ほんのちょっとエロ注意!
****************
小鳥の声で雪は目を覚ました。
目を開ければ自分の部屋の風景、ではなく…万事屋の銀時の部屋だった。
時計を見ればすでに日は昇って大体の人が行動を開始している時間だった。
(眠い…体が重い…)
雪は寝起きが悪い訳ではなく、どちらかと言えばいい。
だけど今日は体が重く眠気が強く感じていた。
それは何故か…それを寝ぼけながら考え雪はいい気に目が覚めた。
ガバリと起き上がるとポトリと何かが布団に落ちたような気がしてそちらに目をやると、鍛えられた男の腕が見えた。
後ろを見れば銀時がおり、どうやら雪は銀時に抱き着かれながら眠っていたようである。
しかも自分も銀時も裸だった。
いや、さきほどまであんな事やこんな事していたのだから当たり前と言えば当たり前である。
雪は正直覚えておらず、恐らく気絶したように眠ったのだろう。
雪は重い体を動かし銀時の方へ体を向ける。
「銀さん」
小声で銀時を読んでみるが、銀時はぐっすり眠っていた。
何だかこうして向かい合わせで眠っているのはカブトムシを取りに行ってキャンプした以来で、懐かしく思う。
(改めて見ると銀さんって黙ってればかっこいいんだよね…)
と、雪はちょっと銀時に失礼な事を思いながら銀時の顔を見ていた。
そして、そういえば、と雪は昔を思い出し、そっと銀時の顔に触れる。
(晋さまも寝てる間にこうやって触ったりしてたなぁ…)
あの頃は高杉に恋をして、だが客と遊女の関係だった頃。
ヤることをヤり終えて何となく目が覚めた雪は仰向けで眠っていた高杉の顔を覗き込んでいたこともあった。
だけどそれはもう過去の思い出でしかなく、今は銀時と繋がった事への幸福感に包まれていた。
思わずニヤついてしまいそうになるのを抑えていると雪の撫でる手に起きたのか、眠たそうに銀時は瞼を上げる。
「どうした?」
「銀さん、朝です…起きてください」
昨日何時までヤっていたかは分からないが、そろそろ目を覚まして行動を開始しないと間に合わない。
何に、というと昨日志村家を出る際に神楽に迎えに来いと言われているのだ。
あまり遅いと可哀想だと思い昼頃には迎えに行きたいと思っている。
うーん、と唸り雪をぎゅっと抱きしめ二度寝しそうになる銀時を雪はペチペチと頬を手で叩く。
『ぎーんさーん』と呼んでも返ってくる言葉は寝ぼけた声だけ。
しかし…雪の太ももに銀時の手がさわさわと触れているのに気づく。
「ちょっと…銀さん…」
首筋に顔を埋め銀時は太ももからお尻へと手を伸ばし、むにむにと揉む。
首筋も舐められ雪は思わず声を零す。
雪が抵抗しないのをいいことに銀時は大胆となり、片足の膝裏へ腕通し片脚持ち上げて秘部へと手を伸ばす。
それには流石に慌てた雪は指先が入った銀時の手を止める。
「ぎ、銀さん!!起きてるでしょ!」
「んー?寝てまーす」
「う、嘘ばっか…!っていうか朝っぱらからしませんからね!」
遊女だった時は朝も昼も夜も関係のない性生活をしていたが、今はもう普通の生活をしていて朝からセックスをするような生活はするつもりはない。
抵抗するも銀時からは『まあまあ、いいからいいから』と全く聞き取ってくれず、結局雪は流され朝からする羽目となった。
雪は居間のソファに座って只今ぶすっと膨れていた。
そんな雪の隣に座る銀時はぶすっと頬を膨らませる雪の肩に手を回して引き寄せた。
「まだ怒ってんのか?」
「………」
甘い声を出してご機嫌取りをしても雪の頬は萎むことはなくそっぽを向かれた。
そんな雪に銀時は頭を掻く。
「悪かったって…」
下手に取ろうという作戦を取ろうとしても雪の機嫌が直るわけもなく、ぶすっとしている。
まだ頬が戻らない雪に本格的に銀時は困った。
大抵は自分が拗ね、雪が宥めるのがいつも通りの光景だが、今回はその逆になっていた。
謝っても機嫌が直らないため銀時は開き直ることにした。
「大体お前も乗ってたじゃねえか…」
頭をかきながら銀時は思い出す。
眠っていた銀時だったが、誰かに触れられているのに気づき目を覚ました。
最初は本当に寝ぼけていたが、雪に発情したというのもあって目が覚めた銀時は早速目の前にいる可愛い子に手を出した。
