(78 / 158) 浦原娘主 (078)

私は赤髪…阿散井様に駆け寄る。
そしてタックルを食らわす。
だって…なんだか目線が一つ増えた気がして怖くて誰かに引っ付いていないと怖くて…


「誰だ!?……って真由美さん!?」

「あ、阿散井様…」

「れ、恋次!!誰だそいつは!」


阿散井様の他に誰かが居たらしくそちらをむくと阿散井様が怪我したときお見舞いに来ていた少女だった。


「あら、あなた…」

「…ん?お前は…」


私と少女が見詰め合っているのを阿散井様は不思議そうに見る。


「……お前ら知り合いか?」


少し戸惑いながら言う阿散井様を見ると何故か冷や汗を見せていた。
私は阿散井様に抱きつきながら首を傾げる。


「あぁ、お前の見舞いのときにな…」

「え、じゃぁあの時の声って…」

「えぇ。阿散井様ったら大怪我で立ってられないって言うのに逃げた虚を捕まえに行くから冷や冷やしました。」

「あ…阿散井様?」

「はい、阿散井様ですよ?」


何に驚いているのか分からず私は首をまた傾げてしまう。


「ちょ、真由美さん!!その言い方止めてくださいって言ってるじゃないですか!!」

「じゃぁ…なんて呼べばいいの?」

「普通に阿散井でお願いします!それか恋次で!」

「では阿散井くん?」


阿散井くんはホッとして『ついでにあいつらも名前で呼んであげてください』と言ってきた。
勝手に呼んでいいのかなぁ?


「真由美…だと?」


今まで黙っていた少女が私を信じられないという目で見てくる。
えっと……なんで?
阿散井くんを見ると片手で顔を覆っていた。


「ルキア、これはな…」

「ルキア?…ルキア…………あ、朽木…」


ルキア、という少女の名前に引っかかりを覚え記憶を探る。
すると数年前の白哉様の文でこの名前を見たことがある。
ついでに風の噂でも聞いたことある名前だった。


「……………」

「……………」

「……………」


す、すごい見てくる…
そしてすごい気まずい…


****************


な…なんで阿散井と抱き合ってんだ!?
なんで朽木ルキアと見詰め合ってんだ!?

俺はカメラがミシミシ言っているのにも関わらず手に力を込める。
仕舞いには修兵が俺に代わってカメラを回してくれた。
すまないな、修兵…局長から助けれるようなら助けてやるからな…

だが朽木の場合わかるが何故阿散井と知り合ってんだ…
あ、もしかして前のサボッた奴の日に知り合ったのか?
おいおい何してくれたんだよサボった奴…
今どうしているか分からないがもっとしばいとけばよかったな…


****************


私は真由美と言う名前を聞いたことがある。
聞いたときから忘れる事ができなかった。
浦原真由美。
兄様と同じく五大貴族であり幼くして当主となり大人顔負けの威厳をみせた貴族…
噂ではこの方も流魂街出身らしく貴族の中で初めて流魂街出身の貴族だと聞く。
この方のお陰で兄様の奥方はきつく言われなかったとも聞くが…

正直会いたくなかった…
養子だとしても兄様の妹として元婚約者など出てきて欲しくなかった…
あちらにしたら突然婚約破棄されさぞ奥方を恨んでいるのだろう…

そう思っていた…

初めて会ってみてわかる。
この方はそういうお方ではない、と…
不思議とそう確信してしまうのだ。
それに目を奪われる方だ。
失礼だが見つめてしまう…

兄様は私から見てもこの方に想いを寄せている。
勿論奥方も愛しておられるのはわかる。
だが…この方は兄様にとって特別な存在だと一目見て分かるほど、兄様はこの方を想っている…

最初はそれが嫌で仕方なかったが…
初めてお会いしてその理由が分かった気がする…


****************


あの、なんで私見つめられているのでしょうか…
多分傍から見ても私は汗だくだろう。
というか冷や汗だらけだ。
こんなに冷や汗をかいだのは藍染と剣ちゃん以来だ…
ってそんな事思い出しているときじゃないよ自分!


「えっと…あなたが白哉様の妹君のルキア様?」

「さ、様!!?」

「え?」


何かずれた所で驚かれた気がする…
ルキア様は慌てたように両手を前で振る。


「真由美様!!様などいりません!!呼び捨てで!呼び捨てでお願いします!!!!」

「え…でも…」

「なんでしたらこいつも"恋次"で構いません!!!」

「はぁ!!?何言って…」

「黙れ恋次!!真由美様に"くん"付けされるなど馴れ馴れしいにも程があるぞ!!大体いつまで真由美様のお身体に触れているのだ!!」


無礼だぞ!!と行き成り阿散井くんに怒り出したルキア様は私の腕をつかんで立たせる。
私の身長は133cm。
ルキア様と並ぶと私の方が小さいのだ。
まぁ、そんな事どうでもいいのだが…


「真由美様!恋次に何かされませんでしたか!?変なとこ触られていませんでしたか!?」


なんでこんなに態度違うの…

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