発掘したミイラをカイロ学園で研究していた。
しかしその中にはハヅキの姿がなかった。
「酷いわロディ兄さんもキャロルもジミーも!私だけ家に置いてみんなで楽しむなんて!」
「まあまあ、ハヅキさんは足を挫いてしまったんですから仕方ないですよ」
プリプリ怒るハヅキに苦笑いを浮かべながらばあやがお茶を持ってきてくれた。
足を挫いたハヅキはロディとキャロルに言われ、仕方なく自宅で横になっていた。
「そもそも挫いただけで寝かせるなんて…病気じゃないのに…」
「ハヅキが心配なんだ…そうカッカしてやるな。」
「ライアン兄さん…」
仕事から帰ってきたライアンがハヅキとキャロルの部屋に入り、挫いた足に触れる。
そこには湿布が張ってあり、ライアンは痛まないようにソッと撫でる。
「今日はもう遅いから寝なさい」
「えー…」
「文句言っても駄目だ。寝なさい。」
「はいはい…おやすみなさい」
「おやすみ。」
渋々布団の中に入ったハヅキの額にキスを送り、ライアンは電気を消して部屋を出る。
次の日、ハヅキは足を挫いたからと学校を暫く休む事になった。
「本当に過保護なんだから…」
そう愚痴りながら目も覚めてしまい、やる事もないのでリビングへ足をケンケンさせながら向かう。
そこにはキャロル達はいなかったがネクリジェのような服を着る黒髪の美しい女性がソファに座っていた。
ハヅキはその女性を見つめ体が硬直する。
「ハヅキ…なぜ……」
女性もハヅキを見て目を丸くし立ち上がる。
お互い見合ったまま動かずハヅキは何故か冷や汗が溢れ出し体が震えていく。
「なぜお前がここにおるのだ…」
「…お…お姉様……」
「なぜ…!」
睨まれ、低い声を出す女性をハヅキは姉と呼び一歩下がる。
痛みなどすでに感じておらず自分に近づく女性にあわせて自分も下がっていく。
しかし家の中だから壁にぶつかりハヅキは女性を怯えた目で見つめていた。
「お前など要らぬと言ったはずなのに…なぜ私の前に現れる!!なぜだ!!」
「い、いやっ…!」
伸ばされる手から逃げ出そうと庭に逃げ出す。
裸足で捻っているが気にする余裕などハヅキにはない。
「アヌビス!ハヅキの喉元を噛み切りなさい!!!」
「ッ!」
傍に居た犬が追いかけてきてハヅキは死にたくないと走るが犬に人間には勝てずハヅキは犬に押し倒されてしまう。
しかしハヅキも懸命に抵抗するも傷だらけで全身に激痛が走る。
それでも襲い掛かる犬を蹴り飛ばし一心不乱に走るのだが、逃げる事しか頭になく先の池に気付かなかった。
「きゃっ!」
「ほほほ!!自ら死を選ぶとは…やはり神はお前を必要としないのだ!!そしてメンフィスも……我が弟はお前になど渡さん!!」
「…ッ!!」
池に落ちてしまったハヅキは溺れてしまう。
浅いはずの池は何故か深く、底なし沼のように足が着かなかった。
その上女性が酸素を求めてもがくハヅキの頭を押さえているため息が吸えず次第に意識が遠のいていく。
(お兄様っ!!お兄様助けてっ!!!お兄様ッ!!!!)
ハヅキは見覚えのない黒髪の少年を思い浮かびながら助けを求め、そして…――完全に意識を失った。
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