此処は四番隊の治療室。
慌しく四番隊の隊員が動き回っている。
「う…」
日番谷は五月蝿くて目が覚めた。
「日番谷さん、起きられたのですね。」
「虎徹…副隊長……」
日番谷は起き上がろうとするが痛みが身体中に走りベットに倒れ込む。
「あぁ!駄目ですよ!まだ傷が塞がっていないから安静にしてないと!」
「……真由美と…隊長は…」
「……それは…」
日番谷は二人の容態を聞く。
だが勇音は二人の名前を聞くと目を伏せ口篭る。
「それは私がお話ししましょう」
「!卯ノ花隊長…」
口篭っていた勇音に代わり卯ノ花が答えるという。
勇音は退室し、部屋には日番谷と卯ノ花の二人だった。
「……まずは、貴方の容態ですが…」
「俺は後でいいんだ。それより二人のことを教えてくれ…!」
日番谷は卯ノ花を見つめ訴える。
正直自分の身体などどうでもいい。
真由美と隊長……特に真由美が今何処でどうなっているのかが気になるのだ。
卯ノ花は日番谷に微笑みを止め悲しそうに眉を寄る。
「……残念ですが十番隊隊長は亡くなりました」
「……………」
「私達が到着したときには既にもう…」
「……真由美、は……」
口の中が乾いて気持ち悪い。
日番谷はドキドキと煩く鳴り響く心臓を押さえやっとその一言だけ搾り出せた。
「……浦原三席は生きております」
「そうか…」
「ただし…」
日番谷はホッと息をつくが次の卯ノ花の言葉に緊張が走る。
「…吐血が酷く回復の見込みがないのです。」
「な……」
「砕蜂隊長が言うには止まるまで待て、と…四番隊ではどうにも出来るモノではないからと仰っておりますが…」
「な、ぜ…砕蜂隊長が…」
「浦原三席とは幼い頃からのお付き合いらしく……兎に角浦原三席は砕蜂隊長に任せる他ありません」
「……………」
冬獅郎にはすでに卯ノ花の言葉は耳に入っていなかった。
真由美を守れない自分が悔しくて。
お互い自分の身を守るのが精一杯なのは頭で分かっていても心は悔しい気持ちで一杯だった。
「…………」
卯ノ花は力強く手を握る冬獅郎を気遣い部屋を出る。
すると勇音が不安そうに卯ノ花を見ていた。
「隊長…」
「勇音……浦原三席は…」
「血が…まだ止まらないようです……」
「そう…」
卯ノ花は真由美の血を吐き続ける姿を思い浮かべる。
あれは正常ではなかった。
血を吐いても吐いても止まらなくて。
眠る事さえ出来ない苦しみと吐血への苦しみ、そして痛みに襲われ今も尚苦しみもがいているのだと思うと何も出来ない自分が歯痒い。
何のための四番隊の隊長なのだと自分を責めてしまいたい。
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