放課後の魔術師。
佐木達が受けた電話の通り、放課後の魔術師と思われる人物が桜樹の首を吊って儀式を行っている所を、見回っていた立花と金田一は目撃した。
しかし、開かずの生物室と呼ばれる部屋をこじ開けて入っても桜樹と放課後の魔術師どころか儀式を行った道具や跡すらなかった。
結局証拠もないからと釈然としないまま解散となり、彩羽は美雪とはじめと登校していた。
「ねえねえ!昨夜の事、私分かっちゃった!ようするにみんな桜樹先輩の悪戯だったのよ!面白いもの見せてあげるって電話で行ってたんでしょ?」
「だといいんだけど…」
美雪の言葉に金田一はぽつりとつぶやく。
その表情も沈んでおり、彩羽と美雪はお互い顔を見合わせ心配そうな表情を浮かべる。
昨夜から金田一は物思いにふけっている様子を見せていた。
聞かなくても金田一は昨夜の事を考えていると分かり、彩羽と美雪は警備室にいたから金田一と立花が見た光景は分からない。
だが先輩が首を吊っている姿を見てしまっている金田一は気持ちが沈んでしまう。
「美雪ー!!巴川さーん!!大変!大変なのよ!!」
どうしたら金田一が元気になるか…美雪も彩羽も考えていると美雪の友人達が駆け寄ってきた。
大変だとしか言わない美雪の友人二人を落ち着かせて話を聞いてみると旧校舎の生物室で何か騒動があったらしい。
確かにそう言われてみれば珍しくも旧校舎に人が多く出入りしていた。
金田一は美雪の友人達の話を聞き、嫌な予感がよぎる。
当たってほしくないと思いながら金田一も急いで旧校舎へ向かった。
―――しかし嫌な予感ほど当たるものである。
「早く教室に戻るんだ!」
「来ちゃ駄目だと言っているだろ!」
「戻りなさい!!」
旧校舎に入り人が向かう方へ彩羽達も向かえば、人だかりができていた。
騒めきを聞きながら先に行ってしまった金田一に追いつくため彩羽は人の間を縫って前に進む。
後ろから美雪も続き、彩羽と美雪が先頭までたどり着いた時…金田一は教師が張った規制線代わりのロープの内側に座り込んでいた。
「桜樹…先輩…」
「うそ…そんな…っ!」
彩羽は金田一の背を見た後ゆっくりと視線を上に上げる。
すると天井から首を吊っている桜樹の姿があり、支えのない彼女の身体はピクリとも動いていないところからすでに息絶えている事が分かった。
彩羽は小さく悲鳴を零す美雪の声を頭の端でその声が美雪の声だと理解しながらも唖然と桜樹の死体を見上げていた。
「ほら!いい加減出なさい!」
金田一は桜樹の死体を見て唖然としていた。
桜樹は金田一の理解者でもあったのだから当たり前だと彩羽は思う。
だからこそ教師に引っ張られ規制線の外へ追いやられた金田一に寄り添うしかなく、かける言葉さえ見つからなかった。
教師たちの会話からどうやらすでに警察は呼んでいるようで、『警察』という単語に彩羽はピクリと反応した。
(警察って事は…に、兄さんが来るかもしれないって事…だよね…)
場違いながらに彩羽は顔が赤くなりそうになったが、必死に別の事を考えて気持ちを落ち着かせる。
昨夜の事で記憶の奥へ追いやってしまっていたが、昨日従兄である明智に電話した際彩羽はあまりの不安定さについ大胆な事を従兄にお願いをしてしまったのだ。
(…あの時は不安だったし…今は安定してるし……うん、それでいこう…多分、大丈夫だと思う…)
一晩寝たら治った…とはいかないまでも誰かが傍にいてくれるというのは案外安心できるものらしく、明智に連絡を入れた時よりは精神面も落ち着いてきていた。
まだ鷹島を見ると不安に駆られるが、美雪と金田一がいれば落ち着いていられる。
だから抱きしめてもらうというお願いはキャンセルしようと思った。
