Meeting 1
「そういや、可憐の友達ってどっち?」
「へ?」
「男?女?」
「あ、男の子だよっ!」
「なら、今の話題の延長で話をすると、告白の際は本気が伝わるように告白した方が、相手の女の子は心動かされる可能性が高い、ということになりますね。」
確かに。
今の話から言うとそういう結論になるが。
「・・・ううん、でもあんまり正面切ってズバーッ!っていうタイプじゃないかもっ・・・!」
「うお!マジかー!」
「でもまあ、慎重派だっていうからねwそういう人はそういうの苦手じゃないのw」
「あ、でもっ!相手の女の子も、どっちかっていうとちょっと一工夫ありの告白の方が好きそうだからっ。」
「それなら、それはそれで良いかもしれませんね。その人に気にいって頂くのが最優先ですし。」
「ある意味では相性良いかもね。」
「うんっ!相性は良いと思うよっ!考え方とかも良く似てるしっ。」
「考え方で思い出したけど、その2人趣味は?」
「趣味?」
「趣味が似てるとアシストし易いからなw」
「行動や、行きたい場所なんかが自然と近くなりますからね。」
「あー!うんうん、デートする場所のチケット取ってあげたりとか出来ますな!」
「言い訳も立ちやすいしね。あんたら2人共好きでしょー、とか言って。」
「成程・・・」
しかし、趣味。
考え方は似てると思うけれど、趣味と言われると。
「・・・あん、まり、似てない、かなー・・・!」
「うあー、マジかー!」
「そんなに違うの?」
「まるっきり違うってわけじゃないよっ!それに2人共、相手に合わせるのも苦手じゃないしっ!ただ、女の子側の方の趣味がちょっと。ファッションとか、ウィンドウショッピングが好きだからっ。」
「そっちかw」
「確かに、男の子側は付き合い辛い趣味ですね・・・」
網代の趣味は、主にウィンドウショッピングとお洒落関係。
今はマネージャー業務にいっぱいいっぱいだが、普段は新しいアパレルの開拓や、メイクやネイルが好きなのである。勿論、他の事だって興味が無いわけじゃないけれど、本人に趣味は?と聞くとどうしてもこの辺が上がってしまう。
女子としては非常に女子らしくて可愛い趣味と言えるが、男子と一緒に楽しめるかと言われると、恋人であってもきついだろう。偶になら寧ろ楽しいかもしれないが、相手の趣味と言って良いレベルの頻度になるとやはり大抵の男子は難色を示す。
「でもでもー!ファッションは置いといて、ウィンドウショッピングはだいじょぶじゃない?ゆっきーやなっちんだって、ウィンドウショッピング好きっしょー?」
「好きだけど、俺達は男子としては珍しい方だからなあw」
「大抵の男の子は、それ程好きではありませんよね・・・」
「それに好きって言ったって、やっぱ女子とは温度差あるわよ。新しいモール出来たからって飛びついたりしないし。」
「うう・・・やっぱりその辺難しいよね・・・!」
「男の子側の趣味は如何ですか?」
「うーんと、映画鑑賞かなっ。恋愛系が好きだって言ってて・・・それから読書もっ。」
「ゴホ!」
「何あんた。」
「大丈夫ですか?」
「ごめん、気にしないでw変なとこ入っただけw」
「映画と本かー!ちょーインドア派だねー!」
「ブラブラ散歩とかってしなさそうね。」
「ああでも、付き合いが悪い訳じゃないからっ!」
「そうですけれど、その趣味なら行動範囲が大凡被っているとは言い難いので、デートの時はどちらかがどちらかに合わせる形になりますね。」
「まあそうなるわなw」
「うーん、でも付き合い良いんだったらだいじょぶじゃない?」
「最初は良いかもしれんけど、毎度毎度はきついぞw」
「付き合ってからの課題になるかもしれませんね・・・」
(そっか・・・付き合いだしてからこういう事で諍いが起きる事もあり得るんだ。)
仮に告白が成功しても、そこは決してゴールではない。
寧ろお付き合いという意味ではスタートである。
「そういえば、千百合ちゃんはっ?」
「?」
「デート先で喧嘩とかしないのっ?」
「私が無趣味だからね。」
「ああ・・・」
何処へ行きたい、とか。
何したいとか何食べたいとか何見たいとか、そういう意思が千百合は極端に乏しい。
無いわけじゃないけれど、わざわざ率先して行こうと思う程になれないのだ。
だから誘われれば付き合うし、一緒に遊ぶけれど、自分から何かを言い出す事は滅多にない。
先日の植物園だって、千百合が行き先を決めたのは楽しみよりもどちらかというと目的意識寄りだった。
「お前はこの辺、強いこだわり無いもんなw」
「ぶつかり辛いですよね。」
「でも偶には千百合っちが決めてくれても良くないー?」
「やだ、面倒。」
「あはは・・・参考までに、千百合ちゃん達ってどういう所行くのっ?」
「えー・・・美術館とか、植物園とか。」
「渋いチョイスですなw」
高校生辺りからじゃないだろうか、その辺に興味が生じだすのは。
悪い事ではないけれど、中学生で美術と植物大好き!というのは結構稀であろう。
「まあ、強いて難を上げるなら美術系はどうしても入館料かかるから、財布は寒くなるかな。」
「ああっ!そうだね、無料では無理だよねっ!」
「千百合っち、最近は割り勘出来てるー?」
「ああ、それは出来てる。」
「割り勘出来てる・・・?」
「幸村君、隙あらば出そうとするらしくて・・・」
「前売りチケット先に買うとか、伝票を一瞬で取るとか、お手の物だからな彼奴w」
「凄いんだよー!ふっつーにしてるのに、ふっと気づいたらおかいけー終わってるのー!手品みたいだよー!」
幸村は、千百合とデートする時「これはデートなんだ」という意識をずっと持っている。
千百合がどんなに恥ずかしがってフランクな空気を求めても、それは却下される。これはデートだ、と言い張る。
だから荷物を持つし車道側を歩くし、扉は抑えるし段差があるとサッと手を引いてくれる。
会計もその内の一つ。
友達同士でのお出かけは割り勘だけど、これはデートだから自分が出す。
頑なにそう言い募る幸村に、いい加減に割り勘にしないとデートそのものをしてくれなくなるぞと全員で説得して、ようやっと折れたのが小5の時の話。
「大変だったなー、皆でお願いするの。ゆっきーって、決めた事は絶対やっちゃうからなー!」
「まあ、俺達バイトも出来ないような中学生だからねw流石に甘えていられないわw」
「な、なんか凄いねっ!」
「でも、私の話はさておいてさ。実際問題、デートとかアシストするにしても、金の問題は頭に入れといた方が良いわよ。」
「そうですね。やっぱり仲良くなろうと思うと、遊ぶ回数を重ねなければいけませんから、あまり何時も凝ったデートだと・・・」
「続かないって事だねっ。うーん、確かにそうかもっ。」
「でも単純接触効果は馬鹿に出来ないからなwなんとかデートはしてかなくちゃいけないのが辛い所ねw」
「たんうんせっしょくこーか・・・?」
「単純接触効果です。大雑把に言うと、会う回数が多い人は好きになりやすい、という事です。」
(そういう意味では、接触は何時もしてるよねっ?だから殊更アシストしなくても良いのかなっ?・・・ううんっ、駄目駄目っ!マネージャーも選手も、お互い1人しか居ないわけじゃないんだし、GWの映画デートの時みたいな機会を、なるべく作ってって働きかけていかないと・・・)
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