「あ、阿近さん!!連れて来ました!」
「ちゃんと朽木家の護衛を撒いたか?」
「はい!」
「阿近…?」
真由美はゼーゼー言っている修兵の腕の中で目の前の男を見る。
その男は額に角を生やし気難しそうな顔をしていた。
「久しぶりですね、真由美さん。…覚えていますか?」
忘れるがない。
ずっと会いたくて会いたくて仕方なかった。
何度も十二番隊の門の前に立って入ろうとした。
だが出来なかった。
もし自分を拒絶されたらと考えると足が動かなかったのだ。
十二番隊の門の前に言っては帰ってくるの繰り返しで門の奥には進めれなかった。
阿近のことは覚えている。
小さい頃何度もマユリの手伝いをしたりお互いの実験を見せ合ったりして彼とは仲が良かったのだ。
それも喜助が妬くほどに。
「忘れないよ…だって…だって……」
泣き出しそうな真由美に阿近は微笑む。
そして真由美の頭を撫でる。
「…局長が待ってます、行きましょう」
「マユリさんが?……でも…」
戸惑う真由美に阿近は『大丈夫です』と安心させるように微笑みを向ける。
真由美は黙ってしまうが嫌ではないのだと思い修兵にそのまま抱いてもらい十二番隊に向かう。
(阿近さんが敬語を使ってた…という事は阿近さんより偉いのか?………っていうか俺も行くの?)
修兵は最近ついてないと密かに落ち込む。
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