Rare holiday 1


折角なんだからお昼はちょっと変わった物食べましょうよ。

網代の誘いに賛同した可憐だったが、何気なく決めたこの方針は思ってたより2人を面倒な状況にしてくれた。

「うーん、どこもいっぱいね。」
「困ったね・・・」

どうもタイミングが合わないというか、良いと思った店は異様に混んでいて断念せざるを得なかったり定休日だったり。
じゃあもうその辺の店で手を打つか?と言われると、その辺の店もそこそこ混んでいる上、ここまで頑張って探したんだからさあ・・・みたいな、ちょっと意地に似た気持ちが沸いてきて、結局どこにも入れない。

「そろそろ13時だよねっ?」
「そうねえ。後1時間くらいで大体の店はランチタイムが終わっちゃうし、いい加減決めない、と・・・」
「・・・・茉奈花ちゃんっ?」
「ついてるわ。」
「えっ?」
「これはラッキーよ、救いの神が現れたかも。」
「えっ?えっ?えっ?」

言うが早いか、網代は人の間を縫ってさっさっと早歩きを始め、可憐はわけが分からないまま後を追った。
とは言いつつドジの可憐は網代の背中を追いながら人を避けるので精一杯で、網代の目指す先まで確かめる余裕が無く。

「ま、茉奈花ちゃん一体ーーー」
「捕まえたわ!柳君っ♪」
「えっ?柳君っ?」

「なんだ、お前達だったか。」

人混みの中、網代に服の袖を掴まれているのは柳だった。

「こんにちは♪というか、初めましてかしら?」
「まあ、面と向かって話すのは初めてになるな。」
「柳君、私達の事分かるのっ?っていうか、覚えてるのっ?」
「ヘリに乗っていた氷帝のマネージャーだろう。聞いていた話から推察するに、お前が桐生可憐でお前が網代茉奈花だな。」
「あ、はいっ!合ってますっ!」
「流石ね。「参謀」と呼ばれてるだけの事はあるわ。」
「大した事じゃない。それで?」
「えっ?」
「何か用事があって声をかけてきたんだろう。何だ?」

そうだ。
網代は救いの神がどうとか言っていたが、結局何目的のどういう行動なのか可憐には分からないまま。

「それが、ね?私達今日プライベートで神奈川に遊びに来たんだけど、ランチの場所に迷っちゃって。折角だから東京に無い所に行きたいんだけど、良さそうな所はどこも混んでるのよ。」
「・・・所謂穴場的な店を教えろ、という事か?」
「そう♪柳君ならぴったりの場所を知ってそうだし、それに見かけた時に時計を見てたでしょ?もしかしたら柳君もランチがまだなんじゃないかしら?って思ったのよ。」

この推測は当たりであった。
柳も今の時点で昼食がまだで、更に言うと近いし行きつけの店に行こうかなと思っていた所であった。

「お前達の口に合うか保証はしかねるが、それでも良いなら連れて行こう。」
「やった!持つべきものは友達ね♪」
「有難う、柳君っ!」

柳にとっても今日は折角の休みだが、まあ。こういう日が偶にはあっても良いだろう。
思いがけず3人連れになった可憐達は、今度こそランチにするべく再び歩き始めるのだった。
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