雪と銀時は喧嘩に夢中で沖田の姿に気づいていなかった。
しかし沖田だけではなく、沖田の左右には同じく隊服を着ている土方と、裏方の隊服なのだろう…少しデザインが異なっている隊服を着ている鷹臣が立っていた。
そしてなぜか土方の腕には銀時そっくりの赤子が抱かれており、どうやら喧嘩で周りが見えていなかった雪は傍にいた土方に気づかないまま土方に赤子を預けたらしい。
口を挟まなかったとはいえ、ずっと喧嘩している間気づきもしなかった2人は顔見知りの警察がいることに驚いていた。
「お、沖田さん…土方さん…鷹臣さん…いたんですね…」
「ええ、ええ、いましたよ。いましたさ……あんたらが痴話喧嘩する前からずっといましたよ…サボろうとしてましたけどなにか?」
「い、いえ…何も…ないです……っていうか…なんで敬語……なんか、機嫌悪いですか?」
「機嫌?そりゃ悪くなりますとも。片想いするあの子がまさかのお手付きで更にコブ付きだと誰だって知ればそうなりますとも。結婚してないって思ってたのに。付き合ってもいないって思ってたのに。旦那の永遠なる片想いだと思っていたのに…ええ、ええ、そりゃもうショックですとも。ショック通り越してキャラ崩壊してますが何か?」
「い、いえ…」
三人はこちらを見据えていた。
しかし鷹臣以外の2人は目が死んでおり、沖田はいつもの江戸っ子口調をどこかへ捨ててしまったのか敬語で話し、雪は言い負かされてしまう。
助けを求めに沖田の上司である土方へと目を向けると……なぜか土方の腕に抱かれている赤子がバイブに揺れる携帯のように揺れていた。
それも残像が残るほどの揺れである。
赤子はそれでも泣きもせず無表情を貫いていたが、流石に雪は慌てて土方の腕にいる赤子を取り上げた。
「ひ、土方さん!?どうしたんですか!?」
「す、すまない…俺ァとんだ馬鹿だ…」
「は?」
助けを求めた土方の目には涙が浮かんでおり、『くっ』と零しながら雪から顔を背ける。
雪は土方の言葉が理解できなくてキョトンとしてしまうも、そんな雪をよそに土方は震える手でタバコを取り出し火をつけた。
ずっと会話に入っていない銀時は、三人がどんな勘違いをしているのか分かり、せっかく自分と雪が子供を作る仲だと勝手に誤解してもらっているのでそれを解こうともせず傍観を貫こうとした。
「お前らはそういう仲だったんだな…前回の『寝てる』発言もそういう意味合いだったんだな…俺はそれを普通にお布団を並べておねんねと勝手に勘違いしてお前に告白してキスまでして……俺ァ…とんだ大馬鹿野郎だよ…お前らはとっくに結婚を通り越して子供を作る仲だっつーのにお前に勝手に惚れこんで勝手に口説いて勝手にキスしてよ……滑稽だよ、本当…」
「いや、あの…土方さん?違いますよ?違いますからね?この子、銀さんの隠し子で私の遺伝子一つも入ってませんからね?」
「土方さん、その気持ち分かりまさァ…俺なんてご褒美という名目で乳まで揉んで2人より一歩さきに進んだ気になって……そりゃァあの乳は最高に柔らかく触り心地がよすぎて調子に乗りやしたが……だからって神様こんな事あっていいんですか神様そんな罰存在してもいいんですか神様確かに俺は真選組という名目で人を殺しまくってますけど神様自他ともに認めるサディストですけども神様そもそもこれネタだから神様ドS王子ってゴリラ原作者が作ったあだ名だから神様本当の俺は純粋無垢な初心なボーイですけど神様的な感じなんだけども神様…」
「ちょっと!?沖田さんまで!?人の話聞いてくださいよ!!この子は…」
「俺とぉ〜雪ちゃんのぉ〜子供でーーす!」
「んなーーっ!!?ぎ、銀さアアアアん!!?」
土方はあまりのショックからか人の話を聞かず勝手に雪と銀時は子供を作る仲だと思い込んだ。
震える手でタバコを口にくわえ吐き出すが、その息さえも震えていた。
ショックに肩も震わす土方の肩に沖田がポンと手を置き土方の気持ちはすごく分かると頷くも彼も彼でショックを覚えており信じていない神に苦情を言う。
人の話を聞かない2人に雪は必死に誤解を解こうとした。
このままいけば2人の口から近藤へ伝わり、近藤から姉の妙に伝わり、銀時はゴミクズ同然のスプラッタになるのは確実である。
子供のため、それだけは避けたかった。
