私はげんなりしていた。
せっかくの休憩だから散歩していただけなのに…
なんで
なんで…!!
それは数分前のこと…
私、浦原真由美は普通に歩いていました。
休憩だったんです…最近は外に出ていなかったので散歩していただけなんです…
「風が気持ちー!最近室内の仕事ばっかだったからなぁ…」
あぁ、でも後数分でこの幸せも終わるな…と私は肩を落とす。
「真由美ちーーん!!」
聞き覚えのある声に私は振り返る。
「真由美ちーん!!!」
「え…は…?」
向かってくる人が見える。
しかもチリンチリン言わせて。
「え…更木たい…え…なに、何でこっちに…」
私は戸惑ってその場から逃げれなかった。
そしていつの間にか更木隊長の脇に抱えられていた。
そして、今に至る。
****************
「あ、あの…!!!」
「真由美ちん!久しぶりだね!!!元気だった?」
「やちるちゃん!元気にしてたよ…ってそうじゃなくって!何で私は更木隊長の脇に抱えられているのですか!!!」
「あ?やちるがそうしろってうるせーんだよ」
えぇぇ!?とやちるちゃんを見る。
正直この体制で後ろを見るのは辛い。
「だって真由美ちんがいたら怪我しても治せるじゃん!!あと迷わないし!」
「迷わないって…今迷ってるの?」
「うん!」
私はどうやら案内人をしなくてはならないらしい。
聞くと虚退治をするため現世に行かなくてはならないらしく、部下達は先に行ってしまったらしい。
これも何時ものことなので二人は気にしていない。
気にしろよ、と私は思うが更木隊長が怖くて言えなかった。
「とりあえず更木隊長…案内させて頂きますので降ろして頂くと助かるのですが…」
「駄目だよ真由美ちん!!剣ちゃんって言わなきゃ!!前は言ってたじゃん!!」
「それは剣ちゃんが更木隊長とは知らなかったからで…」
「剣ちゃん!!」
「ざら…」
「けーんーちゃーんー!!!!」
「いや、だから」
「けーん…」
「うっせぇぞ!!!」
私とやちるちゃんが言い合っているとき、ついに更木隊長がお怒りになられた。
私は小さく悲鳴をあげる。
怖いとかではなく大きな声に驚いたのだ。
「どっちでもいいが道教えろ」
「あ、はい。ではあっちに行って下さい、ざら」
「剣ちゃん!」
「……け、剣ちゃん」
やちるちゃんに根負けしていまい剣ちゃんと言ってしまった。
恐る恐る更木隊長を見るが気にしていない様子だった。
「んで、次はどっちだ」
「では左に曲がって、そのまま真っ直ぐ進んでくださればつきます」
私の案内でやっとつく。
だが何でこんな簡単な道を間違えるんだ、と思う。
「よし、じゃぁ行くか。」
「あの…地獄蝶は…」
「…………」
「…………」
「…取りに行ってまいります…」
私はわざわざ十一番隊に行き地獄蝶を取りに行き、瞬歩で戻ってくる。
そのタイムは最高記録と言えるほど早かったと自分は思う。
だって怖いじゃん!!
剣ちゃん怖いじゃん!
地獄蝶を持って更木隊長…あぁ、もう剣ちゃんでいいや。
剣ちゃんの所へ戻ってきて「あぁ、コレで解放される!!」と喜んでしまった自分を呪いたい。
「よし、行くか。」
気合を入れた剣ちゃんは私をまた脇に入れて現世に向かう。
「え、は?……えぇぇぇぇぇぇ!!?」
私の叫びは誰にも聞かれる事無く消えた…
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