「I have a bad feeling about this.」
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17

ランク戦室から出るために真野隊の面々は席を立つ。



「真野さん達の話も聞けて今日は楽しかったな〜」
米屋君がそう言ってくれた。
「そう?古寺こそ良く見ててすごいね。流石蓮の弟子だよ」
依織さんが古寺君を褒める。

「え、あ、ありがとうございます」
依織さんに褒められて古寺君は顔を赤くした。


「尚美先輩、お加減いかがですか?」
隣にきた双葉ちゃんに話しかけられた。
「うん、もうほとんどいいよ、ありがとう」
「隊長も心配していました」
「そっか、加古さんも会いたいなぁ」
しばらく会っていない事に気がついた。


「作戦室遊びに来てくださいね」
「え、いいの?」
「尚美先輩ならみんな大歓迎です。」
そう言われて、嬉しさで照れる。
双葉ちゃんは社交辞令やお世辞を言う性格ではないことをわかっているからだ。

「双葉は尚美によく懐いてるね」
依織さんが2人の話に入る。

「そうですよね!双葉ちゃん!私と今度個人ソロランク戦しよ!」
「嫌です」

私への態度とは打って変わって、双葉ちゃんはカンナに冷たく対応する。

「相変わらずひどいなぁ〜」
カンナは全く気にしていない様に笑う。


双葉ちゃんはカンナにツンと顔を背けてそのまま米屋君と古寺君と一緒に行ってしまった。


「さて、私たちも戻ろうかな」
依織さんに言われて4人で作戦室に戻ることにした。この後防衛任務が入っているのだ。あまり長居しても良く無い。



歩いていると団体になって廊下に誰かがいる事に気づく。


「三雲君お疲れ様。良い試合だったね」
依織さんが代表して話しかける。

玉狛第二の三雲君、千佳ちゃん、栞ちゃんと風間隊の歌川君、菊地原君、それに先ほどまで一緒だった三輪隊の米屋君と古寺君だ。
菊地原君が何故か栞ちゃんに首を絞められている。


「あ、真野さん……ありがとうございます」
三雲君が頭を下げた。
「諏訪をうまく使ってたね」
「風間さんも同じこと言ってましたよ」
歌川君が言う。
「今日の試合風間さんも一緒に見てたの?」
栞ちゃんが菊地原君に尋ねる
「見てたよ。なかなか良い諏訪の使い方だ……って言ってた」
流石依織さんと風間さんは同い年で仲が良いだけある。考えることが一緒だ。

私は一人でこっそり笑った。

「「でも次はこうはいかない」とも言ってたよ」
「さすがにきびしいね〜」
風間さんをよく知る栞ちゃんは頷きながら聞く。


「単品でまともに戦える駒がクガしかいないんじゃ結局B級止まりでしょ。クガがやられたらおわりなんだから」
菊地原君の厳しい言い方に三雲君と千佳ちゃんは黙る。

「すまん、口が悪いんだこいつは。おれは歌川。よろしく」

歌川君が三雲君と千佳ちゃんに名乗る。


「いえ……」
「初めまして」
「私も雨取さんは初めましてだね、真野隊の真野だよ、よろしく」
依織さんは千佳ちゃんに握手を求める。

「雨取千佳です。いつも頼さんと尚美先輩にお世話になってます」
「あ、私も!紫カンナ!カンナって呼んでね!」
「はい、よろしくお願いします」
カンナは人懐っこい笑みで笑いかける。


「菊地原はああ言ってるけど、私はチーム戦としてはすごく良くできていたと思うよ!」
頼さんは千佳ちゃんの頭を撫でる。可愛い後輩を褒めてあげたいのだ。

「そうそう、誰の作戦?良かったよ」
私もそう伝える。

「修くんが考えて」
「三雲君が?すごいね!」
やっぱり三雲君か、彼は頭が良く切れるタイプなのだろう。

「あ、ありがとうございます……」
三雲君が照れて頭をかく。

「あ、レイジさんが迎えに来てくれたみたい。修くんはどうする?」
栞ちゃんが聞く。

「ぼくは空閑と一緒に戻ります」
「OKわかった。んじゃまたあとでね!」
「よっしゃおれらも個人ランク戦行くか!」
米屋君が言い出す。

「お前らも行く?紫もどう?」
米屋君が歌川君と菊地原君、カンナに訊ねる。


「うちはこのあと防衛任務なんですよ」
「そっちほどヒマじゃないんで」
「ごめん!私も防衛任務!残念!」
カンナは残念そうだ。項垂れている。


「宇佐美さん、レイジさんによろしく伝えておいてくれる?」
頼さんが栞さんに言う。頼さんの師匠が東さんでレイジさんは兄弟子なのだ。


「はい、わかりました!」
「じゃあ千佳またね」
「はい」
真野隊はここでみんなと別れる。


「さて、防衛任務だよ〜」
「はーい」
依織さんの言葉に全員が返事をした。



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