「――――ッ!!」
銀時は言葉にならない声を上げて目を覚ます。
目を開けてみれば見慣れた天井が見えた。
どうやら助け出され万事屋の家に帰ってきたようである。
銀時は村田鉄矢という男の依頼にて妖刀『紅桜』を探していた。
しかしその途中、隠し子騒動で会ったあの似蔵との再会と共に、探していた『紅桜』も見つけた。だがもはや妖刀でも何でもないその紅桜に銀時は深手を負わされた。
意識が失ってからは当然だが覚えていない。
だがこうして見慣れた汚い天井を見ているという事はここは天国でも地獄でもない事は確かで、生きているという事も確かである。
それに安堵しながらふと寝息が聞こえ、銀時は雪の姿を思い浮かべその寝息へと目をやる。
しかしそこには雪ではなく、雪と血を分けた姉…妙がいた。
妙はどうやら看病してくれたのか、疲れて眠っていた。
雪ではないことに残念に思いながらもふと耳に雨音が聞こえる。
窓へ目をやればあんなに晴れ晴れとしていた空がいつの間にか雨模様に変わっていた。
「い、―――ッ!」
起き上がろうとしたとき、体に酷い激痛が走り銀時は声を零す。
その声で妙も起きたのか、銀時が目を覚ましているのを見て『目が覚めたんですね』と零す。
「全然動かないからこのまま死んじゃうのかしらって思ったのよ…意識しっかりしてます?私のこと分かります?」
「まな板みたいな胸した女…でしょ?」
冗談で言えば銀時は殴られた。
怪我人相手でも銀時ならば容赦がない妙に銀時は似蔵にやられた傷よりも痛い頬の痛みに耐えながら『お前…なんでここにいんの』と零した。
「昨日、私休みだったんですよ…でも雪ちゃんが仕事でしたから暇してたんです…夜になれば帰ってくるかなって思って待ってても雪ちゃん、帰ってこないし電話一つも寄越さないから銀さんに足止めされてるんだろうなって殴りこみに……ではなく迎えに行こうとした帰りにあなたが倒れてたんです…どうやら辻斬りにあったみたいですね…犯人は役人が来て逃げたみたいですけど…また雪ちゃんを巻き込みやがるくせに重傷を負っているから役人から上手く言ってここに連れて来ちゃったんですが、帰っても雪ちゃんと神楽ちゃんいないしで私が看病してたんですよ?」
「…なんで看病する人が薙刀持ってるの」
「だって銀さん安静にしないでしょう?動いたら傷が開いて死んでしまいますからね…それを止めるために一応」
「止めるってなに?息の根を止める気なの?」
「勿論、そうしたいのはやまやまですけど、そうしたら銀さんに懐いている雪ちゃんが悲しむし、そんな死に方されたらあなた、いつまでも雪ちゃんの心の中に住み着くでしょう?そんな事を私が許すとでも?」
「……ああ、そう…」
死ぬなら幸せいっぱいに眠る様に死んでくださいね、と優しい言葉ではあるがその真意が優しくないのを銀時は知っているから感動もない。
むしろぞっとしてしまう。
妙の優先順位は雪である。
雪さえいてくれればそれでいいのだ。
だがその雪の行方が知れず、妙は少々苛立っていた。
八つ当たりされていると分かりつつも銀時は妙に逆らうのをやめる。
逆らっても怪我が増えるだけと知っているのだ。
「…で、雪と神楽はどこにいんだ?」
「そんな事私が知りたいわ…雪ちゃん、携帯にも出てくれなくて……とうとう銀さんが雪ちゃん愛しさに拉致監禁しているのかもって思って急いでいたら、大怪我した銀さんが転がってるじゃないですか…その辺に転がるのもあなたにお似合いで構いませんけれど、時と場合を考えてくださいな」
「…さーせん…」
雪関係の妙は辛辣である。
特に銀時に対しては。
それほど銀時は妙から見ても一番妹を掻っ攫う可能性が高い相手である。
しかし、それは逆に言えば一番脈があるともいえる。
だから銀時は妙の辛辣な言葉に屈しない。
たまに屈しそうになるが、今日も銀時は鬼姑を前に頑張っていた。
銀時はうとうとしている妙を見てチャンスだと思った。
そっと体を起こし気づかれていない間に部屋を出て行こうとしたのだが…
「おい、どこ行くんだ?」
やはりバレてしまった。
頭をガシリと鷲掴みにされ、銀時は脱出を失敗する。
