(8 / 38) ツェッド (8)

ちょっぴりえっちいよ!



****************



薄暗い中、広い部屋に置かれているベッドに影が二つ、重なっていた。


「んっ…、」


1人は老人。
もう一人は若い女性。
老人の名はベイジル。
伯爵の地位に立つ人間である。
そのベイジルはベッドに座り、股の間にいる女性を見下ろす。
その女性の名はリィリン。
女性は美しい青い髪を持ち今は伏せられているその目もまた青く美しい。
そして顔も整っており下半身を見ればスカートから尾びれが見える。
―――女性は人間ではなく、人魚だった。
美しい人魚をベイジルは口淫させていた。
あの、人魚を、だ。
あのいくつもある物語でも有名な伝説の生き物の人魚を、自分のペニスを銜えさせている。
見た目は汚れの知らぬ生娘のようで、ベイジルはまるで娘と淫らな行為を行うような背徳感に興奮する。


「いいぞ、リィリン…」

「っ、んん…ふ、」


ベイジルは青い髪を撫でながら前後に頭を動かす人魚に目を細める。
先ほどから卑猥な音がベイジルを更に興奮させ、そろそろ限界が来ていた。
ベイジルはそのまま頭を押さえ、体を震わせながら人魚の口に熱を持った物を吐き出す。


(マズイ…)


その口内に入って来た熱にリィリンは吐き出そうにも頭を押さえられ銜えていた物を抜くことができなかったから結局今日も飲む羽目となる。
口内に広がる苦く、そして鼻を通る青臭さにリィリンは何度味わっても不快にしかならず眉間にしわを寄せる。
しかしそれに気づかずベイジルは掃除をさせるように腰を動かしまだリィリンの口内から抜こうとしない。
口内に熱を出したため、リィリンはこれ以上動くことはなかった。
それもそのはずである…すでに今日、この行為は5回は行っていたのだ。
この歳でも枯れず何人もの若い愛人がいるこのジジイが口淫や手淫で満足するはずがないのだ。
経験上そろそろ本番をするため愛人を呼んで切り替える頃だろうとリィリンは読んでいた。
それは当たり、ベイジルはリィリンの髪を引っ張りまだ熱を籠らせ半立ちとなっているソレをリィリンの口から抜く。
リィリンは髪を掴まれたまま顔を上げさせられそのままキスをした。
舌も当然入ってきて遠慮なくリィリンの口内を犯す。
それを相手にせずリィリンはベイジルの好きなようにさせる。
それしかリィリンの出来る抵抗がなかった。
ベイジルは自分の出した熱の味など気にもせずリィリンの口を堪能した後、やっと離した。
2人の間には糸が繋がっていたが、リィリンは拒否を見せないようさり気なく唇を舐め、その繋がっている糸を切ってやる。
それも気づかずベイジルは満足げにリィリンを見つめ、メイドにリィリンを連れていくよう命じる。
リィリンは車椅子に座りベイジルの部屋を出ると一人の女性とすれ違った。
その女性をチラリと見れば、豊満な体にむっちりとしたしかし太りすぎていないまさに愛人という体つきの美しい女がいた。
その女もリィリンに気付きリィリンへ目をやる。
しかしその目はリィリンを嘲笑っていた。
それはリィリンが何人もいる愛人全てに向けられる目線だった。
その目線は主人に相手に本番もさせてもらえない哀れな妻を見ているかのようだった。


(知らないって幸せね)


リィリンはいつもその目線を送る彼女達を見てそう思う。
恐らく、リィリンがセックスできる体であれば彼女達はお役目ごめんとなるだろう。
あのエロジジイは常にリィリンに男のソレを入れたくて仕方ないのだ。
男のソレを入れリィリンが自分のに感じあられもない姿を見たくて仕方ないのだ。
だがリィリンの体は一生あの男を受け入れることはないだろう。
だから彼女達という『処理道具』がいるのだ。
そんな事も知らず伯爵に愛されていると勘違いしている女達をリィリンは憐れんだ。
そして…


(もしも…あのペニスが、精液が、口づけが…彼のだったら……ああっ…考えただけで体が熱くなるわ…)


リィリンはベイジルなどとっくに記憶から追いやり、あの彼…ツェッドを思い出す。
もしも、あのペニスがベイジルのではなく、ツェッドの物だったのなら…きっとリィリンはベイジルのよりも愛し気にそして丁寧に舐め、そして手で擦ってあげただろう。
それも決して他人には譲らず、彼のミルクタンクが枯れるまで。
そしてその精液は全て飲み干してあげる。
あの反応からして彼は誰にも穢されていないはず。
誰も触れてもいないであろう彼のペニスから出る精液はきっと濃くてベイジルに比べると天と地の差ほどある味なのだろう。
キスしようとしただけであんな可愛らしい反応をしてくれるのだ…彼とそういう仲になったとしたら…一体どんな反応を見せ己の体に触れるのか…
隙だらけの彼を思い出し、そしていずれ来るであろうその光景を想像するだけでリィリンは体に熱がこもっていく。

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