この子は母に捨てられすでに父しか頼る者がいないのだ。
そう思う雪は土方と沖田と同類であることに気づいていない。
沖田も『くっ』と零し涙を浮かべる目を手で覆い、土方も慰め返し俯き涙を流し全然雪の話を聞きもしない。
そんな二人に今まで傍観を決めつけていた銀時は雪の肩に手をやり抱き寄せ、誤解を更に複雑のものとさせた。
雪は誤解を更に誤解にさせる銀時に目を丸くし、仰天してしまう。
そんな雪をよそに銀時の言葉は二人に深く…深海よりも深く突き刺し、2人は今まで見たことのない衝撃を受けた顔を見せた。
「そ、そうなんだ…へぇ…やっぱり……」
「だ、だよな…お前ら普段からイチャイチャしてたもんな……そう、なんだよな……お前ら…子供作ってる仲だもんな……ハハ、そうなんだ…」
「だから!!違いますって!!この子は銀さんの隠し子なんです!!」
「だから!!お前も違うって言ってんじゃん!!そいつ俺の隠し子じゃないんだけど!?」
「そうだよ…そのガキこいつそっくりじゃねェか…おい総悟、鷹臣…見ろよこの天パ…見ろよこの死んだような目…見ろよ何か見てると斬りつけたくなるような太々しい態度…」
「見事に親父の天パを完コピじゃねェか」
「確かに天パで死んだ目ですけど!!私の遺伝子どころか志村家の血は流れてないんですってば!!天パの血だけが流れてるんですって!!志村家に天パの遺伝子なんていりませんから!!」
「ねえお前ら天パ天パ言うのやめてもらえる!?」
いくら言っても子供=銀時と雪の子供となってしまうようで、土方も沖田も言っても考えを上書きしてくれなかった。
雪はとにかく銀時の子の誤解はどうでもいいが、自分の子供だという誤解だけは解きたかった。
しかし、土方と沖田はお互い肩を抱き合い慰め、そのまま『なあ、総悟…ちょっとお茶しねェか?今日は仕事する気にもならねェ』『それは名案でさァ…俺もいつもより仕事する気おきねェでいけねェや……というか、死にたい…』『あ、俺も…何だろう…応援していた清純アイドルが実は彼氏がいてその彼氏とラブホから出てくる写真を見たみたいな気持ちなんだけど…』『俺もでさァ』と雪と銀時に背を向けどこかへ消えてしまった。
恐らく失恋の傷を舐め合いに行ったのだろう。
雪は誤解したままの2人が消えてしまい、すでに彼女の脳内では銀時の葬式の費用を計算していた。
しかしふと誰か一人立っているのに気づき、視界の端にいたその人物を見た。
そこにいたのは今まで空気だった鷹臣であった。
「た、鷹臣さん!!そうだ!!鷹臣さんなら分かってくれますよね!?私と銀さんはそういう仲じゃないって!!私は銀さんの子なんて産んでないって!!」
「うん、大丈夫」
普段、雪はストーカーである鷹臣を空気として扱っている。
ゴリラの弟からの被害は凝視するだけのため彼の存在を認めなければそれほど苦ではない。
まあ、それには限度があるが、最初の30分〜1時間ほどは完全に空気として扱えるように雪はなった。
それでもめげずに雪を凝視する鷹臣も鷹臣だが、雪は鷹臣のその冷静さは買っており、今回は人の話も聞かず勝手に傷ついて勝手に失恋パーリィをし盛り上がろうとする2人の誤解を解いてもらおうと説明した。
その雪の説明に鷹臣はいつものように優しく微笑んで頷いた。
頷いた鷹臣に雪はやっと分かってくれる人がいたとホッと胸を撫で下ろしたのだが…
「大丈夫だよ、お雪さん…君が人妻だろうと母親だろうと俺のこの想いは変わらないから」
「……は?」
「じゃあ、そこの白髪とお幸せに!俺はいつも君を見ているからね!!」
「えええええ!?た、鷹臣さアアアアん!!?」
鷹臣はやっぱり冷静であった、と雪は思った。
だが、鷹臣も誤解しているようで、更には土方と沖田とは真逆に受け入れていた。
雪が人妻で母親だったという衝撃的な新事実を目にしながらも鷹臣はすぐに順応し、そしてそれを含めて雪を好きだと自己完結した。
グッと親指を立て眩しいほどの笑みを向け鷹臣は去っていく。
雪は鷹臣を引き留めようと手を伸ばすもその手は空気を掴む事になり思わず声を上げてしまう。
その背後で『誰が白髪だ!これは生まれつきじゃボケ!』と銀時が喚いていたが、今の雪には聞こえなかった。
