カルデア日記


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昨日ダヴィンチちゃんに貰った携帯には秘密があったらしい。
なんと、あの勧められたアプリゲームでレイシフトができるらしいのだ。
しかも私は現場にはいかなくていいらしい。
いや、行かなくていいというよりは、霊基がどうこう……専門的なのでよくわからない。
ともかく、昨日渡された携帯ゲームで冬木の街でやっていたようなことをできるということだ。

ただし負けると死ぬ。

某カードゲームの下半期か? と思ってしまったのは仕方ないことだと思う。
日本のアニメなので誰も分かってくれないのが悲しい。

突っ込みたい気持ちでいる私を他所に、一緒に話を聞いていたマシュやロマニさんたちスタッフさんの意見は賛否別れていた。

最終的な決断は私に委ねられたので、それを決めるためにそれぞれの意見をまとめておこうと思う。

まず、賛成側。
昨日話した通り、私にはいろいろと解決しなきゃいけない問題がいっぱいある。
アプリゲーム形式であればそのうちの少なくとも体力的な問題はクリアできる。
ダヴィンチちゃんの尽力によって、知識や経験不足も補われる。
私のメンタル的にも楽になるのではないかということだ。

次に反対側。
ゲーム性が強すぎて、命が掛かっていることを忘れてしまうのではないかという別の問題の発生。
いくら万能科学者ダヴィンチちゃんといえど、無理のある代物である(らしい)ことには変わりない。
不測の事態が起こるのではないかという懸念がある。

実際の話し合いではもう少し意見が錯綜していたからかなりざっくり、かつなるべく理論的なものを抜き出してみた。

論点が終始、私の安全についてだったのが、なんというか、あったかいひとたちだなと思った。
同時にすこし情けなくなった。
私がしがないばっかりに、こんな苦労を掛けてしまって。
今はその辺は置いておこう。

……ううん、さっきも書いたけど、今回の話し合いはほぼほぼ私の生存率をいかに上げるかということだけだったので、他の判断要素が欲しいところではある。
話し合いを思い返してみると、わりと感情論で話している割合が多かったように感じる。
賛成側も反対側も、私に対して過保護気味な気が……。
まあ人類唯一の生命線がこんな頼りないやつじゃあ、それくらいになってしまうんだろう。
いやだからそういうのはあとあと。
まずはどうするかを決めなきゃ。

というわけで今日はベットの中でゆっくり考えるので、ここで終わることにする。
おやすみ。

闇のゲーム



まず結論から。
件のダヴィンチちゃん開発のシステムは、正式に導入されることになった。

反対派――特にマシュは、私が賛成と言っても最後まで粘っていたけれど、ダヴィンチちゃんの理論武装と生存率算出によって押し切られる形となった。
決まった後、すっかり俯いてしまったマシュに何か声をかけるべきかと迷ったのだけど、慰めるのも違うし、結局どうすることもできなかった。


もやもやしている気持ちを落ち着けるために、ちょっとだけ例のゲームについて書こうと思う。

名前がないのもやり辛いので、ということでアプリ式レイシフトシステムはFGO――system to Face Grand Order――と名付けられた。

携帯端末内には前述のバトル機能のほか、英霊をサーヴァントとして召喚したり、強化したりする機能もあるらしい。

英霊。サーヴァント。
冬木の街からこの言葉、実はよくわかってなかったりする。
マシュもダヴィンチちゃんもサーヴァントとして特殊なポジションらしく、どちらかというと冬木のクー・フーリンさんに近い。
といっても魔力はカルデア経由で受け渡しされるから直接契約じゃないからそれともまた違うらしいけど、全体的にファンタジーすぎてよくわからなかった。
漫画とかの設定とかだったらスッと受け入れられるのかもしれないけど、実際に言われてみると全然頭に入らない……。