更に言えばその後に入ったお風呂に入った時も雪とセックスをしたのだ。
銀時曰く、『好いた女の裸を見て興奮しない男はもう終わっている』である。
先ほど汚れも落とし、銀時は不貞腐れている雪の髪も拭き終え機嫌取りに取り掛かっていたが、中々機嫌が直らず今度は銀時が不貞腐れた。
正直20代にもなって16歳に拗ねるというのもどうかと思ったが、銀時はお手上げ状態になっていたのだ。
むすっとさせる銀時に雪は横目で見る。
「あんなの乗ったとか言いません」
「いーや、乗ってたね!銀さんもっとぉ〜とか言ってたのは誰かな〜?」
拗ねた者同士中々元の鞘に収まる気配もない。
銀時の言葉に雪はカチンと来たのか若干背を向けていた雪は体を銀時に向けて頬を抓った。
「いっだ!何すんだ!」
「何すんだはこっちのセリフです!!せっかく昨日は銀さんの好きな物作ってあげようって思って張り切ってたのに銀さんがキスだけじゃ終わらせなかったから昨日食いっぱぐれたんじゃないですか!!普通あそこで欲情します!?」
「するだろうが!!やっと付き合えた女からキスされたんだぞ!?そんな事されてキスだけで終わらせるなんざ男が廃るわ!!」
「廃ればいいじゃないですか!!大体あれは銀さんがキスしたら放してくれるって言ったからキスしただけです!!あそこで銀さんが我慢してくれればよかったんです!!」
「我慢なんか出来るか!!俺はお前と早く繋がりたかったんだよ!!」
「どうしてそこまでセックスしたがるんですか!!体ですか!?やっぱり体が目的ですか!?このロリコン!!ロリータコンプレックス!!」
「ちげーーよ!!不安だったんだよ!俺はお前から見たらオッサンだしお前の周りには俺より条件のいい男うじゃうじゃいるしお前の姉ちゃんが弱ってる時じゃねえとあいつ絶対セックス禁止令出すから今のうちじゃねえとお前を縛れねえだろうが!!俺だって付き合ってそうそうヤルのもどうかと思ったさ!!体目当てだと思われて別れるって言われるのが怖くて悩んださ!!だけどな!お前が自分の魅力分からなさすぎてプッツンきたんだよ!!誰にもお前を取られたくねえんだよ!」
銀時と喧嘩にまでなってしまい口喧嘩をしながらも、雪は止めれなかった。
だが、銀時のその言葉に開いた口が閉じれず、言葉を失う。
銀時も言うつもりはなかったが一旦出てしまった言葉は消えることはなく、気まずげに呆気に取られている雪から目を逸らす。
「俺だって色々考えてんだよ…周りはグータラな俺より好条件の奴らいるしよ…特にあのドSなんかお前と歳近いしその上あの歳で真選組の一番隊隊長だろ?正直あいつがお前といると取られるんじゃないかって恐々してたんだぞ?マヨラーだって油断できねえし…」
「それで体でもってことですか?そんなの他の人と変わらないじゃないですか」
雪の痛い一言に銀時は自分も思っていたのか『ゔ…すみません…』と項垂れた。
ガクリと項垂れる銀時を見て雪はもう怒りも収まってしまう。
呆れたようなため息をつく雪に銀時は気まずそうにさせる。
「確かに銀さんは昔"白夜叉"って言われるほど強かったくせして今じゃ糖尿病予備軍で、だけど甘い物を抑えようともしないし、取り上げると拗ねるし、稼いだお金をパチンコやお酒に使っちゃうし、毎回吐くまで飲んで二日酔いに苦しんでいるし、やれば出来るのに仕事を全く探さないし、手伝いもせずグータラしてジャンプ読んで家賃滞納して女の子一人養う事も出来ないし、いい歳してすぐに拗ねますもんね」
雪から出た言葉に銀時の心は既にヒビが入り粉々に砕け散る寸前だった。
桂と初めて会った時に聞いたため雪は銀時が『白夜叉』と呼ばれ高杉と桂に続く英雄だというのも知っている。
最初こそそれを聞いた時恋愛感情はなかったから『なんでこんなマダオになったんだろう』と思ったが、家族となって恋心を抱いてからはそれすら愛おしい。
返す言葉もない銀時が今、物凄く焦って冷や汗をかいてるのを見なくても知っており、自分の言葉でこうもこの人が落ち込むのは銀時に申訳ないが面白い。
というよりかは優越感があった。
銀時はダラけているが、芯が強く、周りの評価をあまり気にしていない。
