少しずつ、少しずつ雪の意識が回復していった。
しかしまだはっきりせず意識は少し回復を見せているが体がいう事を聞かない。
数少ない理性で自分が拘束されているのに気付くも身動き一つとることもできなかった。
『ここはどこだろう』そう思ったその時、自分のそばに誰かがいる気配を弱いが感じることができた。
「こ奴らがぬし達の周りを嗅ぎ回っていた連中かケロ?」
男としては高い声が雪の耳に届いた。
体が動かなくてもせめて眼だけはと思ってもどうしても目も動かすことができなかった。
しかし視界に近寄ってきたその声の主の足であろう物が映る。
「ええ、最近少々小煩くなってきたんで網張ってたら簡単にかかりましてね…大方、天人嫌いの攘夷派の連中でしょう」
もう一人、聞いたことのある声が雪の耳に届く。
それはぶつかって肩のごみを取った天人だった。
その覚え方はどうだろうかと雪本人も思ったが、実際それくらいのインパクトがあったため仕方ないと言えば仕方ないだろう。
どうやらその人物が自分を誘拐した犯人らしく、雪は次に神楽を思い出す。
(神楽ちゃん…神楽ちゃんはどこに……怪我してないかな…大丈夫かな…)
意識ははっきりし合い。
しかも今どういう状況かも分からない。
考えることすらできない。
雪はそれでも神楽の事を心配していた。
傍にいるのに、背中合わせにいるのに…今の雪は神楽の気配すら分からなかった。
そんな虚ろな雪と気を失っている神楽を見下ろしながら天人は続ける。
「もう1人妙な侍がいましたが…そっちのほうは騒いだ客と一緒に始末しました」
「あまり派手に動くなと言ったケロ、こっちも幕府の連中を押さえ込み見て見ぬフリをするにも限界があるケロ」
「ええ、分かってますよ…自由に商売できるのも旦那のお蔭ですからね…」
「してこやつらの始末はどうつケロ?」
「拠点を聞き出して潰しますよ…もうこれ以上仕事の邪魔はされたくないんでね」
「首謀者は恐らくあの桂とかいう男だろうケロ…奴等は幕府にまで牙をむく凶犬ゆえあなどるなよケロ」
天人は旦那、と呼んだカエルの天人の言葉に『肝に銘じておきますよ』と返す。
すると部下が現れ表に妙な奴等が来ているというが、天人は気にもせず部下達で処理させた。
****************
天人は雪と神楽を甲板へ連れていく。
天人は神楽を、雪は部下達がそれぞれ連れていき、雪は甲板の隅に座らされた。
「おら!目を覚ましな!!」
「ぐっ――けほ、ッ、ケホ…っ」
ぼうっとしていた雪に天人の部下がバケツに入っていた水をぶっかけた。
冷水とは言わないが水をかけられた雪は少し器官に入り急き込んでしまう。
「おーい!起きたか?お嬢ちゃん!」
「おねむの時間はおしまいだよ!まったく若いのに海賊に捕まっちゃうなんて可哀想にねえ〜」
「……ああ、そう、なんだ…私…海賊に捕まったんだ…」
水をかぶり以前よりは意識ははっきりしていたが、まだ頭が完全に覚めていない。
部下達の会話をなんとなくで聞いていると風にはためく服の音に我に返り顔を上げた。
何故そこを見たかは分からない。
でもなんとなく顔を上げれば神楽がいるような気がしたのだ。
神楽は天人に剣先で服をひっかけている不安定な方法で吊るされており、風に揺れる神楽を雪は落ちるのではないかと気が気ではなかった。
「おじさんはねぇ、不潔な奴と仕事の邪魔をする奴大っ嫌いなんだ…もうここらで邪魔な鼠を一掃したい……お前らの巣を教えろ。意地を張るって言うならこいつ死ぬぞ?」
「何の話よ!!」
「惚けるな。テメェらが攘夷志士だってのはわかってる。」
神楽の宙吊りを見て今はもう意識もはっきりしているが、天人の言っていることが分からなかった。
天人は何を勘違いしているのか不明だが自分たちを攘夷志士と勘違いしているようである。
