その次の日のこと――…
「あ…」
「お、おはよう…」
小春は案外早くに少女と再会することとなった。
「お、おはよう…ござい、ます…」
小春は井上の朝の挨拶を戸惑いながら返す。
兄は日直だからと早めに登校したため今日は別々でちょっと不安気だったのか小春の声は小さかった。
それから何故か学校への道を一緒に登校することとなり、小春と井上はお互い何故一緒に登校するのだろうかと思いながらも気まずい雰囲気の中同じ方向へ歩いていた。
「奈々ー!おっはよー!」
「リン、おはよう。」
「もう!聞いてよ!今日の朝寝癖が酷くてさ!セットに時間が…かか…って………って…夏目さん!!?」
「お、おはようございます…」
無言で歩いていると後ろから井上の友達らしき少女が元気な声で井上に声をかけたのだが、隣に居る小春には気付かなかったがふと横見てようやく気付き小春の姿に目を丸くさせる。
小春はやはり困惑しながら恐る恐る挨拶するもその少女はカチンコチンに固まったまま『じ、じゃあ!私今日日直だから!!』と脱兎の如く去っていった。
そんな友人を井上は『お前今日日直じゃないだろ…』と思ったとか…
「ごめんなさい…」
「え?」
「私のせいで友達に置いて行かれて…あの、どうぞ私に気にせず友達と登校しても構いませんよ?」
「…………」
何だろう、なんか可愛くない…、と井上は顔や声や仕草は可愛いんだが、何だか小春が可愛くなく見えた。
その原因は井上は分かっており、小さく笑う小春に溜息をつく。
「駄目ね。」
「え…」
「だめ。そんな腰の低さが駄目。」
「えっと…え?」
小春は井上の言葉に目を見張った。
井上はもう一度溜息をつきキッと小春を睨むように見つめ、小春はビクッと肩を揺らした後困惑したように表情を浮かべる。
「いい?あなた友達が出来ないって嘆くなら鏡を見なさい!鏡を!!」
「か、鏡なら…毎朝見てますけど…」
「それよ!それ!!何!?この敬語!何!?この可愛いのに可愛くない感じ!」
「……すみません…」
「謝る前に鏡を見る!!分かった!?」
「は、はい…」
全く!、と井上は起こりながら歩き出し、小春は何故井上が怒り出したのか分からず首をかしげていた。
すると中々隣に来ない小春に井上は立ち止まり振り返り、小春はビクッと肩を揺らす。
「早く行くわよ!遅れちゃうじゃない!!」
「は、はい!!」
つい反射的に返事を返し、小春は慌てて井上に駆け寄る。
そして、井上の友達と同じく小春と一緒に登校し一緒に教室に入った瞬間空気は凍った。
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