その後、喜助さんは泣く泣く仕事に向かいました。
どうやらどっかの地下での仕事らしく、行くのがイヤだと駄々をこねる。
夜一さんに持ち上げられて投げられたのを見て山賊より隊長が怖くなりました。
そして再び抱き人形に。
私は夜一さんの胸の中で書類を見つめる。
いいのかな…仕事の書類を見ちゃっても…
でも夜一さんも何も言わず私を膝に乗せてるからなのか、ご機嫌に鼻歌まで歌って書類を素早く終わらせる。
それを見てるだけの私には結構眠たくなってくるのである。
うとうとしていたらパシャッともうすでに聞きなれた音を聞きながら私は眠りにつく。
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「…ん…」
「真由美サン、起きました?」
目を覚ますと目の前にはパパンの顔が。
「なんで…」
「真由美サンが眠っていたけど起こすのも忍びなくて…」
なるほど。
私は喜助さんが迎えに来るまで眠っていたのか…
起こしてもよかったのに。
「もうすぐ家につきますからね、そのまま眠っても構いませんよ?」
「ん、起きる…降ろして」
「え!?ななな何でですか!?アタシなにか悪いことでも…!!?」
「手、つないで帰りたいの」
これは本当。
こう小さくなってしまうと昔を思い出す。
昔よく弟とお父さんとで手を繋いで帰っていた。
喜助さんは私を降ろしてくれた。
そしていい笑顔で手を差し伸ばしてくれた。
帰り道、会話は殆ど喜助さんが喋っていた。
でもそれでも楽しい。
嬉しい。
一人ではないから。
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