何を言っているんだ、と言いたかったがそれを言う前に部下の一人が雪の髪を掴み乱暴に聞き出そうとした。
「テメェらのアジト教えろって言ってんだよ!!桂の野郎はどこにいんだ!!」
「何言ってるのよあんたら!!私達は攘夷志士なんかじゃないし桂さんの居場所なんて知らない!!神楽ちゃんを離せ!!ここは侍の国よ!!お前達なんて出てけ…ッ!!!」
「侍だ?そんなもんもうこの国にゃいねえよ」
殴られはしなかったが、体が痛い。
だがそれよりも今は雪の中で神楽を助け出すことが優先とされ、雪は心からの叫びを吐き出した。
だが天人がそれにひるむ様子もなくただただ雪を見下したように冷たく見下ろすだけ。
すると神楽が雪に顔を向け、雪は気を失っているはずの神楽が目を開けていたことに驚きが隠せなかった。
『ああ、無事だったんだ…』雪は今このこの時がピンチだというのも気づかず本当に心からそう思った。
しかし…
「!―――神楽ちゃんッ!!?」
神楽はほっとさせて笑う雪を見てニカッと笑った。
その笑みに雪は嫌な予感が過る。
その予感は当たり、神楽は不安定ながらも天人に蹴りを一発入れた。
本来なら着地など神楽にとって簡単なことだろう。
だが下は海。
両手は拘束されており落ちれば命を落とすしかない。
雪はそれを一瞬で予想して無我夢中に駆け寄ろうとした。
「足手まといになるのはゴメンヨ、バイバイ」
しかし駆け寄る前に神楽からの言葉に雪は目を丸くする。
死ぬ気の彼女の言葉に雪は言葉を失くした。
しかし…
「待てエエエ!!!」
「―――、!」
ゆっくりとスローモーションのように落ちていく神楽を雪は見ているだけしかできなかった。
手を差し出したくても雪も拘束されている。
しかし走ってもこの距離では届かない。
雪はただ落ちていくあの子を見ているしかできなかった。
しかし、雪の耳に銀時の声がした。
まさか、と思ってもまた銀時の声が雪の耳に届き雪は周りを見渡す。
すると周りも同じように驚いたような表情で周りを警戒していた。
それで雪は気のせいではないと分かり、そして同時に神楽の方を見れば神楽を抱いてこちらに飛んでくる銀時が見えて雪は目頭が熱くなり、視界も揺らぐ。
涙がたまっていた。
「あのー、面接会場はここですか?こんにちはー坂田銀時でーす。キャプテン志望してまーす。趣味は糖分摂取、特技は目ェ開けたまま寝れることです。」
「銀さん!!」
銀時は神楽を抱いたままいくつもの殻の樽に突っ込んだ。
そのまま壁に激突するよりはいいが、衝撃で傷が更に痛んだらしく『傷口開いたかな』と零す。
しかし持前のタフさに立ち上がり、のんきにも面接する気でいた。
銀時の姿は何故か間違った海賊の姿をしており、顔にはペンで書いた顔のキズが書かれていた。
「てめえ…生きてやがったのか…!!」
雪と神楽が部下に捕まえさせていた時、銀時はこの天人と戦っていた。
ハム子を連れていたとはいえ銀時は天人に傷を負わされ桂に助けられた。
その桂はと言うと…
「陀絡さん!倉庫で爆発が!!」
突然船が揺れ、爆発音と共に開いた穴から黒い煙が上がっていた。
部下の報告によれば何者かが麻薬などが入っている倉庫に爆弾を仕掛け爆発させたという。
「俺の用は終わったぞ!あとはお前の番だ銀時!好きに暴れるがいい!邪魔する奴は俺が除こう!」
「テメェは…桂!!」
「違う!!俺はキャプテンカツーラだ!!」
上から桂が現れ、天人が桂の名を叫んだ。
この爆発は桂が仕込んだものであり、桂はいつもならば『ヅラ』と呼ばれ『ヅラじゃない桂だ!』と叫ぶが今回は役になりきっているのか否定した。
そしてあちこちに爆弾を落としては船を破壊していく。