まあ言い方を変えれば自分勝手ではあるが、そんな彼が自分の言葉に落ち込んでいる様子を見ると、自分の存在は彼の中に多少なりとも根付いていると分かり嬉しくなってしまうのだ。
ただ、ちょっと可哀想だからと雪は下げた分上げようとコテンと銀時の肩に寄り添う。
「そりゃ銀さんより素敵な人って沢山…というよりかはこの全人類…いや、全宇宙の97%くらいはいますよ?むしろ無職の人以外全員が当てはまりますし、無職は無職でも就活頑張ってる人も省かれますし」
「おい…お前…それ…傷口に塩をねじ込んでるのと同じだぞゴラ…」
「で、も!…でも、それを含めて私は銀さんが好きなんです…」
「…!」
傷つき更には傷口を思いっきり塩をねじ込まれた銀時はもはや再起不能にまで追い込まれた。
だが続けられたその言葉によって銀時はギリギリ耐える。
ハッとさせ雪へ顔を上げれば、自分の肩に寄りかかってこちらを見上げる雪と目と目が合った。
銀時と目と目が合った雪はふと微笑みを浮かべる。
「駄目な銀さんでもいいんです…目が輝いていなくても、糖尿病予備軍でも、マダオって周りに言われても、私は銀さんだから好きになったんです…周りの人がなんですか…もしも私が銀さん以外に目を奪われていたのなら奪い返してくださいよ…それぐらいして当たり前に愛してくれているんでしょう?」
「雪…っ!!」
雪の言葉に銀時は普段死んだ魚の目をうるうるとさせ感激する。
銀時の嫉妬に雪も愛されていると思えるように、雪のその言葉に銀時も雪に愛されていると実感していた。
その感激のあまり銀時はガバリと両腕を広げ雪に抱き着く。
「わっ!もう!銀さん!」
銀時が体重をかけるため、支えきれず雪はソファに押し倒されるような形で倒れ込んだ。
咎めたような言葉でも雪も嬉しそうに笑うその声に銀時は幸せを身に染みていた。
やっと…やっと雪と付き合えた実感を今、感じていた。
家族を知らない自分が、やっと家族を、本当の意味での家族を手に入れれるのだと思っていた。
だが…―――
「雪ちゃん?いるの?遅いからきちゃった」
万事屋に魔王が降臨なされた。
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小鳥の声で雪は目を覚ました。
目を開ければ自分の部屋の風景、ではなく…万事屋の銀時の部屋だった。
時計を見ればすでに日は昇って大体の人が行動を開始している時間だった。
(眠い…体が重い…)
雪は寝起きが悪い訳ではなく、どちらかと言えばいい。
だけど今日は体が重く眠気が強く感じていた。
それは何故か…それを寝ぼけながら考え雪はいい気に目が覚めた。
ガバリと起き上がるとポトリと何かが布団に落ちたような気がしてそちらに目をやると、鍛えられた男の腕が見えた。
後ろを見れば銀時がおり、どうやら雪は銀時に抱き着かれながら眠っていたようである。
しかも自分も銀時も裸だった。
いや、さきほどまであんな事やこんな事していたのだから当たり前と言えば当たり前である。
雪は正直覚えておらず、恐らく気絶したように眠ったのだろう。
雪は重い体を動かし銀時の方へ体を向ける。
「銀さん」
小声で銀時を読んでみるが、銀時はぐっすり眠っていた。
何だかこうして向かい合わせで眠っているのはカブトムシを取りに行ってキャンプした以来で、懐かしく思う。
(改めて見ると銀さんって黙ってればかっこいいんだよね…)
と、雪はちょっと銀時に失礼な事を思いながら銀時の顔を見ていた。
そして、そういえば、と雪は昔を思い出し、そっと銀時の顔に触れる。
(晋さまも寝てる間にこうやって触ったりしてたなぁ…)
あの頃は高杉に恋をして、だが客と遊女の関係だった頃。
ヤることをヤり終えて何となく目が覚めた雪は仰向けで眠っていた高杉の顔を覗き込んでいたこともあった。
だけどそれはもう過去の思い出でしかなく、今は銀時と繋がった事への幸福感に包まれていた。
思わずニヤついてしまいそうになるのを抑えていると雪の撫でる手に起きたのか、眠たそうに銀時は瞼を上げる。
「どうした?」
「銀さん、朝です…起きてください」
昨日何時までヤっていたかは分からないが、そろそろ目を覚まして行動を開始しないと間に合わない。
何に、というと昨日志村家を出る際に神楽に迎えに来いと言われているのだ。