つまり、とはてなを飛ばしていた私を見兼ねてまとめてくれたロマニさん曰く、グランドオーダーを遂行するための「協力者」ということらしい。

なんか召喚とか強化とか、ますますゲームっぽい感じがする。
というか、ダヴィンチちゃんは意識してそうしてくれている気がする。
この前「君は少し気負いすぎる」と言われたので、リラックスさせようとしてくれているんじゃないかな。
変人だって言われてるし、最初はダヴィンチちゃんに対して構えていたけど、すごく優しいひとなんだなって段々分かってきた。

優しい、といったらマシュのことが気になってきた。
「先輩が決めたことですから」って言ってたけど、ちょっとマシュの部屋行ってこようかな。
そういうわけで、おやすみ。

FGO


初めての協力者を召喚した。
……召喚ってあんま慣れない響きっていうか、どうしてもイタく聞こえる……。
他のスタッフの人たちは何のためらいもなく怪しげな用語を使ってるし、私も慣れなきゃな。
それはおいといて、初契約です。
ジークフリートさん。
召喚に応じてくれた中で一番強いひとで、今回契約することになった。
すごく身長が高い。
そしてかっこいい。
生き残ってる人間の顔面偏差値ってただでさえ高いのに、ジークフリートさんによってさらに上がった。
言うまでもなくだだ下げているのは私だ……悲しくなるからやめよ。

さて、突然だが私はカルデアの中でかなり年少層である。
というか、最年少がマシュ(のはず)で、次点が私だ。
つまりスタッフさんたちはみんながみんな年上、ということだ。
私は結構人見知りをする方で、同年代なら慣れているからいいけど、上の……しかも先輩ってレベルを超える歳の差だと、もうなにも分からなくなる。

ここで問題がある。
ジークフリートさんだ。
ただでさえ年上の男性で、リアリティがないくらいの美青年で、しかも英霊。
英霊……英霊ってなに……。
とにかくすごいひとってのは分かるし、ジークフリートってカッコ良さげな名前、ファンタジー小説でめちゃくちゃみたことある……元ネタの人かな……。
なんにせよジークフリートさんと自己紹介以降ひとことも話せていない。
向こうもそんなに気さくなタイプではないようだ。
グイグイ来られても困るけど。
困ると言えば、マスターっていうのすごくやめてほしい。
なんであんな呼び方なんだろう、そういうひとなの?
だからといって名前で呼んでっていうのは無理だけども。

時間がなんとかしてくれればな……とりあえず明日はレイシフトだし、今日はもう寝よ。
おやすみ。

初契約


レイシフトは思ったよりもスムーズに終わった。
流石ダヴィンチちゃん。
私自身、命が掛かっているからそりゃあ緊張感はあるけれど、冬木の時より100倍マシだ。
戦闘の指示についてもかなり良くなったようだ。
マシュからべた褒めされた。
ジークフリートさんからも特に苦情は出ていないので、全然問題はなさそうである。
よかった、せめて足を引っ張らないでよかった……。

端末のアップデートでレイシフトできる人数がもうひとり増えた。
ロビンフッドさんという男性で、気さくそうな人だ。
気のせいかもしれないけど、なんとなく気が合いそうな感じが……。
たぶん、目深にかぶったフードのせいだとは思う。
あと、自分で言うのもなんだけど、自己卑下するところ。
ちょっと似た感じが……いややっぱ気のせいかな。

今日は疲れたし、明日も引き続き頑張らないといけないので、今日はここで。
おやすみ。

本番


ロビンフッドさんは後方支援だ何だと理由をつけて気さくに話しかけてくれる。
彼はかなり話しやすくて、面白くもない私の話を嫌な顔一つせず聞いてくれる。
あとすごく物知りで、初めて聞くような知恵を教えてくれたり。
他のみんなだってもちろんいいひとなのだけど、なんでなのかロビンフッドさんが一番話しやすい。
妙に現代ノリも通じるし、高校の先輩くらいの距離感を勝手に感じている。
私はひとの雰囲気には結構敏感なほうなので、邪険にはされて、いない、と思う。
この調子で友達とまではいかなくても、人見知りしないくらいになりたい。
がんばれ、私。おやすみ。

距離感


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