(11 / 18) 17話 (11)

小春は奈々と帰り、途中で別れて帰宅する。


「ただいま〜」


久々の奈々との会話はとても楽しくて弾み小春は一瞬だけ妖の事を忘れることができた。
まだ避けてから数週間しか経っていないのに数か月、半年、数年も奈々達と話していないような感じで、とても久々に思う。
玄関で靴を脱ぎいつも通り部屋へと向かう。
奈々の事もあってその足取りはどこか軽い。
障子の扉が開けられ小春は顔をのぞき込む。
部屋を覗けばそこには兄と斑がいた。
それはいつもの事なんだが兄と斑は項垂れ、部屋は泥棒が入ったんじゃないかと思うくらい散らかっていた。


「お、お兄ちゃん?ニャンコ先生?」


小春は声を掛けるのを戸惑ったが、悩んだ末戸惑いながらも2人に声を掛けることにした。
小春の声に2人はばっと顔を弾かれたように上げ、小春は2人同時に見られ驚き肩を揺らした。


「小春か…」

「えっと…どうしたの…?」

「ああ、実は…」


小春の声に顔を上げた2人はホッと安堵の息をつく。
あからさまに安心した表情を浮かべる2人に小春は首を傾げれば夏目は先ほどの事を話した。
先ほど、小春が帰る前に先に帰ってきていた夏目は部屋へと戻ったが、その部屋は散らかっており荒らされた形跡があった。
泥棒と妖の両方を疑っていた夏目の前につい最近名前を返したばかりのアマナが現れたと言う。
部屋の散らかりようはそのアマナのせいだという。
アマナは名前を返して貰う時夏目達の部屋で宝物を落としたと言った。
ここに来るまでに合ったためアマアは夏目達を疑った。
アマナは宝物を紛失して冷静さを失ったのか夏目の首を絞め、アマナに返せと言われた夏目は咄嗟にアマナに探しておくから帰れと言った。
その言葉を信じ、アマナは手を緩んだのだが…帰る代わりに探すのに三日与えると言った。
三日…三日過ぎても返せなかった場合この一帯を焼くと言いだしたらしい。
だから夏目も斑も部屋中を探していたらしい。


「だからニャンコ先生、コレつけてたんだ…」


説明され、小春はそう呟き膝の上で落ち着く斑のソレを撫でる。
斑は首を絞めるアマナから夏目を助け出そうとしたのだがアマナが飛ばした紙が顔の半分についてしまい、片目だけが覗いていた。
小春が帰ってくる前に夏目に取ってもらおうと引っ張ったのだがぴったりとくっついていて離れなかったらしい。
指輪を返さないと離れないのではないかと夏目と斑は結論付ける。


「じゃあ毛玉を探せば…」

「いや、多分、無理だ…数が多すぎる」

「何で?4匹くらいすぐに見つかりそうな気がするけど…」


夏目の予想では毛玉が跳ねまわった時に落ちていた指輪が引っかかったと予想し、小春はだったら、と毛玉を探しに行こうと提案する。
しかし小春の提案に夏目は浮かない顔を浮かべる。
それに不思議に思っていると帰り際の事も夏目は小春に話した。
どうやら毛玉は4匹だけではなく、数十匹もいるらしく、その話を聞いた小春もまた夏目と同様肩を落とし、そして…――その部屋に沈黙が落ちる。

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