リュードは目を疑いました。
ソラは自分に起こっていることに気がついていませんでした。
ソラを銀色の風が取り囲むようにしていて、周りは白銀の光に取り囲まれているようです。
(でもあれだけじゃ、あの量の水は持ち上げられない)
そうリュードは思いました。
ソラにも何となくわかっていました。自分の力はまだまだ足りない、と。
「お願い! 誰か私に力を貸して!」
ソラは叫びます。
『お安い御用だぜぃ!』
ソラが持っていたランプからあの、陽気な声が聞こえてきました。
***
「雨だ――!! 水だ――!!」
突然降ってきた雨に町の人たちは大喜び。
スミレの心も明るく晴れていきました。
「ありがとう」
***
「一仕事終わって、寝てやがる」
疲れて横たわっているソラのそばに、リュードは片膝を立てて座っていました。
「大したもんだ。ジミーのアシストがあったとはいえ……さすがはリウルスの子孫ってとこか」
リュードは暗くつらい、悲しい表情になります。
「俺は何のために――生まれてきたのか……わかりゃしねぇ」
リュードは天を仰ぎました。
「姫様、リウルス……俺はどうしたら」