苦し紛れにトイレに行くと言えば空のペットボトルを差し出され『ここにしろ、ここで』と無茶難題を言われた。
SでありMでもない銀時は無茶な回答に『え゙…』と顔を青ざめたその時、チャイムが鳴る。
銀時を布団に戻し、来客は妙が対応することにした。
ガラリと玄関を開けると、一人の女性が立っていた。
「なんの御用で?」
「あの…その…」
「…あの、銀さんなら今…」
「ここにいるぜェ」
「―――!」
依頼かと最初は思ったが、様子からしてこの騒動の関係者だと察した。
だから断ろうとしたが、その本人が出てきてその女性…妖刀を探してくれてと依頼した男の妹、鉄子を入れてしまう。
銀時が出てきてしまったため、妙は仕方ないと諦めるしかなかった。
場所を居間に移し、妙達はソファに座る。
「本当のこと話に来てくれたんだろ?この後に及んで妖刀なんて言い方で誤魔化すなんてのはなしだぜ…ありゃなんだ?誰が作った…あの化け物」
「………」
鉄子はずっと俯いていた。
それは事情を知って罪に苛まれているからだろう。
だから銀時の問いに少しだけ話すのを躊躇したが、心を決めて銀時に全てを話す。
「…紅桜とは…父が打った紅桜を雛型につくられた対戦艦用機械機動兵器…『電魄』と呼ばれる人工知能を有し使用者に寄生することでその身体をも操る…戦闘の経緯をデータ化し学習を積むことでその能力を向上させていく…まさに生きた刀…あんなもんを作れるのは江戸には1人しかいない…」
鉄子の言葉に妙は信じられないと言わんばかりに目を見張る。
だがこの江戸には天人が持ち込んだ機械が沢山ある。
その天人が持ち込んだ機械を改良したりしてこの国の機械は進んでいた。
ありえなくもない話だが、実際そんな恐ろしい刀があるのだと聞かされると信じたくもない。
銀時は『江戸に1人』しかいないという刀鍛冶をすぐに思い浮かべる。
その人物とは…
「頼む…!兄者を止めてくれ!!」
鉄子の兄…鉄矢だった。
黙って聞いてくれる銀時に鉄子は深々と頭を下げた。
銀時は言葉にならない声を上げて目を覚ます。
目を開けてみれば見慣れた天井が見えた。
どうやら助け出され万事屋の家に帰ってきたようである。
銀時は村田鉄矢という男の依頼にて妖刀『紅桜』を探していた。
しかしその途中、隠し子騒動で会ったあの似蔵との再会と共に、探していた『紅桜』も見つけた。だがもはや妖刀でも何でもないその紅桜に銀時は深手を負わされた。
意識が失ってからは当然だが覚えていない。
だがこうして見慣れた汚い天井を見ているという事はここは天国でも地獄でもない事は確かで、生きているという事も確かである。
それに安堵しながらふと寝息が聞こえ、銀時は雪の姿を思い浮かべその寝息へと目をやる。
しかしそこには雪ではなく、雪と血を分けた姉…妙がいた。
妙はどうやら看病してくれたのか、疲れて眠っていた。
雪ではないことに残念に思いながらもふと耳に雨音が聞こえる。
窓へ目をやればあんなに晴れ晴れとしていた空がいつの間にか雨模様に変わっていた。
「い、―――ッ!」
起き上がろうとしたとき、体に酷い激痛が走り銀時は声を零す。
その声で妙も起きたのか、銀時が目を覚ましているのを見て『目が覚めたんですね』と零す。
「全然動かないからこのまま死んじゃうのかしらって思ったのよ…意識しっかりしてます?私のこと分かります?」
「まな板みたいな胸した女…でしょ?」
冗談で言えば銀時は殴られた。
怪我人相手でも銀時ならば容赦がない妙に銀時は似蔵にやられた傷よりも痛い頬の痛みに耐えながら『お前…なんでここにいんの』と零した。
「昨日、私休みだったんですよ…でも雪ちゃんが仕事でしたから暇してたんです…夜になれば帰ってくるかなって思って待ってても雪ちゃん、帰ってこないし電話一つも寄越さないから銀さんに足止めされてるんだろうなって殴りこみに……ではなく迎えに行こうとした帰りにあなたが倒れてたんです…どうやら辻斬りにあったみたいですね…犯人は役人が来て逃げたみたいですけど…また雪ちゃんを巻き込みやがるくせに重傷を負っているから役人から上手く言ってここに連れて来ちゃったんですが、帰っても雪ちゃんと神楽ちゃんいないしで私が看病してたんですよ?」
