雪は神楽に気付かれずホッとしていた。
しかしその隙をつき銀時は『おりゃ』と着物の前を開けて雪の上半身を露わにした。
ぽろりと出た16にしては大きすぎる胸に銀時は思わず『おお!』と零してしまったが、銀時は男のため許してほしいと切に思う。
雪はぽろりと出た胸に悲鳴を上げて胸を両手で隠した。
神楽のせいでノーブラだと知った時は『神楽こんにゃろぉ』と思ったが、今は『神楽様GJ!』である。
後で酢昆布を5個献上しよう、と思いながら銀時はまず、首筋のキスマークに口づけをした。
そんな銀時に雪は反射的に『ひっ』と声を零し顔を真っ赤に染める。
「なっ!な、ななな…!!な、なに、するんですかぁーー!!」
「高杉の痕の確認と消毒?」
「そ、そんな小首傾げて可愛く言っても駄目です!!だ、だって…えっちしないって言ったじゃないですか!!」
「だーかーらー、えっちはしねえよ?でも高杉の痕がいつまでもお前の体にあるとか最悪だろ…俺さ、元カレとか許さないタイプだから…だから、その上書きもかねての消毒。」
れろ、と舌が雪の首筋に走る。
生暖かくぬるっとしたそれに雪は肩をすくめた。
そのあとちゅ、と音を立てチクリとした痛みや違和感を感じ、本当に銀時が高杉の痕の上にキスマークを重ねていると知り雪は恥ずかしくて顔を更に赤く染めた。
「そ、そんな、こと…しなくても…」
「駄目だって…だから俺は元カレとか許さんっていってんじゃん…えっちはしないからさ…黙って受けてろよ」
ちゅ、と軽くキスをされ雪は口を閉じた。
黙った雪に銀時はにっと笑ってみせ、その笑みに雪はぶすっと返す。
全くもって不本意だと言いたいのだろう。
だが銀時には関係がなく、中止していた行為を再開させ、高杉が残した忌々しいキスマークを上書きしていく。
雪は銀時が言っても聞いてくれないと諦めセックスしないというのを信じて体の力を抜く。
しかし、これだけは言っておきたかった。
「晋さま、は元カレじゃないです…」
「ふーん」
「信じてください、銀さん…」
「じゃあ何よ?」
「へ?」
「彼氏じゃなかったら、何?」
「それは…」
高杉を元カレだと思い込んでる銀時にはこれだけは言いたかったのだが、逆に問われてしまい雪は言うか戸惑う。
これを言うのなら遊女の事を言わなくてはならず、正直体を売っていたというのを知られるのが怖かった。
神楽も銀時も自分は綺麗な体だと疑っていない。
一応経験はあると暴露はしたが、それでも恐らく初体験相手だけだとか、見栄だとかその辺の認識だろう。
体を売っていた、というのは世間で言うとマイナス過ぎてまだそういうのを蔑む風潮があるのも確かなのだ。
好きで体を売っているわけではないのに。
誰だって好きでもない人に触れられて喜ぶ女はいないのに。
雪は銀時の顔を見れず逸らしてしまう。
その目には涙が溜まり、溜まり切れなかった涙がポロリと大きな目から零れ落ちた。
それを見て銀時はやりすぎたかと焦り、あわあわとさせながら押し倒していた雪を起き上がらせ脱がした着物をとりあえずかけ直した。
「す、すまん!やりすぎたみたいだな…ご、ごめんな?ちょっと大人げなかったみたいだわ」
「…い、いえ…銀さんが悪いわけじゃないんで大丈夫です…」
そう答える雪だが、涙がポロポロと零れていく。
それを手で拭っても一度流れた涙は溢れて止まらない。
鼻をすする音だけが響き、銀時は気まずげに雪から目を逸らし、自分の気持ちを伝えようと決意する。
思い返せば少々気だけが焦り自分の気持ちを相手に伝えていない事に気付いたのだ。
「俺、はさ…」
「?」
「俺は…孤児だったんだよ」
高杉とどんな関係だったたか今すぐに問い質したい気持ちて埋もれてはいるが、焦ってしまった結果がこれだ。
男は惚れた女の涙に弱いとよく言うがそれは本当だった。
今雪のポロポロと流れる涙を見て銀時の心臓はズキズキと何かに刺されているように痛い。
だから付き合うのもお互いを良く知ってから、という言葉を信じて銀時は自分の出生を離す。
「俺は家族の顔知らなくてさ…気づいたら戦場に立っててずーっと血塗られた刀を抱いて生きてたんだよ…それでも不思議な事に生きてこられたんだけど…ある日…"ある人"と出会ったんだ」
「"ある人"?」
「ああ…吉田松陽っていう人…その人に拾われた俺はその人が開いてた塾に通って高杉と桂…それと………いや、2人と出会ったんだ」