別に今更従兄を意識したとかではない。
ただ、いい歳して抱きしめてほしいと言うのは少し恥ずかしかったのだ。
グッと握り『よしっ』と決意を固めていると、ついに警察が到着したらしく、聞き慣れた声に彩羽の心臓は強く跳ねた。
しかし…
「よ、金田一!」
「おっさん!」
来たのは明智ではなく剣持だった。
剣持の声に彩羽は周りを見渡すも明智の姿はなく、ホッと安堵しながらも少し複雑に思う。
「この事件は俺が担当することになった」
「へえ、あのイヤミ警視は?」
「明智警視は別件で手が離せないんだ」
「そういや彩羽も明智さんは泊まり込みだって言ってたっけ」
『おっさん、ご愁傷さま』と彩羽に会えない苛立ちを向けられるであろう剣持に同情していたが、どういうわけか、剣持は嫌そうな顔でもゲンナリした顔でもなくご機嫌な顔をして『そうでもないぞ』と返した。
予想外の反応に金田一は思わず彩羽に聞く。
(なあ、彩羽…お前さ、明智さんになんかやった?)
(なんかって…なにを?昨日は美雪ちゃんの家に泊まりに行ってたから兄さんとは会ってないよ)
(だよなあ…じゃあ電話で何か明智さんがご機嫌になることでも言ったのか?)
(イッテナイヨ)
明智の機嫌の上下は主に彩羽が原因だと金田一を含む明智周辺の人間は認識している。
だから明智が彩羽の顔を一日でも見れないという現状下で機嫌がいいなどありえないと金田一は思っていた。
彩羽はまさか金田一に『帰ったらぎゅってしてね(ハート)』とお願いしたとは言えず、分からないフリをした。
伊達に彩羽も7年も性的暴行されていたことや母や義父への復讐心を隠してきた隠れた大女優根性を見せてきたわけではない。
今ここで明智でさえ騙した演技を発揮せずにどこで発揮するのか!!、と必死に表情筋をフル活動した。
そのお陰で鋭い金田一は違和感を感じながらも深くは追及することなく『こりゃ迷宮入りの謎だわ』と金田一は推理を諦める。
(もしかして……いや、でも……うん…違うって事にしとこ…)
しかし彩羽は首を振ったが、心当たりはあった。
心当たりどころかドンピシャである。
『キャンセルできるか不安になってきた…クーリングオフ、利くかな…』と彩羽は頭を抱えてしまいそうになった。
ゔお゙お゙お゙…、と人目も憚らず転げ回りたい気持ちでいると、ふと剣持と目が合った。
目が合うと剣持は二カッと笑い片手を上げて見せた。
(…………クーリングオフサービスはなし…とんだ悪徳商法だわ…)
剣持の行為は恐らく彩羽以外分からないだろう。
あれは『明智の機嫌を良くしてくれてありがとう』という意味である。
つまりは……クーリングオフしたら剣持達は天国から地獄へと変わるということである。
いや、別に明智が剣持達に当たろうが彩羽には関係ない。
所詮は他人事、彩羽とは無関係の出来事である。
そう思いつつもやはり申し訳なさがあり、罪悪感が強い。
結果、彩羽は明智に抱きしめてもらうというのはもはや決定済みとなった。
(いや、うん…自分から言ったんだから責任持たなきゃね…うん…がんばろ…)
明智に抱きしめられるのが嫌なわけじゃないのだ。
ただ恥ずかしいだけで、むしろ嫌いというよりは…
真っ赤に染まった顔を隠すため俯く彩羽をよそに金田一は剣持に声をかけた。
「で、今までに分かった事は?」
「検死の結果、被害者桜樹るい子が亡くなったのは昨夜9時から10時だと推定された」
「夕べ!?…じゃあやっぱりあれが死の儀式だったんだ…」
本来なら関係があるとはいえただの学生に結果を教える事はできない。
だが、金田一はあの金田一耕助の孫に当たり、その頭脳も引継ぎ数々の事件を解決してきた名探偵である。
