此処は十二番隊の某研究室。
そこで涅マユリは何かを作っていた。
それを阿近達はこっそりと覗き見をしている。
(阿近さん…局長なに作ってるんすかね…)
(……さぁな…)
「やっと完成したヨ…」
(あ、完成したんだ…)
(……なんか嫌な予感がする…)
マユリは側に控えていたネムにその物を渡す。
「ネム、この猛毒を六番隊の阿散井恋次と十番隊の日番谷冬獅郎に恨みの念を込めて思いっきり混入してき給エ」
「はい、マユリさ…」
「ちょっと待ったーーー!!!!!」
この親子を放っておくのは危険だと阿近は覗き見を止めマユリとネムの間に入り込む。
行き成りの阿近の登場に動じずマユリは不機嫌そうに顔を歪める。
「なんだネ、阿近」
「なんだね、じゃないでしょうが!!毒なんて飲んだら死にますよ!!」
阿近に突っ込まれるがマユリはそれが何だ?という顔で見る。
「殺す気でいるんだから当たり前だヨ」
「駄目です!流石に駄目です!!何考えてんですかあんた!!」
(マユリからしたら)一方的に攻め立てられ不機嫌になる。
「害虫は早めに駆除しなくてはならないだろう?」
さも当たり前のように言われ阿近は頭を抱える。
「真由美様に近づく男は削除するのが親衛隊のルールでございます」
「そんなルールないだろ…」
「
今作りました。」
「……………」
阿近は何も言えなくなった。
というか言うのも億劫になってきた。
「……そんなに心配なら十二番隊に転属させればいいじゃないですか」
「……入隊試験の面接の時…」
「?」
「…目さえ合わせてくれなかったんだヨ」
「……………」
また阿近は言葉を失う。
そして『あ、本気で落ち込んでる…』と冷静に考えていた。
マユリは背を丸めながら『嫌われタ…』と呟きネムが慰める。
阿近は思う。
真由美さんが局長を嫌うことなんてない。
あの局長大好きな真由美さんがそんな無視のような事はしない。
と。
回想のとき大分阿近フィルターが掛かっててやけにキラキラしていたがそこは突っ込まないであげよう。
「本当に嫌っているか本人に聞いてみたらいいんじゃないですか?」
見てられなくてマユリに提案するが、マユリもネムも聞いていなかった。
親子は真由美に相手してもらえなくて静かに泣いていた。
(……このままじゃ十二番隊が機能しなくなる…こうなったら…)
阿近はどこかに消えた。
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