(4 / 19) Novel (04)

発掘した墓を改めて調査することになり、歴史オタクでもあるキャロルは大喜びで参加していた。
キャロルだけではなく、ジミーや他の生徒達や研究者達も参加しているのだが…しかし、その中にはハヅキの姿がなかった。
その理由は…足にある。


「酷いわ!ロディ兄さんもキャロルもジミーも!私だけ家に置いてみんなで楽しむなんてっ!」

「ハヅキさんは足を挫いてしまったのですから仕方ないですよ」


ハヅキは落下した際に足を挫いてしまい、現在自室に軟禁されている。
医者に見せたところ数日は安静にするよう言い渡されてしまい、悪化したら大変だと普段から妹達に甘いライアンから外出禁止令を出されてしまったのだ。
それでも納得がいかないハヅキはソファに座りながらプリプリと怒るが、そんなハヅキにお手伝いのばあやは苦笑いを浮かべながらお茶を持ってきてくれた。


「そもそも挫いただけで寝かせるなんて…病気じゃないのに…」

「ハヅキが心配なんだ…そうカッカしてやるな」

「ライアン兄さん…」


仕事から帰ってきたライアンがハヅキの部屋に入り、ひざ掛けで隠れていた足を露にさせる。
そこには包帯が巻かれており、ライアンは痛みを与えないよう妹の細い足に巻かれている包帯をソッと撫でる。


「今日はもう遅いから寝なさい」

「えー…」

「駄々を捏ねても駄目だぞ」

「はーい…おやすみなさい」

「おやすみ、ハヅキ」


兄に言われて窓を見れば、すでに日は沈んでいる。
ライアンに抱き上げられてベッドに移されたハヅキは渋々眠ることにした。
ライアンは肩まで布団をかけてやり『おやすみ』と返すハヅキの額にキスを送りばあやと共に部屋を出る。


(うう…キャロル達…今頃楽しんでいるんだろうなぁ…)


足を挫いてしまったのは誰のせいでもないが、楽しみにしていた王の墓の調査の一員に入れないのはとてもつまらない。
娯楽と言えば、音楽や雑誌やテレビだけで、兄が退屈だろうと借りてくれた映画も何本か見終わってしまった。
いつもは授業や考古学などで何かしら時間が流れていたため、何もない1日はこうも長いのかと驚いた。


(こうなったらキャロル達にこれでもかって思い出話を聞いてやるんだから!)


逆恨みなのは理解しているが、羨んでしまうのは仕方ない。
キャロルと同じくハヅキもオタクなのだ。
眠たくないが兄が寝るよう言われている以上眠るしかなく、目を瞑ればいつの間にか朝日が昇っているだろうと思い目を瞑った。

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