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立海の講堂は大きい。
こういう時に2000人余りの生徒と、テーブルや椅子や各種オブジェクトを収納せねばならないからだ。
綺麗に並んでくれてるなら兎も角、今のように家具が人の間に混じっていると、正直騒ぐなと言う方が無茶だよなあ・・・とは教師陣とて承知の上。
「あー、新入生諸君。改めまして、入学おめでとう。これから1年間、此処に居る上級生、下級生達は同じ学校に通う仲間です。是非交流を深めて、良い学生生活にして下さい。以上!」
以上、と言うが早いか、生徒達はワッと散り散りになる。
沢山の生徒。
テーブルに置かれた軽食。
学生には楽しい。
今からライブ迄凡そ40分はある。
だから準備の必要な人間は、食べるのは後に回して取り敢えず準備!である。
逆に、準備やなんかが特に無い人間は食べていたら良い。
「ひゃっほーーーう!どれにしよーかなー?アレと、コレと、ソレと、」
「五十嵐、取るのは食べられる分だけにしろ。」
「た「食べられるよとお前は言うが、菓子と言うのは予想より胃に来る。ましてこれは春日が作ってくれるような、砂糖減量した物ではないんだぞ。」・・・うううー!」
「良いじゃない、どうせライブ後はお腹空くんだからその時に食べれば。」
そういう千百合はあまり盛らない。
お腹がとても空いているのは良くないが、満腹も良くない事をちゃんと分かっているからだ。
「・・・・・」
幸村は何か取りたげに目線を彷徨かせる。
「はい。」
「あ・・・」
「違った?」
「ううん。有難う、千百合。」
にこにこ顔で鰻のゼリー寄せを食べる幸村は、こういう時に人と取るものがかち合わない。周りは殆ど肉食だからである。
「真田wお前それ全部食えるのかよw」
「無論だ!この位の量が食えなくてどうする!」
「どうもしないよwその食った肉何処に消えてるんだよw」
「俺からしてみたら彼奴の皿の方が解せん。」
「あー・・・」
「・・・ねえ桑原、彼奴何時もああなの?」
「大体はな。彼奴の前にビュッフェを置くのはよろしくないんだよ・・・」
彼奴こと、丸井ブン太は片手に既に3枚目になる皿を持ち、サッとケーキに目を走らせる。
如何にして沢山の量、沢山の種類を一皿に乗せるか。
これはビュッフェにおける永遠のテーマだと丸井は思っている。
「・・・良し!」
皿の完成形が見えれば後は早い。
迷いの無い手つきで、ショートケーキ、モンブラン、ティラミス、ガトーショコラ、シフォンケーキ、オペラ、シュークリーム、レアチーズケーキ、果物タルトと次々器用に乗せていく。
その慣れた様子、皿のブレなさはケーキ屋さん顔負けである。
結局丸井が手を止めたのは、皿に一部の隙も無く凡そ20のスイーツを敷き詰めた一皿が出来上がった時だった。
「ブンブンすごーーーい!」
「へへっ!ま、ザッとこんなもんだろい?」
「・・・凄いわね。」
「凄いね。」
「ある意味ではねw」
「あんな白砂糖ばかりの物を大量に・・・たるんどる!」
「何時もああだからバイキングに付き合うのが辛くて辛くて・・・」
「心中察する。」
ビュッフェ形式の食べ放題を謳っている商売と言うのは、あんな胃袋ブラックホールな人間の想定などしていないのだ。
店の人から「お前の連れだろなんとかしろよ」な目で見られるのも大概疲れる。
「・・・あれ?」
「どったの?」
「春日は?」
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