花束を君に



今日は 六頴館高等学校の卒業式である。

慣れ親しんだ校舎とも今日でお別れ。
ボーダーとの両立が大変だったけど、ちゃんと卒業できた事が感慨深い。

会長の蔵内の卒業の言葉は立派だった。途中鼻をすする音が聞こえていたけど。
在校生代表の遥ちゃんの答辞もよかった。蔵内の鼻をすする音で聞き取りづらいところもあったけど、流石だった。
着なれた制服も今日で最後だからと友達と沢山写真を撮った。

もちろんボーダーで仲のいい蔵内、荒船、犬飼、神田とも写真を撮った。
神田は県外の大学に進学するので会えるのは本当に最後になってしまうかもしれない。
この後ボーダーでも卒業記念バーティをしてくれるそうなので、みんなでまとまって行動する。


「先輩、卒業おめでとうございます!」
2年生のボーダー隊員が集まってきてくれて、何人かが花束を持っている。2年生は先ほどの卒業式にも参加してくれていたのだ。


「ありがとうね」
「いえ、ご卒業おめでとうございます」
犬飼にはひゃみちゃんが花束を。

「先輩たちに会えなくなるのさみしいですね」
「そうか、ボーダーで会えるだろ」
荒船には歌歩ちゃんが花束を。

「神田先輩、たまにはこっちにも帰ってきてくださいね」
「そうだな」
神田には栞ちゃんが花束を。

「会長お疲れ様でした」
「ありがとうっ…」
蔵内には遥ちゃんが花束を渡していた。

それを柔らかな気持ちで見ていると、犬飼にちょんちょんと肩をたたかれる。
「なに?」
「宮木はあっち」

指を差した方をみると、辻くんがいる。
辻くんが奈良坂くんと片桐くんに背中を押されてこちらにやってきた。

「あっ…あの…」
どうやら私には辻くんが花束をくれるようだ。真っ赤な顔で頑張って話しかけてくれているのでにっこり笑って待つことにする。

「宮木先輩…卒業…おっおめでと……ます」
そう言って、目の前にチューリップが沢山の花束が。

「ありがとう。引き続きボーダーでよろしくね」
受け取ってそう答える。
卒業したって、結局みんなとは会えるのだ。寂しさはあまり感じられない。そう思っていた。


「がっ学校で、あえな……さっ、さみし……す」
辻くんがボソッと言った言葉を聞いて思わず嬉しくなる。
「そっか、私もそう思うと寂しいな」

ぎゅっと貰った花束を大事に抱き抱える。
赤とピンクのチューリップ。白いかすみ草もあって春らしくて大好きだ。


「お花ありがとう。大事に飾るね」
「はい……」
そこにすっと隣にひゃみちゃんが来た。
「これ、辻くんがお花選んだんですよ」
「え、そーなの?可愛くて好きだよ!ありがとう」
教えてもらってお礼を言う。


「あ、う、は、はい……おっおれの気持ちですっっ!」
そう言うと、辻くんは更に赤くなってしまって、そのまま奈良坂くん達のところに行ってしまった。辻くんは2人に肩を叩かれていた。
花束まで貰えて、「気持ち」か。いい後輩持ったなぁと思わず嬉しくて笑みが溢れた。

「宮木先輩、辻君よろしくお願いします」
ひゃみちゃんにそう言われて、よくわからず
「う、うん……??」
と、返事だけしておいた。

「さて、本部基地に行こうか」
蔵内に言われてみんなが移動し始める。
さっきの話がよくわからなかったが、とりあえず自分もみんなについて行った。



そのまま花束を持って本部に行ったところで生駒隊の真織ちゃんに会い
「宮木先輩!素敵な花束ですね!誰に貰ったんですか?」
「辻くんだよ〜卒業式の後で貰ったの」
「……先輩、花言葉の意味知ってます?」



このチューリップ達の花言葉を教えてもらって赤面するまであと少し。