しかし金田一のような探偵は案外少なくはない。
金田一のように高校生名探偵が他にもいるのだ。
あちらは自ら名乗り新聞にも顔出し写真で乗るほど有名人である。
剣持も金田一にはお世話になりつつ頼りにしているので容易く情報を教えた。
彩羽と美雪もついでに聞くと、昨夜の内に桜樹が殺されていたことが発覚した。
それを聞きやはり立花と自分の見たあの光景は幻でも夢でもなかったのだと金田一は確信を得た。
――鑑識の仕事が終わり、人払いをし関係者を呼び、現場となった開かずの生物室に集まってもらうことになった。
勿論関係者である美雪と彩羽も残る事になっている。
「聞くところによると夕べ被害者が亡くなった時間にこの旧校舎にいたのは君たちだけだったそうだな?」
金田一にあの時にいたメンバーの名を教えてもらい、部下に呼んできてもらった。
桜樹が亡くなったことはすでに広まっているのか、呼び出された佐木達は驚きもなく緊張と落ち込んだ表情を浮かべていた。
佐木は相変わらずビデオを回しており、その行動に慣れている剣持はビデオを向けられながら苦笑いを浮かべる。
剣持の問いに尾ノ上が頷いて説明した。
「はい…僕達奇妙な電話で呼び出されたんです」
『な?』、と同じ電話で呼び出された佐木と鷹島に同意を求めると、二人は頷いて返した。
奇妙な電話の事は事前に金田一から聞いていたのもあり、詳しい話は後で聞くことにして続いて警備員として雇われている立花に目を向けた。
「私は見たんだ!仮面をつけた男がこの教室に!」
立花は興奮しているのか、声を荒げて昨日の事を話した。
落ち着いてください、と言う前に金田一がポツリと呟く。
「その時立花さんと俺はここに立っていた」
金田一は先ほどからずっと何かを見ていた。
ソレは簡単な間取り図だった。
金田一がその間取り図を指さす。
金田一が差した場所は職員室と保健室の間にある廊下。
そこは昨日見回りの際窓から旧校舎で放課後の魔術師と吊らされている桜樹を見た場所だった。
「そしてそこからこの教室…開かずの生物室で行われている死の儀式を目撃したんだ…俺達はすぐ走った…それから生物室の扉の前に着くまで生物室が視界から消えたのは僅か数秒だけなんだ…ところが扉を開けた時には何もかもが消えていた…」
「じゃあ…はじめちゃん…つまり、犯人はたった数秒間で桜樹先輩の死体を降ろし室内を片付けてあの扉から運んだって事?」
「窓から外に運んだんじゃないのか?」
「いやそれはありえない!窓に全て内側から鍵が掛かってたんだ!」
ふむ、と彩羽は頭の中で整理する。
あの時彩羽もいたからもぬけの殻だった事は知っている。
だからもし本当にこの場所で放課後の魔術師が桜樹を殺して儀式をしていたというのであれば、金田一達の目線を遮っていた数秒の間に片付けや死体を降ろし連れていく事を全て1人で行わなければならない事になる。
流石にそれは難しいのではと彩羽は思った。
窓からという意見もあったが、それも難しいと金田一は否定した。
窓には全て内側から鍵が掛かっているのだ。
「じゃあ他にどんな方法で消えたというんだ?」
「…まるで魔法…」
「魔法?」
怪訝とする剣持の問いに金田一が答える前に鷹島がポツリと呟いた。
その呟きにある人物が反応する。
「奴だ…!奴の魔術だ…!!やはり生きていたんだ…!」
その人物とは、ミステリー研究会の顧問である的場だった。
的場は周りが金田一が見る地図を見るためテーブルを囲っていた間も1人何かに怯える様にその場に立ち尽くし震えていた。
鷹島の言葉でその怯えは更に酷くなり、冷や汗すら見えるほど怯え切っていた。
「的場先生?今なんて…」
