Solicitation:4th game 5
「・・・・・・」
「きゃ!」
「おっと、すまん。」
完全に上しか見ないで、仁王は歩いていた。
その為、前方に居た紫希に全く気付かず、思い切りぶつかった。
「大丈夫か?」
「大丈夫です、お気になさらないで下さい。」
「そうか、悪いな。あれが気になって、ちょっとばかり注意がお留守じゃった。」
「あれ?」
「上を見てみんしゃい。」
「上・・・!?」
仁王が指さしたのは、温室の天井にある梁。
其処には飲み物の缶が、実に行儀良く且つ所狭しと並んでいる。
「な、なんですかこの缶・・・」
「さあのう。ただ、間違いなく次のヒントには関係しとるじゃろ。」
「あの中のどれかに入っていたり・・・?」
「可能性は十分ある。」
「そんな・・・」
夥しい数である。
流石にさっきの書斎の本ほどではないけれどそれでも多いし、おまけにさっきと違ってごちゃっと植物が生い茂っているので視界が悪い。
「そんな不安そうな顔せんでも、一つ一つ調べるような事にはならんぜよ。ちゃんと絞れば良い。」
「はい・・・」
「お前さんは本当に心配性じゃな。別に俺は構わんが、疲れんか?」
「良くないとは分かってるんですけど、どうしても性格なもので・・・」
「ふうん。そんならもう少し、鈍感になったらどうじゃ?猿を見習って、不安になるような事は、見ない聞かない言わないっちゅうのは。」
「それはいけません・・・」
「いけない?別にいけなくはないじゃろ、処世術じゃ。」
「そうでなくて、私個人の話というか・・・私は、ただでさえ人より臆病者の意気地なしなのに、不安な事から目を背ける癖までつくと、もう救いようがなくなる気がして。せめて頑張れる部分は頑張りたいというか・・・」
(そこまで言わんでもええじゃろ)
「それに、知ろうと知るまいと事実は事実として其処にあるわけですから・・・」
「無視した所で真実は消えない、か?」
「はい。」
「お前さんは度胸があるのか無いのか今ひとつ分からんな。まあ面白いから良いが。」
そう。
良し悪しは置いといて、面白いから別に止めたり説教したりする気はない。
「面白いですか・・・?」
「人間っちゅうのは性格に癖があるから面白いんじゃ。」
「・・・それって、見ている分には、という枕詞が付いているのでは・・・」
「ピヨ。」
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