銀時は一瞬誰かの名前を口に仕掛けたが、やめた。
桂以外その人物の事をまだ許してもいないのだ。
気分を悪くなるだけで得はなく、もう銀時は関わらない事に決めているのだ。
銀時は全てではないが過去を話した。
その松陽が捕まって死んだ事、その事で高杉がひねくれたとか、終結した後の暮らしやお登勢との出会いや万事屋を立ち上げた経路やその様子とか色々話した。
意外と銀時の事を知っていそうで知らなかった雪はいつの間にか涙が止まっていた。
それに銀時は安堵する。
「今度は雪の番」
「え?」
「言ったろ?雪の事を全部知りたいんだって」
「………」
雪は銀時の言葉に口を閉ざした。
銀時は全部ではないが自分の過去を話した。
だから雪も自分の過去を言うべきなのは分かっているし、言った方が気も楽だというのも分かっている。
だけど遊女というものは一見煌びやかに見えるが、世間の目はとても冷たい。
金と引き換えに股を開く女、というイメージが強く馬鹿どもは簡単にやらせてくれる女というイメージでもある。
銀時や神楽がそんな偏見を持つ人達じゃないのは分かっているが、それでもやはり友人や知人ならまだしも恋人にしたいと思うかは別だと雪は思う。
だから怖いのだ。
銀時に知られ恋が終わるのが。
目をギュッと閉じる雪に銀時はそっと雪の頬に手を伸ばした。
銀時の指先が触れれば雪は顔を逸らす。
神楽には背中を押してくれた事に感謝はしてる。
雪も銀時の事が好きだと自覚して舞い上がってもいた。
だけど冷静になり雪が恐れていた事がさっそく立ち塞がり雪は銀時への恋心をまた閉じ込めようとする。
それをも察しているのか、銀時は震わえている雪の体を抱きしめる。
銀時に抱きしめられ、雪はビクリと反応し目を見張る。
「…銀さん?」
「雪…何回も言うけどよ…俺さ、お前に本当にべた惚れなんだよ…本心でお前が見てるモン全部消してェし、俺と神楽しか見えないようにしてェって思ってるわけ…だからどんな雪でも知りたいんだよ…」
「………」
「なあ、雪…俺って…俺と神楽って、そんなに頼りないか?」
「…?」
「本当に雪が話したくないっていうなら無理には聞かねえよ…でもよ、少しでもいいんだ…俺たちを少しは信用してもいいんじゃねえの?」
「銀さん…」
銀時に引き寄せられて抱きしめられ雪は彼の肩に顔を埋める形となる。
しかし少し力が弱まり体を起こせば彼の顔が見えた。
銀時の顔は優しかった。
しかし悲しげでもあり、弱弱しく笑う銀時に雪は口を閉ざしてしまう。
雪は今、言うか言わざるべきか迷っていた。
だが銀時の『少しは信用してもいいんじゃないか』という言葉に勇気を出し言う事を決意する。
考えている間逸らしていた目線を銀時に向ける。
強い眼差しで『話します…聞いてくれますか?』と言う雪に銀時は目を細め『勿論』と答えた。
なんの変哲もない返答だが、それだけでも雪は勇気を貰った気がした。
「母上が亡くなった後、父上が亡くなったのは知っていますよね」
「ああ」
「その後遠い親戚の叔父に私達は預けられたんです…そこで一度は道場はその叔父名義になって何とかなったんですが…その叔父は…その……私に執着していたらしくて…」
「あー…執着ってことは…あれか?ロリ的な…」
雪は銀時の問いに頷く。
銀時は声には出さず『マジかよそいつ最低だな』と20代にして10代に手を出す自分を棚に上げて思うが、当時の雪は恐らく10代前で、その叔父は年齢的におじさんだろう。
それに比べるとまだマシである。
「でも…叔父の奥さんが私に叔父を取られるのを恐れて私を吉原に売ったんです」
「は?」
「っ、だ、から……吉原に…いました…私…」
銀時のこぼれた声に雪はビクリと肩を揺らす。
まだ10歳にもなっていない雪を、子供を嫉妬という理由だけで吉原に売るという女に銀時は怒っていた。
それも雪は自分の愛する人である。
怒るなという方が可笑しく、しかし銀時は怯えた様子を見せる雪を見て己の失敗に気付く。
雪が不安がらないよう腰を抱いていた手の力を入れ更に密着させる。
「あー、ごめん、そこに驚いてたんじゃなくてだな…叔父の妻が幼い雪を嫉妬だけで吉原に売ったってところに驚いてたんだよ…ごめんな、怯えさせて」
「い、いいえ…でも…私が吉原にいたのは間違いないので…」
雪は銀時の零した声を自分が吉原にいたからだと思ったが、どうやら違うようでホッとした。