「やっぱり生きてた…そう言いましたよ」
「どういう事ですかな?先生」
呟くような声に金田一が聞き返し、佐木も聞いていた言葉を繰り返した。
『奴』、『生きてた』という言葉に刑事として見逃せず剣持が問う。
『これは正式な尋問と思ってくださっても結構』と告げる剣持に的場は戸惑いながらも口を開く。
「は、話すのも恐ろしいです…多分放課後の魔術師は実在の人物なんだ…!」
「実在の人物!?」
誰もが的場の言葉に驚きが隠せない表情を浮かべた。
的場は恐る恐る語った。
昔、この旧校舎を使っていた頃の話。
この学校には頭文字Mという奇妙な教師がいたという。
そのMが夜ごと可笑しな儀式をしているという噂が立っていた。
好奇心旺盛な人間とはどんな時代にもいるもので…噂を確かめに夜の旧校舎に入り、見たのだという。
――――五行を意味する星のマークを描き6つの蝋燭に火をつけ儀式を行っていたMの姿を。
そしてその教室全体には…―――無残な姿となった生徒達の屍と散らばる血を…生徒は見てしまったのだ。
生徒は逃げる様に急いで警察を呼んで戻るとすでにMの姿はないどころか教室全体に転がり飛び散っていた死体と血痕はまるで最初からなかったように綺麗に片付けられていた。
しかし黒板には『我ハ永遠ニ此ノ校舎ニ住ミ着ク』という血文字で書かれた文字が残されていただけだという。
「それきりその男は消え失せたと?」
剣持の問いに的場は恐々と頷いた。
話を聞く限り、それが本当ならその男が放課後の魔術師の正体となる。
尾ノ上達は話のおどおどしさに雰囲気に呑まれつつあった。
尾ノ上の『じゃあその男がまだこの旧校舎に?』という言葉に鷹島と美雪が肩をすくめて怖がった。
「馬鹿馬鹿しい…これはオカルトや迷信じゃない!現実の殺人事件なんだ!その魔術師とやらに変装した輩が死体を運び出したに決まっとる!」
「たった数秒間にですか!?」
「ゔっ―――と、とにかく!問題の時刻!この旧校舎で何をしていたか1人ずつ聞かせてもらおう!」
話を聞けばただのよくある怪談話だった。
学生の頃はそういうオカルトを信じやすいとはいえ、殺人事件をオカルトとして終わらせるわけにはいかない。
聴取を行おうとしたその時…
「つまり警部さんは、僕達の中に犯人がいると仰るんですか?」
扉の方から新たな男子生徒が現れた。
皆そちらへ振り返って見てみると、姿がなかった真壁だった。
遅く登場した真壁はドア枠にもたれて登場する。
「おい!あれは真壁誠じゃないか!?」
ドア枠にもたれて登場した真壁の顔はニヤついており、傍から見れば…否、傍から見ずとも見事なドヤ顔をしていた。
どうやら有名人らしく事件を嗅ぎつけて駆け付けてきた記者たちが現場ではなく真壁に気付き、真壁を取り始めた。
それに真壁は笑みを深めゆっくりとこちらに歩み寄ってくる。
「捜査のプロともあろうお方ならもう少し頭を使ってほしいですねぇ…」
嫌味な言葉に剣持は一瞬上司を思い浮かべたが、上司に失礼かと脳裏に浮かんだイケメンを消した。
記者が騒いでいるが、全く誰だか分からない剣持は金田一に小声で問う。
「真壁って何者だ?」
「高校生推理作家だよ…賞を取った」
金田一から聞いても全くピンともせずかすりともしない。
ただ金田一が『あれ』と言ってポスターを指さしたので、とりあえずは有名と言えば有名なのだということは認識した。
「僕の推理をご覧いれましょうか?」
「おお!これは見物だぞ!」
「天才推理作家!本物の推理に挑戦!」
ベストセラーの第二位というのもあって注目度は高い。
あの高校生探偵として名高い人物のライバル登場か!?とでも記者たちは思っているのだろう。