しかしまだはっきりせず意識は少し回復を見せているが体がいう事を聞かない。
数少ない理性で自分が拘束されているのに気付くも身動き一つとることもできなかった。
『ここはどこだろう』そう思ったその時、自分のそばに誰かがいる気配を弱いが感じることができた。
「こ奴らがぬし達の周りを嗅ぎ回っていた連中かケロ?」
男としては高い声が雪の耳に届いた。
体が動かなくてもせめて眼だけはと思ってもどうしても目も動かすことができなかった。
しかし視界に近寄ってきたその声の主の足であろう物が映る。
「ええ、最近少々小煩くなってきたんで網張ってたら簡単にかかりましてね…大方、天人嫌いの攘夷派の連中でしょう」
もう一人、聞いたことのある声が雪の耳に届く。
それはぶつかって肩のごみを取った天人だった。
その覚え方はどうだろうかと雪本人も思ったが、実際それくらいのインパクトがあったため仕方ないと言えば仕方ないだろう。
どうやらその人物が自分を誘拐した犯人らしく、雪は次に神楽を思い出す。
(神楽ちゃん…神楽ちゃんはどこに……怪我してないかな…大丈夫かな…)
意識ははっきりし合い。
しかも今どういう状況かも分からない。
考えることすらできない。
雪はそれでも神楽の事を心配していた。
傍にいるのに、背中合わせにいるのに…今の雪は神楽の気配すら分からなかった。
そんな虚ろな雪と気を失っている神楽を見下ろしながら天人は続ける。
「もう1人妙な侍がいましたが…そっちのほうは騒いだ客と一緒に始末しました」
「あまり派手に動くなと言ったケロ、こっちも幕府の連中を押さえ込み見て見ぬフリをするにも限界があるケロ」
「ええ、分かってますよ…自由に商売できるのも旦那のお蔭ですからね…」
「してこやつらの始末はどうつケロ?」
「拠点を聞き出して潰しますよ…もうこれ以上仕事の邪魔はされたくないんでね」
「首謀者は恐らくあの桂とかいう男だろうケロ…奴等は幕府にまで牙をむく凶犬ゆえあなどるなよケロ」
天人は旦那、と呼んだカエルの天人の言葉に『肝に銘じておきますよ』と返す。
すると部下が現れ表に妙な奴等が来ているというが、天人は気にもせず部下達で処理させた。
****************
天人は雪と神楽を甲板へ連れていく。
天人は神楽を、雪は部下達がそれぞれ連れていき、雪は甲板の隅に座らされた。
「おら!目を覚ましな!!」
「ぐっ――けほ、ッ、ケホ…っ」
ぼうっとしていた雪に天人の部下がバケツに入っていた水をぶっかけた。
冷水とは言わないが水をかけられた雪は少し器官に入り急き込んでしまう。
「おーい!起きたか?お嬢ちゃん!」
「おねむの時間はおしまいだよ!まったく若いのに海賊に捕まっちゃうなんて可哀想にねえ〜」
「……ああ、そう、なんだ…私…海賊に捕まったんだ…」
水をかぶり以前よりは意識ははっきりしていたが、まだ頭が完全に覚めていない。
部下達の会話をなんとなくで聞いていると風にはためく服の音に我に返り顔を上げた。
何故そこを見たかは分からない。
でもなんとなく顔を上げれば神楽がいるような気がしたのだ。
神楽は天人に剣先で服をひっかけている不安定な方法で吊るされており、風に揺れる神楽を雪は落ちるのではないかと気が気ではなかった。
「おじさんはねぇ、不潔な奴と仕事の邪魔をする奴大っ嫌いなんだ…もうここらで邪魔な鼠を一掃したい……お前らの巣を教えろ。意地を張るって言うならこいつ死ぬぞ?」
「何の話よ!!」
「惚けるな。テメェらが攘夷志士だってのはわかってる。」
神楽の宙吊りを見て今はもう意識もはっきりしているが、天人の言っていることが分からなかった。
天人は何を勘違いしているのか不明だが自分たちを攘夷志士と勘違いしているようである。