しかしその隙をつき銀時は『おりゃ』と着物の前を開けて雪の上半身を露わにした。
ぽろりと出た16にしては大きすぎる胸に銀時は思わず『おお!』と零してしまったが、銀時は男のため許してほしいと切に思う。
雪はぽろりと出た胸に悲鳴を上げて胸を両手で隠した。
神楽のせいでノーブラだと知った時は『神楽こんにゃろぉ』と思ったが、今は『神楽様GJ!』である。
後で酢昆布を5個献上しよう、と思いながら銀時はまず、首筋のキスマークに口づけをした。
そんな銀時に雪は反射的に『ひっ』と声を零し顔を真っ赤に染める。
「なっ!な、ななな…!!な、なに、するんですかぁーー!!」
「高杉の痕の確認と消毒?」
「そ、そんな小首傾げて可愛く言っても駄目です!!だ、だって…えっちしないって言ったじゃないですか!!」
「だーかーらー、えっちはしねえよ?でも高杉の痕がいつまでもお前の体にあるとか最悪だろ…俺さ、元カレとか許さないタイプだから…だから、その上書きもかねての消毒。」
れろ、と舌が雪の首筋に走る。
生暖かくぬるっとしたそれに雪は肩をすくめた。
そのあとちゅ、と音を立てチクリとした痛みや違和感を感じ、本当に銀時が高杉の痕の上にキスマークを重ねていると知り雪は恥ずかしくて顔を更に赤く染めた。
「そ、そんな、こと…しなくても…」
「駄目だって…だから俺は元カレとか許さんっていってんじゃん…えっちはしないからさ…黙って受けてろよ」
ちゅ、と軽くキスをされ雪は口を閉じた。
黙った雪に銀時はにっと笑ってみせ、その笑みに雪はぶすっと返す。
全くもって不本意だと言いたいのだろう。
だが銀時には関係がなく、中止していた行為を再開させ、高杉が残した忌々しいキスマークを上書きしていく。
雪は銀時が言っても聞いてくれないと諦めセックスしないというのを信じて体の力を抜く。
しかし、これだけは言っておきたかった。
「晋さま、は元カレじゃないです…」
「ふーん」
「信じてください、銀さん…」
「じゃあ何よ?」
「へ?」
「彼氏じゃなかったら、何?」
「それは…」
高杉を元カレだと思い込んでる銀時にはこれだけは言いたかったのだが、逆に問われてしまい雪は言うか戸惑う。
これを言うのなら遊女の事を言わなくてはならず、正直体を売っていたというのを知られるのが怖かった。
神楽も銀時も自分は綺麗な体だと疑っていない。
一応経験はあると暴露はしたが、それでも恐らく初体験相手だけだとか、見栄だとかその辺の認識だろう。
体を売っていた、というのは世間で言うとマイナス過ぎてまだそういうのを蔑む風潮があるのも確かなのだ。
好きで体を売っているわけではないのに。
誰だって好きでもない人に触れられて喜ぶ女はいないのに。
雪は銀時の顔を見れず逸らしてしまう。
その目には涙が溜まり、溜まり切れなかった涙がポロリと大きな目から零れ落ちた。
それを見て銀時はやりすぎたかと焦り、あわあわとさせながら押し倒していた雪を起き上がらせ脱がした着物をとりあえずかけ直した。
「す、すまん!やりすぎたみたいだな…ご、ごめんな?ちょっと大人げなかったみたいだわ」
「…い、いえ…銀さんが悪いわけじゃないんで大丈夫です…」
そう答える雪だが、涙がポロポロと零れていく。
それを手で拭っても一度流れた涙は溢れて止まらない。
鼻をすする音だけが響き、銀時は気まずげに雪から目を逸らし、自分の気持ちを伝えようと決意する。
思い返せば少々気だけが焦り自分の気持ちを相手に伝えていない事に気付いたのだ。
「俺、はさ…」
「?」
「俺は…孤児だったんだよ」
高杉とどんな関係だったたか今すぐに問い質したい気持ちて埋もれてはいるが、焦ってしまった結果がこれだ。
男は惚れた女の涙に弱いとよく言うがそれは本当だった。
今雪のポロポロと流れる涙を見て銀時の心臓はズキズキと何かに刺されているように痛い。
だから付き合うのもお互いを良く知ってから、という言葉を信じて銀時は自分の出生を離す。
「俺は家族の顔知らなくてさ…気づいたら戦場に立っててずーっと血塗られた刀を抱いて生きてたんだよ…それでも不思議な事に生きてこられたんだけど…ある日…"ある人"と出会ったんだ」
「"ある人"?」
「ああ…吉田松陽っていう人…その人に拾われた俺はその人が開いてた塾に通って高杉と桂…それと………いや、2人と出会ったんだ」
銀時は一瞬誰かの名前を口に仕掛けたが、やめた。