殺人事件よりもそちらの方が需要がありそうだと思っているのだろう。
彩羽はそんな記者たちを軽蔑したような目で見ていた。
あの巴川家で起きた事件の後に、出された記事は全て殺人事件の事ばかり。
貴重な蝶である夜光蝶の事ではなく、殺人事件の事ばかりピックアップし、事実ではない事までもが記事にされていた。
自分の身内が人を殺したから自分に対しての軽視も罵倒も覚悟の上だが、関係のない明日香や千里達にも根も葉もない噂を立たれて以来彩羽はマスコミがあまり好きではなくなった。
勿論彼らも食べるためだと理解はするが、だからといって根も葉もない噂…それも人を傷つける噂を作りそれをあたかも真実のように語るのだけは許せなかった。
一切事件を語らなかったいつきや、語ったとしても偽りを乗せ名前も公表しなかった六波羅の記事の方が何倍も好感が持てた。
そんな彩羽の軽視など気づかず記者たちは真壁を夢中になって撮り続け、そんな記者たちを意識しながらニヤついた顔を崩さず真壁は推理を始める。
「昨夜金田一君と立花さんが死の儀式を目撃したのは9時40分でした…彼の大声で僕、的場先生、七瀬君と巴川君が駆けつけた…そして佐木君が来たのが9時42分…」
「40分だの42分だの…なぜそんな細かいところまで?」
「佐木君のビデオですよ…昨夜の様子は全て録画されていたんです」
普通、生活しているときに一々時間を気にすることはない。
何か約束事があったり他に事情があるのなら別だが、細かな時間まで覚えていると逆に怪しく見える。
だが、その答えは簡単だった。
真壁は佐木のビデオを見て時間を覚えていたらしい。
「最後の尾ノ上君が到着したのが9時45分…つまり、たった5分の間にあの旧校舎にいた全員が揃っていた…」
続けられた言葉に説得力があるのか、記者たちは感心したような声を零した。
彩羽はチラリと金田一を見る。
金田一は反論をせず黙って真面目な顔つきで真壁の推理を聞いているだけだった。
だから彩羽も黙って真壁の推理を聞くことにした。
「僅か5分で死体他全てを運び去り、仮面を外して現れる…一体可能でしょうか?」
真壁は続けて剣持達に『この窓を見てください』と窓に歩み寄り窓の鍵を指さす。
全員そちらに目をやると取っ手の部分に傷がついているのが見える。
「つまりこれはワイヤーを使った簡単なトリックです」
「ワイヤー?」
持って来たのか、手にはワイヤーが握られていた。
そのワイヤーを解き真壁は解いたワイヤーを窓の鍵の取っ手に結び、煙突穴にワイヤーを通して垂らす。
「犯人は僕らがドアに体当たりをしている間に死体や蝋燭を外に出します…そして犯人も窓から外に出ると窓を閉め、後は煙突穴から垂らしたワイヤーを引っ張ると…」
実際に真壁がそのトリックを実行してみると、ワイヤーによって外にいても鍵がかけられ、密室の完成である。
そのトリックに記者たちも関心したような声を零す。
「そして僕らが帰った後犯人は元通りにセッティングした…警部、煙突穴を調べてください…今ついたのとは別にもう一つワイヤーの跡があるんじゃないかな?」
剣持は警官を呼び、調べてもらう。
そして…
「警部!ありました!」
「なんだと!?」
真壁の言う通り、今ついたのとは別の傷跡が煙突穴に残されていた。
それを聞き真壁は勝ち誇った顔を金田一に向けた。
「こんな初歩的な密室トリックも見破れないとはね…君のおじいさんは名探偵だったかもしれないが、その才能は君には遺伝しなかったようだ」
そう言い残し、金田一の前を通り過ぎ教室を去っていった。
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