何を言っているんだ、と言いたかったがそれを言う前に部下の一人が雪の髪を掴み乱暴に聞き出そうとした。
「テメェらのアジト教えろって言ってんだよ!!桂の野郎はどこにいんだ!!」
「何言ってるのよあんたら!!私達は攘夷志士なんかじゃないし桂さんの居場所なんて知らない!!神楽ちゃんを離せ!!ここは侍の国よ!!お前達なんて出てけ…ッ!!!」
「侍だ?そんなもんもうこの国にゃいねえよ」
殴られはしなかったが、体が痛い。
だがそれよりも今は雪の中で神楽を助け出すことが優先とされ、雪は心からの叫びを吐き出した。
だが天人がそれにひるむ様子もなくただただ雪を見下したように冷たく見下ろすだけ。
すると神楽が雪に顔を向け、雪は気を失っているはずの神楽が目を開けていたことに驚きが隠せなかった。
『ああ、無事だったんだ…』雪は今このこの時がピンチだというのも気づかず本当に心からそう思った。
しかし…
「!―――神楽ちゃんッ!!?」
神楽はほっとさせて笑う雪を見てニカッと笑った。
その笑みに雪は嫌な予感が過る。
その予感は当たり、神楽は不安定ながらも天人に蹴りを一発入れた。
本来なら着地など神楽にとって簡単なことだろう。
だが下は海。
両手は拘束されており落ちれば命を落とすしかない。
雪はそれを一瞬で予想して無我夢中に駆け寄ろうとした。
「足手まといになるのはゴメンヨ、バイバイ」
しかし駆け寄る前に神楽からの言葉に雪は目を丸くする。
死ぬ気の彼女の言葉に雪は言葉を失くした。
しかし…
「待てエエエ!!!」
「―――、!」
ゆっくりとスローモーションのように落ちていく神楽を雪は見ているだけしかできなかった。
手を差し出したくても雪も拘束されている。
しかし走ってもこの距離では届かない。
雪はただ落ちていくあの子を見ているしかできなかった。
しかし、雪の耳に銀時の声がした。
まさか、と思ってもまた銀時の声が雪の耳に届き雪は周りを見渡す。
すると周りも同じように驚いたような表情で周りを警戒していた。
それで雪は気のせいではないと分かり、そして同時に神楽の方を見れば神楽を抱いてこちらに飛んでくる銀時が見えて雪は目頭が熱くなり、視界も揺らぐ。
涙がたまっていた。
「あのー、面接会場はここですか?こんにちはー坂田銀時でーす。キャプテン志望してまーす。趣味は糖分摂取、特技は目ェ開けたまま寝れることです。」
「銀さん!!」
銀時は神楽を抱いたままいくつもの殻の樽に突っ込んだ。
そのまま壁に激突するよりはいいが、衝撃で傷が更に痛んだらしく『傷口開いたかな』と零す。
しかし持前のタフさに立ち上がり、のんきにも面接する気でいた。
銀時の姿は何故か間違った海賊の姿をしており、顔にはペンで書いた顔のキズが書かれていた。
「てめえ…生きてやがったのか…!!」
雪と神楽が部下に捕まえさせていた時、銀時はこの天人と戦っていた。
ハム子を連れていたとはいえ銀時は天人に傷を負わされ桂に助けられた。
その桂はと言うと…
「陀絡さん!倉庫で爆発が!!」
突然船が揺れ、爆発音と共に開いた穴から黒い煙が上がっていた。
部下の報告によれば何者かが麻薬などが入っている倉庫に爆弾を仕掛け爆発させたという。
「俺の用は終わったぞ!あとはお前の番だ銀時!好きに暴れるがいい!邪魔する奴は俺が除こう!」
「テメェは…桂!!」
「違う!!俺はキャプテンカツーラだ!!」
上から桂が現れ、天人が桂の名を叫んだ。
この爆発は桂が仕込んだものであり、桂はいつもならば『ヅラ』と呼ばれ『ヅラじゃない桂だ!』と叫ぶが今回は役になりきっているのか否定した。
そしてあちこちに爆弾を落としては船を破壊していく。
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