あまり遅いと可哀想だと思い昼頃には迎えに行きたいと思っている。
うーん、と唸り雪をぎゅっと抱きしめ二度寝しそうになる銀時を雪はペチペチと頬を手で叩く。
『ぎーんさーん』と呼んでも返ってくる言葉は寝ぼけた声だけ。
しかし…雪の太ももに銀時の手がさわさわと触れているのに気づく。
「ちょっと…銀さん…」
首筋に顔を埋め銀時は太ももからお尻へと手を伸ばし、むにむにと揉む。
首筋も舐められ雪は思わず声を零す。
雪が抵抗しないのをいいことに銀時は大胆となり、片足の膝裏へ腕通し片脚持ち上げて秘部へと手を伸ばす。
それには流石に慌てた雪は指先が入った銀時の手を止める。
「ぎ、銀さん!!起きてるでしょ!」
「んー?寝てまーす」
「う、嘘ばっか…!っていうか朝っぱらからしませんからね!」
遊女だった時は朝も昼も夜も関係のない性生活をしていたが、今はもう普通の生活をしていて朝からセックスをするような生活はするつもりはない。
抵抗するも銀時からは『まあまあ、いいからいいから』と全く聞き取ってくれず、結局雪は流され朝からする羽目となった。
雪は居間のソファに座って只今ぶすっと膨れていた。
そんな雪の隣に座る銀時はぶすっと頬を膨らませる雪の肩に手を回して引き寄せた。
「まだ怒ってんのか?」
「………」
甘い声を出してご機嫌取りをしても雪の頬は萎むことはなくそっぽを向かれた。
そんな雪に銀時は頭を掻く。
「悪かったって…」
下手に取ろうという作戦を取ろうとしても雪の機嫌が直るわけもなく、ぶすっとしている。
まだ頬が戻らない雪に本格的に銀時は困った。
大抵は自分が拗ね、雪が宥めるのがいつも通りの光景だが、今回はその逆になっていた。
謝っても機嫌が直らないため銀時は開き直ることにした。
「大体お前も乗ってたじゃねえか…」
頭をかきながら銀時は思い出す。
眠っていた銀時だったが、誰かに触れられているのに気づき目を覚ました。
最初は本当に寝ぼけていたが、雪に発情したというのもあって目が覚めた銀時は早速目の前にいる可愛い子に手を出した。
更に言えばその後に入ったお風呂に入った時も雪とセックスをしたのだ。
銀時曰く、『好いた女の裸を見て興奮しない男はもう終わっている』である。
先ほど汚れも落とし、銀時は不貞腐れている雪の髪も拭き終え機嫌取りに取り掛かっていたが、中々機嫌が直らず今度は銀時が不貞腐れた。
正直20代にもなって16歳に拗ねるというのもどうかと思ったが、銀時はお手上げ状態になっていたのだ。
むすっとさせる銀時に雪は横目で見る。
「あんなの乗ったとか言いません」
「いーや、乗ってたね!銀さんもっとぉ〜とか言ってたのは誰かな〜?」
拗ねた者同士中々元の鞘に収まる気配もない。
銀時の言葉に雪はカチンと来たのか若干背を向けていた雪は体を銀時に向けて頬を抓った。
「いっだ!何すんだ!」
「何すんだはこっちのセリフです!!せっかく昨日は銀さんの好きな物作ってあげようって思って張り切ってたのに銀さんがキスだけじゃ終わらせなかったから昨日食いっぱぐれたんじゃないですか!!普通あそこで欲情します!?」
「するだろうが!!やっと付き合えた女からキスされたんだぞ!?そんな事されてキスだけで終わらせるなんざ男が廃るわ!!」
「廃ればいいじゃないですか!!大体あれは銀さんがキスしたら放してくれるって言ったからキスしただけです!!あそこで銀さんが我慢してくれればよかったんです!!」
「我慢なんか出来るか!!俺はお前と早く繋がりたかったんだよ!!」
「どうしてそこまでセックスしたがるんですか!!体ですか!?やっぱり体が目的ですか!?このロリコン!!ロリータコンプレックス!!」
「ちげーーよ!!不安だったんだよ!俺はお前から見たらオッサンだしお前の周りには俺より条件のいい男うじゃうじゃいるしお前の姉ちゃんが弱ってる時じゃねえとあいつ絶対セックス禁止令出すから今のうちじゃねえとお前を縛れねえだろうが!!俺だって付き合ってそうそうヤルのもどうかと思ったさ!!体目当てだと思われて別れるって言われるのが怖くて悩んださ!!だけどな!お前が自分の魅力分からなさすぎてプッツンきたんだよ!!誰にもお前を取られたくねえんだよ!」
