剣ちゃんでいいや。
剣ちゃんの所へ戻ってきて「あぁ、コレで解放される!!」と喜んでしまった自分を呪いたい。


「よし、行くか。」


気合を入れた剣ちゃんは私をまた脇に入れて現世に向かう。


「え、は?……えぇぇぇぇぇぇ!!?」


私の叫びは誰にも聞かれる事無く消えた…

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