Solicitation:4th game 9
「うわ、暗え。マジで、ライト無しじゃ何も見えねえな。」
「ああ。足元に気をつけないとな・・・」

石造りの建物の地下は、とても暗くひんやりしていて、そして何より一切の光が入って来ない。自分の手も見えないとはこの事、
と表現して差支えない暗さ。

「では、我々は行って参りますので。」
「お前は怖いなら此処を動くな。良いな。」
「早く帰って来てよ〜〜〜〜・・・!」

柳生の提案。
それは紀伊梨を目印として、入口に置いておくことであった。

こうしておけば何処が出入口なのか分かるし、暗いの怖い、耐え難いと思ったら直ぐにワインセラーを出て日光を確認できる。

「これはルール違反になんねえの?」
「してはいけない、とは書かれていない。という事はつまり、しても良いと暗に示唆しているも同じだ。」
「ううう・・・・・・・」
「示唆とは簡単に言うと、示している。言葉に出してはいませんが、さりげなく指示している、といったニュアンスです。」
「ありあと、やーぎゅ・・・」
「参ってんな。大丈夫か?」
「まあ、本当に暗いからな・・・無理もないさ。」

特段ホラーが苦手ではない桑原でさえ、ちょっとたじろぐレベルの暗闇なのである。
紀伊梨なんか尚更であろう。

「五十嵐さん、構いませんから、ライトは点けっぱなしで。」
「言われなくても点けっぱなしにするよう!」
「それから、くどいようだが、怖いなら此処を動くな。迷子になると、此処では本当に助けてやれない。動きたくなっても、自分の為に此処に居ろ。」
「あい・・・!」
「じゃあ、俺達は行くからな。」

こうして、半べそ状態の紀伊梨を入口に待機させ、4人は闇へと消えていったのだった。






所で、世の中の建物には普通照明がついている物である。
その照明の大きさや明るさ、それに数は、付けられる部屋によって変わる。
勿論大きい部屋を照らすなら照明は多く、明るくなくてはならないし、部屋が小さいなら少なく、小さくていい。

つまりどういう事かというと、極端に暗い部屋であっても、しっかりしたライトが確保出来ていれば、視野は格段に良くなる。
ちっぽけなライトなら目の前しか照らせなくても、大きなライトならある程度の範囲を照らせるので、周りの状況を掴みやすい。

今、幸村は仁王の作戦の元作成した、とても良いライトを持って、宝目指してうろうろしていた。

「・・・うん。大体分かってきたかな。」

流石に柳などと比べると多少劣るが、幸村は地頭も十分優秀である。
ざっと迷路を回ったら、今大体何処に居て、何処をまだ見ていないか大凡頭に入る。
加えて、このライト。幸村は、全貌把握という点で今、誰よりリードしていた。

(しかし、少し困るね。予想以上に範囲が広いし、迷路そのものも複雑だ。)

まあそれを差し引いても時間の問題ではあるが、その時間をあまりかけたくはない。
今回の作戦は有効性は高いけれど、自分の心証にあんまりよろしいと言えないから。

「取り敢えず、次は東を見てみようか。」

サクサク行こう。
チームと自分の為に。


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