銀時と喧嘩にまでなってしまい口喧嘩をしながらも、雪は止めれなかった。
だが、銀時のその言葉に開いた口が閉じれず、言葉を失う。
銀時も言うつもりはなかったが一旦出てしまった言葉は消えることはなく、気まずげに呆気に取られている雪から目を逸らす。
「俺だって色々考えてんだよ…周りはグータラな俺より好条件の奴らいるしよ…特にあのドSなんかお前と歳近いしその上あの歳で真選組の一番隊隊長だろ?正直あいつがお前といると取られるんじゃないかって恐々してたんだぞ?マヨラーだって油断できねえし…」
「それで体でもってことですか?そんなの他の人と変わらないじゃないですか」
雪の痛い一言に銀時は自分も思っていたのか『ゔ…すみません…』と項垂れた。
ガクリと項垂れる銀時を見て雪はもう怒りも収まってしまう。
呆れたようなため息をつく雪に銀時は気まずそうにさせる。
「確かに銀さんは昔"白夜叉"って言われるほど強かったくせして今じゃ糖尿病予備軍で、だけど甘い物を抑えようともしないし、取り上げると拗ねるし、稼いだお金をパチンコやお酒に使っちゃうし、毎回吐くまで飲んで二日酔いに苦しんでいるし、やれば出来るのに仕事を全く探さないし、手伝いもせずグータラしてジャンプ読んで家賃滞納して女の子一人養う事も出来ないし、いい歳してすぐに拗ねますもんね」
雪から出た言葉に銀時の心は既にヒビが入り粉々に砕け散る寸前だった。
桂と初めて会った時に聞いたため雪は銀時が『白夜叉』と呼ばれ高杉と桂に続く英雄だというのも知っている。
最初こそそれを聞いた時恋愛感情はなかったから『なんでこんなマダオになったんだろう』と思ったが、家族となって恋心を抱いてからはそれすら愛おしい。
返す言葉もない銀時が今、物凄く焦って冷や汗をかいてるのを見なくても知っており、自分の言葉でこうもこの人が落ち込むのは銀時に申訳ないが面白い。
というよりかは優越感があった。
銀時はダラけているが、芯が強く、周りの評価をあまり気にしていない。
まあ言い方を変えれば自分勝手ではあるが、そんな彼が自分の言葉に落ち込んでいる様子を見ると、自分の存在は彼の中に多少なりとも根付いていると分かり嬉しくなってしまうのだ。
ただ、ちょっと可哀想だからと雪は下げた分上げようとコテンと銀時の肩に寄り添う。
「そりゃ銀さんより素敵な人って沢山…というよりかはこの全人類…いや、全宇宙の97%くらいはいますよ?むしろ無職の人以外全員が当てはまりますし、無職は無職でも就活頑張ってる人も省かれますし」
「おい…お前…それ…傷口に塩をねじ込んでるのと同じだぞゴラ…」
「で、も!…でも、それを含めて私は銀さんが好きなんです…」
「…!」
傷つき更には傷口を思いっきり塩をねじ込まれた銀時はもはや再起不能にまで追い込まれた。
だが続けられたその言葉によって銀時はギリギリ耐える。
ハッとさせ雪へ顔を上げれば、自分の肩に寄りかかってこちらを見上げる雪と目と目が合った。
銀時と目と目が合った雪はふと微笑みを浮かべる。
「駄目な銀さんでもいいんです…目が輝いていなくても、糖尿病予備軍でも、マダオって周りに言われても、私は銀さんだから好きになったんです…周りの人がなんですか…もしも私が銀さん以外に目を奪われていたのなら奪い返してくださいよ…それぐらいして当たり前に愛してくれているんでしょう?」
「雪…っ!!」
雪の言葉に銀時は普段死んだ魚の目をうるうるとさせ感激する。
銀時の嫉妬に雪も愛されていると思えるように、雪のその言葉に銀時も雪に愛されていると実感していた。
その感激のあまり銀時はガバリと両腕を広げ雪に抱き着く。
「わっ!もう!銀さん!」
銀時が体重をかけるため、支えきれず雪はソファに押し倒されるような形で倒れ込んだ。
咎めたような言葉でも雪も嬉しそうに笑うその声に銀時は幸せを身に染みていた。
やっと…やっと雪と付き合えた実感を今、感じていた。
家族を知らない自分が、やっと家族を、本当の意味での家族を手に入れれるのだと思っていた。
だが…―――
「雪ちゃん?いるの?遅いからきちゃった」
万事屋に魔王が降臨なされた。
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