4

name change
しおり一覧へ |しおりを挟む




「良かった〜、やっと目が覚めたんですね……! 良かった、良かった……!」

「ここは安全な場所です、私は貴方が倒れているところを見てここまで運んできたんですけど……大丈夫ですか?」
 目の前の少女は光に囁かれては細微に揺れる銀髪を持っていた。

 彼女に問われて、ハッと我に返った私はレナですと名乗ってからお礼を言い、どうやら自国で魔獣と戦っていた最中に倒れたらしいということを話した。
「そうだったんですね、それで最初に見つけた時傷だらけだったのかな。なんだかすみません、立ち入ったことを聞いてしまって。でもどうしても気になっていたので……」
 彼女は控えめにそう話してくれた。
「はい、魔物と戦った分の傷だと思います。ご心配をおかけしました。私は自分の国で騎士団に所属していて……国が魔物に襲われまして……仲間と別れた後も戦っていたところまでは覚えているんですが……」
「あれ? うーん……」
 どうも発見者のサヤはその説明だけだと違和感を覚えたらしい。

「おかしいなあ、私がレナさんを発見したのは“飛行島”の中だったんだけど……?」




prev | back | next
Atorium