100話記念企画 No.017


「千百合ちゃん、大変でしたよねあの時は・・・」
「あーまあ。あの一件以来、無知って怖いなと思うようになったわ。」
「むち?」
「知らないという事です。」
「あー、千百合っちが虫嫌いだって皆が知ってたら良かったのにって事ですな!」
(違うけど良いや、面倒くせ)
「でもなっちんも教えてくれても良かったのになー!」
「そうですね、棗君はご存知でしたよね・・・」
「・・・・・・」
「・・・千百合ちゃん?」
「何でもない、思い出しむかつき。」
「およ?何がむかちゅくの?」
「彼奴の高笑いが!」
「ああ・・・」

今でもはっきり思い出す。
幸村と戻ったら、紫希と紀伊梨は一生懸命どんぐりを千百合の分まで拾ってくれていたのに、あの兄と来たら腹を抱えて大笑いしていたのだ。
ぎゃーだってwとか言って。
勿論その後一発良いのをくれてやったのは言うまでもない。

「・・・・ふう。」

パタン、と紫希はシャーペンを置いた。

「あ!紫希ぴょんきゅーけーですか!なら紀伊梨ちゃんもーーー」
「あ、あの、終わったので・・・」
「え!早!嘘ー!なんでそんな早いのー!?」
「そりゃあ紀伊梨と違って紫希は躓かないじゃん。」
「そーだけどー!」
「まあまあ・・・私、これでもうお手伝いに回れますから。紀伊梨ちゃん、何かわからない所はありますか?千百合ちゃんも、何でも言ってくださいね。」
「ああ。うん。」
「ああん助かったー!あのねー、この・・・」
「問題ですか?」
「ううん、ページ!」
「あ、あはは・・・じゃあ、順番に行きましょう。まず基本の単語からですけど・・・」
「・・・・・・」

紀伊梨に寄り添って、マンツーマンであれこれ教える紫希。

この光景もついこの間までしょっちゅう見ていたのに、最近はめっきり見なくなった。
受験が遠い昔のよう。

(そういや、あの頃も宿題大変だったっけ。)



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