(9 / 26) 15話 (9)

放課後、夏目達は出会った空き地に集まっていた。
その目的はただ一つ――多軌に勝負を仕掛けた妖を捕まえるためである。
多軌は陣を描き、小春と夏目は多軌に似顔絵を描いてもらい地道に妖相手に探すことにした。
何分何の手がかりがないのだからこの手段を取るしかなかった。
しかし…


「妖怪探しに行くのはいいんだが……どうして君がいるのか…」


集合場所には夏目と小春と斑と多軌しかいないはず。
しかしそこには一人部外者がいた。
夏目はその部外者をチラリと横目で見つめるも、部外者…音羽はギロリと夏目を睨む。


「は?なに、いちゃ悪い?」

「いや、悪くはないが…なんでここに?」

「なぁんか変な事してるなぁって思ってたのよねぇ…要が巻き込まれたら嫌だし、私が手伝ってあげようって思って。」

「…この事…田沼は…」

「知らない。私がわざわざ要が危険な目に合うようなこと教える訳ないじゃない。それに知っていたら要はここにいるはず」


言い方はアレだが、どうやら手伝ってくれるようだった。
小春との会話でハッキリと聞いていないが、音羽は夏目兄妹がまた変な事に関わっていると察し、愛する田沼が巻き込まれる前に音羽自身が解決しようと来たらしい。
音羽には待ち合わせを教えてないのに来れたのは、全て仕えている有能な兄妹のおかげと言ってもいいだろう。
夏目はまず、断ることよりも田沼が知っているのかが知りたかった。
確かに音羽の言う通り田沼が自分達のしようとしている事や多軌の事情を知っているのなら、今ここに音羽の隣に立っているはずである。
夏目は音羽の言葉にホッと胸を撫で下ろす。


「じゃあ、収穫があってもなくても…7時にはここで落ち合おう。」


音羽の実力は見たことないが、音羽が参加してくれるというのは正直ありがたかった。
人数が多い方がそれなりに収穫もあるが、何よりも強力な妖を仕えている人間がいてくれるのは安心感はある。
音羽の性格から(音羽から見て)モブにすぎない自分達を守ってくれるとは思っていないが。
本当は7時以降も探していたかったが、流石に日が暮れては探しにくいのもあり、何よりも自分達はまだ学生で未成年。
特に夏目と小春は世話になっているという立場から7時が限度だった。
夏目の言葉に多軌と小春が頷き、それぞれ作業に向かう。

しかし、やはり簡単にはいかないのか…その日は情報という情報は手に入れることが出来なかった。

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