しかし沖田だけではなく、沖田の左右には同じく隊服を着ている土方と、裏方の隊服なのだろう…少しデザインが異なっている隊服を着ている鷹臣が立っていた。
そしてなぜか土方の腕には銀時そっくりの赤子が抱かれており、どうやら喧嘩で周りが見えていなかった雪は傍にいた土方に気づかないまま土方に赤子を預けたらしい。
口を挟まなかったとはいえ、ずっと喧嘩している間気づきもしなかった2人は顔見知りの警察がいることに驚いていた。
「お、沖田さん…土方さん…鷹臣さん…いたんですね…」
「ええ、ええ、いましたよ。いましたさ……あんたらが痴話喧嘩する前からずっといましたよ…サボろうとしてましたけどなにか?」
「い、いえ…何も…ないです……っていうか…なんで敬語……なんか、機嫌悪いですか?」
「機嫌?そりゃ悪くなりますとも。片想いするあの子がまさかのお手付きで更にコブ付きだと誰だって知ればそうなりますとも。結婚してないって思ってたのに。付き合ってもいないって思ってたのに。旦那の永遠なる片想いだと思っていたのに…ええ、ええ、そりゃもうショックですとも。ショック通り越してキャラ崩壊してますが何か?」
「い、いえ…」
三人はこちらを見据えていた。
しかし鷹臣以外の2人は目が死んでおり、沖田はいつもの江戸っ子口調をどこかへ捨ててしまったのか敬語で話し、雪は言い負かされてしまう。
助けを求めに沖田の上司である土方へと目を向けると……なぜか土方の腕に抱かれている赤子がバイブに揺れる携帯のように揺れていた。
それも残像が残るほどの揺れである。
赤子はそれでも泣きもせず無表情を貫いていたが、流石に雪は慌てて土方の腕にいる赤子を取り上げた。
「ひ、土方さん!?どうしたんですか!?」
「す、すまない…俺ァとんだ馬鹿だ…」
「は?」
助けを求めた土方の目には涙が浮かんでおり、『くっ』と零しながら雪から顔を背ける。
雪は土方の言葉が理解できなくてキョトンとしてしまうも、そんな雪をよそに土方は震える手でタバコを取り出し火をつけた。
ずっと会話に入っていない銀時は、三人がどんな勘違いをしているのか分かり、せっかく自分と雪が子供を作る仲だと勝手に誤解してもらっているのでそれを解こうともせず傍観を貫こうとした。
「お前らはそういう仲だったんだな…前回の『寝てる』発言もそういう意味合いだったんだな…俺はそれを普通にお布団を並べておねんねと勝手に勘違いしてお前に告白してキスまでして……俺ァ…とんだ大馬鹿野郎だよ…お前らはとっくに結婚を通り越して子供を作る仲だっつーのにお前に勝手に惚れこんで勝手に口説いて勝手にキスしてよ……滑稽だよ、本当…」
「いや、あの…土方さん?違いますよ?違いますからね?この子、銀さんの隠し子で私の遺伝子一つも入ってませんからね?」
「土方さん、その気持ち分かりまさァ…俺なんてご褒美という名目で乳まで揉んで2人より一歩さきに進んだ気になって……そりゃァあの乳は最高に柔らかく触り心地がよすぎて調子に乗りやしたが……だからって神様こんな事あっていいんですか神様そんな罰存在してもいいんですか神様確かに俺は真選組という名目で人を殺しまくってますけど神様自他ともに認めるサディストですけども神様そもそもこれネタだから神様ドS王子ってゴリラ原作者が作ったあだ名だから神様本当の俺は純粋無垢な初心なボーイですけど神様的な感じなんだけども神様…」
「ちょっと!?沖田さんまで!?人の話聞いてくださいよ!!この子は…」
「俺とぉ〜雪ちゃんのぉ〜子供でーーす!」
「んなーーっ!!?ぎ、銀さアアアアん!!?」
土方はあまりのショックからか人の話を聞かず勝手に雪と銀時は子供を作る仲だと思い込んだ。
震える手でタバコを口にくわえ吐き出すが、その息さえも震えていた。
ショックに肩も震わす土方の肩に沖田がポンと手を置き土方の気持ちはすごく分かると頷くも彼も彼でショックを覚えており信じていない神に苦情を言う。
人の話を聞かない2人に雪は必死に誤解を解こうとした。
このままいけば2人の口から近藤へ伝わり、近藤から姉の妙に伝わり、銀時はゴミクズ同然のスプラッタになるのは確実である。
子供のため、それだけは避けたかった。
この子は母に捨てられすでに父しか頼る者がいないのだ。