「…なんで看病する人が薙刀持ってるの」
「だって銀さん安静にしないでしょう?動いたら傷が開いて死んでしまいますからね…それを止めるために一応」
「止めるってなに?息の根を止める気なの?」
「勿論、そうしたいのはやまやまですけど、そうしたら銀さんに懐いている雪ちゃんが悲しむし、そんな死に方されたらあなた、いつまでも雪ちゃんの心の中に住み着くでしょう?そんな事を私が許すとでも?」
「……ああ、そう…」
死ぬなら幸せいっぱいに眠る様に死んでくださいね、と優しい言葉ではあるがその真意が優しくないのを銀時は知っているから感動もない。
むしろぞっとしてしまう。
妙の優先順位は雪である。
雪さえいてくれればそれでいいのだ。
だがその雪の行方が知れず、妙は少々苛立っていた。
八つ当たりされていると分かりつつも銀時は妙に逆らうのをやめる。
逆らっても怪我が増えるだけと知っているのだ。
「…で、雪と神楽はどこにいんだ?」
「そんな事私が知りたいわ…雪ちゃん、携帯にも出てくれなくて……とうとう銀さんが雪ちゃん愛しさに拉致監禁しているのかもって思って急いでいたら、大怪我した銀さんが転がってるじゃないですか…その辺に転がるのもあなたにお似合いで構いませんけれど、時と場合を考えてくださいな」
「…さーせん…」
雪関係の妙は辛辣である。
特に銀時に対しては。
それほど銀時は妙から見ても一番妹を掻っ攫う可能性が高い相手である。
しかし、それは逆に言えば一番脈があるともいえる。
だから銀時は妙の辛辣な言葉に屈しない。
たまに屈しそうになるが、今日も銀時は鬼姑を前に頑張っていた。
銀時はうとうとしている妙を見てチャンスだと思った。
そっと体を起こし気づかれていない間に部屋を出て行こうとしたのだが…
「おい、どこ行くんだ?」
やはりバレてしまった。
頭をガシリと鷲掴みにされ、銀時は脱出を失敗する。
苦し紛れにトイレに行くと言えば空のペットボトルを差し出され『ここにしろ、ここで』と無茶難題を言われた。
SでありMでもない銀時は無茶な回答に『え゙…』と顔を青ざめたその時、チャイムが鳴る。
銀時を布団に戻し、来客は妙が対応することにした。
ガラリと玄関を開けると、一人の女性が立っていた。
「なんの御用で?」
「あの…その…」
「…あの、銀さんなら今…」
「ここにいるぜェ」
「―――!」
依頼かと最初は思ったが、様子からしてこの騒動の関係者だと察した。
だから断ろうとしたが、その本人が出てきてその女性…妖刀を探してくれてと依頼した男の妹、鉄子を入れてしまう。
銀時が出てきてしまったため、妙は仕方ないと諦めるしかなかった。
場所を居間に移し、妙達はソファに座る。
「本当のこと話に来てくれたんだろ?この後に及んで妖刀なんて言い方で誤魔化すなんてのはなしだぜ…ありゃなんだ?誰が作った…あの化け物」
「………」
鉄子はずっと俯いていた。
それは事情を知って罪に苛まれているからだろう。
だから銀時の問いに少しだけ話すのを躊躇したが、心を決めて銀時に全てを話す。
「…紅桜とは…父が打った紅桜を雛型につくられた対戦艦用機械機動兵器…『電魄』と呼ばれる人工知能を有し使用者に寄生することでその身体をも操る…戦闘の経緯をデータ化し学習を積むことでその能力を向上させていく…まさに生きた刀…あんなもんを作れるのは江戸には1人しかいない…」
鉄子の言葉に妙は信じられないと言わんばかりに目を見張る。
だがこの江戸には天人が持ち込んだ機械が沢山ある。
その天人が持ち込んだ機械を改良したりしてこの国の機械は進んでいた。
ありえなくもない話だが、実際そんな恐ろしい刀があるのだと聞かされると信じたくもない。
銀時は『江戸に1人』しかいないという刀鍛冶をすぐに思い浮かべる。
その人物とは…
「頼む…!兄者を止めてくれ!!」
鉄子の兄…鉄矢だった。
黙って聞いてくれる銀時に鉄子は深々と頭を下げた。
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