(86 / 158) 浦原娘主 (086)

「真由美!」

「冬獅郎くん」


真由美は自分の担当の部隊の元へ向かう。
すると日番谷がいた。
どうやら日番谷も同じ隊らしい。
他にも見知らぬ人がいる。
真由美が最後だったらしい。


「では行くか。」


十番隊隊長を筆頭に虚退治を始める。
真由美達は流魂街を中心に進む。


****************


「ぐっ…」

「もう少しですから耐えてください!!」


真由美は出発し、流魂街に出てから虚により次々と倒れる隊員の傷を癒し続けている。
虚の多さと強さに真由美自身も戦うことになった。


「隊長!」

「大丈夫だ…」

「……っ駄目です…この人も、もう…」


他の隊員はすでに虚に食べられ四人しかいなかった。
だが一人は大きな傷を負っていた。
物陰に隠れ虚をやり過ごし、ずっと治療しているのに関わらず息を引き取ってしまった。
残るは十番隊隊長と日番谷と真由美のみになってしまた。

首を振る真由美に二人は目を伏せる。
他の隊もこのような状況なのだろうかと真由美と日番谷は五番隊の雛森を心配する。


「とりあえず撤退が出来ればいいんだが…」

「撤退する暇もなく襲ってきましたから今出たらどうなる事になるか…」

「そうだな…今は奴らが引くのを待つしかないだろう。」


外を見るとまだ虚が多く徘徊している。
普段の様子とは全く違うことに三人は首を傾げる。


「何かを探しているようだったな…」

『はい。人も無差別に殺さず顔を見てそれから殺してますね…それも若い女の人だけ」


真由美はとりあえず十番隊隊長の治療を行うことにした。
日番谷も相当傷を負っているが隊長の傷の方が深いためにそちらを優先とした。
四番隊として当たり前だが知り合いだと何か気が引けてしまう。


三人はジッと息を殺して時を過ぎるのを待つ。
このまま待ったとしても戻ってこない自分達の様子を見に来てくれるかもしれない、と思っているからだ。
あまり頼れない予想だがそれに頼る他なかった。



だが、それを待つ前に虚に見つかってしまった。


〔かくれんぼは終わりだぁぁ!!〕


虚は隊長を狙い鋭い爪で攻撃をする。
そのとばっちりで真由美も一緒になって傷を負ってしまった。



「ぐっ!!」

「っ!」


真由美は腹を刺され大量に出血する。
隊長はその場から動けずピクリともしなかった。


「隊長!真由美!!」


離れたところで戦っていた日番谷は二人の元へ駆け寄ろうとするが虚が邪魔して行けない。
逆にその隙を狙われ苦しい戦いを虐げられる。


〔弱ぇ癖に俺様と戦おうとするからそうなんだよ!!俺様が楽にしてやるぜ!!〕


「"咲き乱れろ!姫桜!!"」


真由美は尚も襲って来る虚に再度姫桜を始解し、虚の攻撃を受け止める。
両手を使っても怪我人では虚には勝てなかったのか押され気味だ。
だが始解したと同時に桜の花びらにのせ動きを鈍らせる香りで段々虚の動きも鈍くなる。


〔グッ!!〕


鈍くなった虚の腹に蹴りを食らわし、傷を負っているお腹を押さえ隊長の元へ急ぐ。
だが隊長の元に着く前に先の虚に邪魔され後ろには新たな虚が現れ真由美は虚に挟まれた。


「…挟まれたか」

〔てめぇよくも俺様を蹴りやがったな!!〕


真由美は日番谷を見るが日番谷も虚に囲まれ苦戦していた。


〔無視してんじゃねぇよ!!!〕


真由美が日番谷に気を取られていると虚が無視されたことを怒り襲ってくる。
後ろの虚も続く。


「≪霞の風盾!≫」


虚は真由美に攻撃することが出来ず腕が折れた。


〔〔っぎゃああ!!〕〕


「≪切り裂け姫桜≫」


痛みで絶叫している虚達を余所に真由美は合わせ技を繰り出す。
虚は悲鳴を上げる前に切り刻まれ朽ちる。


〔隙だらけなんだよ!!〕

「しまっ…」


二匹の虚に気を取られ過ぎてすぐそばで息を潜めていていた虚に気付かなかった。
真由美は咄嗟に姫桜で"霞の風盾"を唱えようとするがその前に捕まってしまった。


〔ヒャハハハ!!!握りつぶしてやるよ!!〕

「あっ…ぐ…」

〔おや…?〕


真由美は締め付けられる苦しさで震える腕を必死に上にあげ握り締めている虚の大きな手を斬ろうとした。
だが…


〔この腕で何か企んでるねぇ…私の腕を切ろうとしてるのかい?〕

「っ!!!!」


もう片方の腕で真由美の腕を掴みギリギリと力を入れる。
苦しみと痛みで気を失いそうになるのをなんとか留まり真由美は力を振り絞る。


「≪とう、さい…けっかい!!!!≫」


真由美と虚は氷に囲まれる。


〔なんだコレは…!!〕


虚は突然現れた氷を壊そうと真由美の腕を掴んでいたが放し、氷をドンドンと氷を叩く。
真由美は既に意識が朦朧となっている中口を動かす。


「≪蛇血氷≫」


すると氷のツルのようなものが出てきて虚を襲う。
狭い空間の中虚は逃げ惑うように暴れる。
だが氷のツルは執拗に虚に襲い掛かる。
ついには真由美に構っていられる余裕がなくなったのか手を放す。


「……ゲホッ!ケホ…」


咳き込み身体を落ち着かせる。
真由美が落ち着いた時には既に虚は消えていた。
氷を消すと待っていたかのように待ち構えていた虚達が一斉に真由美に飛び掛かってくる。
真由美は寸前で避け日番谷のもとへ急ぐ。

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