私は最近目線を感じる。
今日も視線を感じ振り向く。
「…………」
誰もいない。
仕方ないので仕事を再開する。
****************
俺は、何をしているのだろうか…
「……………」
俺、阿近は局長に言われ真由美さんの姿をビデオに写している。
正直いつ周りにばれるか不安で仕方ない。
上司に言われてしまったらこの縦社会だ。
逆らうのはクビも同然。
…と言っても結構口答えはするがな。
だがうちの局長はクビどころか実験台にするから下手に断れない…
(…気になるなら自分で行けばいいのに)
しかしそう思ってても実際俺も気になってた訳で…
だから局長は俺に頼んだのだと思う。
(前局長が追放されたと聞いたとき真っ先に真由美さんを心配してたからなぁ、俺達…)
浦原前局長が追放されて以来真由美さんは十二番隊へ来なかった。
俺はまだ小さくて…局長にも前局長にも言えないが初恋が真由美さんだった。
同い年なんて周りに居なかったし、女の子と血なまぐさい実験するのも話すのもなくて…
それに俺に向けてくれる笑顔が好きだった。
(また笑顔を向けてくれないかなぁとか思ってるが…四番隊の奴らが羨ましい…特に山田花太郎ってやつ。)
真由美さんが四番隊に入隊してからずっと当番制で続けられる真由美親衛隊(仮)の仕事を何度もしてきた。
その中で日番谷という男と仲がいいらしい分かり、局長はそれにムカムカきているので最近触らぬ神に祟りなし状態が続いている。
他にも六番隊の朽木白哉もそれに似たような感じらしく、お前ら過保護すぎんぞ、と言いたいぐらいだ。
まぁ本当のこと言って俺も真由美さんに対しては過保護なのだという事は自覚しているが…
無自覚ほど厄介なものはないな…
お、移動したか
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目線はまだ続く。
入隊してからずっと続いているので恨みつらみがある人がけしかけるタイミングを狙っているのだろうかと疑っているのだが…
冬獅郎くんには相談していない。
したら最後、犯人を捜す!とか言って暴れまくるに決まっている。
白哉様も同じく権力をフル活用して犯人に地獄を見せるに決まってる。
他の人も心配させたくないし…
誰に相談したらいいのだろうか…
そんな悩む可哀想な私の視界が赤いモノを捕らえる。
「………そうよね、彼なら…あ、でも白哉様に言うんじゃ……イヤイヤ彼なら言わないって……………たぶん…」
私は決意して赤い彼の元に急いで駆け寄る。
****************
移動したがブツブツ何かを言っている。
何か悩み事でもあるのだろうか…
それとも局長のように禁断症状が起きたのだろうか…
いや、真由美さんに限ってそんな事はないだろう。
ではやはり何かイジメられているのだろうか…
俺はカメラを回しながら心配で仕方なった。
「あれ、阿近さん。何やって…」
「…修兵か…ちょっとな…」
「何撮ってるんすか?しかもそんなストーカーみたいに…」
「……………」
「……まさか…本当にストーぐふっ」
片手で修兵の口を覆い黙らす。
「ちょっと黙ってろ。バレるだろ」
「むぐっ……!?」
(やっぱりストーカーしてたんすか!?)
「あ?ちげーよ。…局長に言われてんだよ」
「む…」
(なるほど…)
「………………」
納得したので手を放したがこの会話もちゃんとビデオに入っている。
局長もこの会話を聞くであろう…
……修兵、強く生きろよ?
因みに何で口を塞いでも修兵の言葉を理解できるのか、という疑問は簡単だ。
俺が十二番隊だからだ。
考えてみろ。
十二番隊の隊長が誰なのかを…
修兵は興味があるのか俺と一緒に覗き込む。
俺も修兵から目線を真由美さんに戻す。
俺は目線を真由美さんに戻したことを後悔した。
なんで
何で阿散井と抱き合ってんだよ…
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