そう思う雪は土方と沖田と同類であることに気づいていない。
沖田も『くっ』と零し涙を浮かべる目を手で覆い、土方も慰め返し俯き涙を流し全然雪の話を聞きもしない。
そんな二人に今まで傍観を決めつけていた銀時は雪の肩に手をやり抱き寄せ、誤解を更に複雑のものとさせた。
雪は誤解を更に誤解にさせる銀時に目を丸くし、仰天してしまう。
そんな雪をよそに銀時の言葉は二人に深く…深海よりも深く突き刺し、2人は今まで見たことのない衝撃を受けた顔を見せた。
「そ、そうなんだ…へぇ…やっぱり……」
「だ、だよな…お前ら普段からイチャイチャしてたもんな……そう、なんだよな……お前ら…子供作ってる仲だもんな……ハハ、そうなんだ…」
「だから!!違いますって!!この子は銀さんの隠し子なんです!!」
「だから!!お前も違うって言ってんじゃん!!そいつ俺の隠し子じゃないんだけど!?」
「そうだよ…そのガキこいつそっくりじゃねェか…おい総悟、鷹臣…見ろよこの天パ…見ろよこの死んだような目…見ろよ何か見てると斬りつけたくなるような太々しい態度…」
「見事に親父の天パを完コピじゃねェか」
「確かに天パで死んだ目ですけど!!私の遺伝子どころか志村家の血は流れてないんですってば!!天パの血だけが流れてるんですって!!志村家に天パの遺伝子なんていりませんから!!」
「ねえお前ら天パ天パ言うのやめてもらえる!?」
いくら言っても子供=銀時と雪の子供となってしまうようで、土方も沖田も言っても考えを上書きしてくれなかった。
雪はとにかく銀時の子の誤解はどうでもいいが、自分の子供だという誤解だけは解きたかった。
しかし、土方と沖田はお互い肩を抱き合い慰め、そのまま『なあ、総悟…ちょっとお茶しねェか?今日は仕事する気にもならねェ』『それは名案でさァ…俺もいつもより仕事する気おきねェでいけねェや……というか、死にたい…』『あ、俺も…何だろう…応援していた清純アイドルが実は彼氏がいてその彼氏とラブホから出てくる写真を見たみたいな気持ちなんだけど…』『俺もでさァ』と雪と銀時に背を向けどこかへ消えてしまった。
恐らく失恋の傷を舐め合いに行ったのだろう。
雪は誤解したままの2人が消えてしまい、すでに彼女の脳内では銀時の葬式の費用を計算していた。
しかしふと誰か一人立っているのに気づき、視界の端にいたその人物を見た。
そこにいたのは今まで空気だった鷹臣であった。
「た、鷹臣さん!!そうだ!!鷹臣さんなら分かってくれますよね!?私と銀さんはそういう仲じゃないって!!私は銀さんの子なんて産んでないって!!」
「うん、大丈夫」
普段、雪はストーカーである鷹臣を空気として扱っている。
ゴリラの弟からの被害は凝視するだけのため彼の存在を認めなければそれほど苦ではない。
まあ、それには限度があるが、最初の30分〜1時間ほどは完全に空気として扱えるように雪はなった。
それでもめげずに雪を凝視する鷹臣も鷹臣だが、雪は鷹臣のその冷静さは買っており、今回は人の話も聞かず勝手に傷ついて勝手に失恋パーリィをし盛り上がろうとする2人の誤解を解いてもらおうと説明した。
その雪の説明に鷹臣はいつものように優しく微笑んで頷いた。
頷いた鷹臣に雪はやっと分かってくれる人がいたとホッと胸を撫で下ろしたのだが…
「大丈夫だよ、お雪さん…君が人妻だろうと母親だろうと俺のこの想いは変わらないから」
「……は?」
「じゃあ、そこの白髪とお幸せに!俺はいつも君を見ているからね!!」
「えええええ!?た、鷹臣さアアアアん!!?」
鷹臣はやっぱり冷静であった、と雪は思った。
だが、鷹臣も誤解しているようで、更には土方と沖田とは真逆に受け入れていた。
雪が人妻で母親だったという衝撃的な新事実を目にしながらも鷹臣はすぐに順応し、そしてそれを含めて雪を好きだと自己完結した。
グッと親指を立て眩しいほどの笑みを向け鷹臣は去っていく。
雪は鷹臣を引き留めようと手を伸ばすもその手は空気を掴む事になり思わず声を上げてしまう。
その背後で『誰が白髪だ!これは生まれつきじゃボケ!』と銀時が喚いていたが、今の雪には聞こえなかった。
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