桂以外その人物の事をまだ許してもいないのだ。
気分を悪くなるだけで得はなく、もう銀時は関わらない事に決めているのだ。
銀時は全てではないが過去を話した。
その松陽が捕まって死んだ事、その事で高杉がひねくれたとか、終結した後の暮らしやお登勢との出会いや万事屋を立ち上げた経路やその様子とか色々話した。
意外と銀時の事を知っていそうで知らなかった雪はいつの間にか涙が止まっていた。
それに銀時は安堵する。
「今度は雪の番」
「え?」
「言ったろ?雪の事を全部知りたいんだって」
「………」
雪は銀時の言葉に口を閉ざした。
銀時は全部ではないが自分の過去を話した。
だから雪も自分の過去を言うべきなのは分かっているし、言った方が気も楽だというのも分かっている。
だけど遊女というものは一見煌びやかに見えるが、世間の目はとても冷たい。
金と引き換えに股を開く女、というイメージが強く馬鹿どもは簡単にやらせてくれる女というイメージでもある。
銀時や神楽がそんな偏見を持つ人達じゃないのは分かっているが、それでもやはり友人や知人ならまだしも恋人にしたいと思うかは別だと雪は思う。
だから怖いのだ。
銀時に知られ恋が終わるのが。
目をギュッと閉じる雪に銀時はそっと雪の頬に手を伸ばした。
銀時の指先が触れれば雪は顔を逸らす。
神楽には背中を押してくれた事に感謝はしてる。
雪も銀時の事が好きだと自覚して舞い上がってもいた。
だけど冷静になり雪が恐れていた事がさっそく立ち塞がり雪は銀時への恋心をまた閉じ込めようとする。
それをも察しているのか、銀時は震わえている雪の体を抱きしめる。
銀時に抱きしめられ、雪はビクリと反応し目を見張る。
「…銀さん?」
「雪…何回も言うけどよ…俺さ、お前に本当にべた惚れなんだよ…本心でお前が見てるモン全部消してェし、俺と神楽しか見えないようにしてェって思ってるわけ…だからどんな雪でも知りたいんだよ…」
「………」
「なあ、雪…俺って…俺と神楽って、そんなに頼りないか?」
「…?」
「本当に雪が話したくないっていうなら無理には聞かねえよ…でもよ、少しでもいいんだ…俺たちを少しは信用してもいいんじゃねえの?」
「銀さん…」
銀時に引き寄せられて抱きしめられ雪は彼の肩に顔を埋める形となる。
しかし少し力が弱まり体を起こせば彼の顔が見えた。
銀時の顔は優しかった。
しかし悲しげでもあり、弱弱しく笑う銀時に雪は口を閉ざしてしまう。
雪は今、言うか言わざるべきか迷っていた。
だが銀時の『少しは信用してもいいんじゃないか』という言葉に勇気を出し言う事を決意する。
考えている間逸らしていた目線を銀時に向ける。
強い眼差しで『話します…聞いてくれますか?』と言う雪に銀時は目を細め『勿論』と答えた。
なんの変哲もない返答だが、それだけでも雪は勇気を貰った気がした。
「母上が亡くなった後、父上が亡くなったのは知っていますよね」
「ああ」
「その後遠い親戚の叔父に私達は預けられたんです…そこで一度は道場はその叔父名義になって何とかなったんですが…その叔父は…その……私に執着していたらしくて…」
「あー…執着ってことは…あれか?ロリ的な…」
雪は銀時の問いに頷く。
銀時は声には出さず『マジかよそいつ最低だな』と20代にして10代に手を出す自分を棚に上げて思うが、当時の雪は恐らく10代前で、その叔父は年齢的におじさんだろう。
それに比べるとまだマシである。
「でも…叔父の奥さんが私に叔父を取られるのを恐れて私を吉原に売ったんです」
「は?」
「っ、だ、から……吉原に…いました…私…」
銀時のこぼれた声に雪はビクリと肩を揺らす。
まだ10歳にもなっていない雪を、子供を嫉妬という理由だけで吉原に売るという女に銀時は怒っていた。
それも雪は自分の愛する人である。
怒るなという方が可笑しく、しかし銀時は怯えた様子を見せる雪を見て己の失敗に気付く。
雪が不安がらないよう腰を抱いていた手の力を入れ更に密着させる。
「あー、ごめん、そこに驚いてたんじゃなくてだな…叔父の妻が幼い雪を嫉妬だけで吉原に売ったってところに驚いてたんだよ…ごめんな、怯えさせて」
「い、いいえ…でも…私が吉原にいたのは間違いないので…」
雪は銀時の零した声を自分が吉原にいたからだと思ったが、どうやら違うようでホッとした。
← | back | →
しおりを挟む