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漸く刺す様な寒さが和らいだ頃。その日は桜の蕾も膨らみ初めて愈々春が顔を出しそうな天気だった。
「佐助、今日はホワイトデーだ。」
小春日和の陽射しに微睡む俺様の机の前に立った幼馴染みのシイカの発言に顔を上げる。
「うん。確かにホワイトデーだね。」
「ボクはバレンタインにフォンダンショコラをお前にやったよな。」
「失敗作ね。」
「完成品もやったじゃないか。」
「君んとこの御嬢様にあげるヤツの半分以下のサイズだったけどね。」
「でもやったには代わりないよな?」
物欲丸出しの目をしながら遠回しのカツアゲを続行するシイカに溜め息ひとつ。
「はぁー…。解ってるよ。ちゃんとあるから。はい。」
「やった!有り難う!!」
一応それなりのラッピングを施した小さめの箱を鞄から取り出し渡せば、シイカは幼子の様に顔を綻ばせた。
あーあ、そんな喜んじゃって、まぁ。
「手作りか?!手作りか、これ!?」
「一応ね。初めて作ったから味は保証しないよ。」
「中見ていいかっ?!」
「どーぞ。」
「……おぉーー!!ババロアだ!ババロア!!」
「好きでしょ、ババロア。結構苦労したのよ。」
何時もは至ってクールを決め込むシイカが珍しく落ち着き無くしているのは相当喜んでる証拠。きっと尻尾が付いてたならパタパタ振ってるに違いない。
「有り難う!!佐助っ!!たまにはイイ奴!!三千四百八十四万人譲って好きだぁー!!」
「あ、順位ちょっと上がった?2005年の関東圏人口の最下位か…」
「でも明日には一億二千六百八十七万人譲って佐助になるがね。」
「……。2005年の日本人口が若干正確になったね。」
百十七万人のランクアップ。喜ぶべき?なんて考えながらはしゃぐシイカを苦笑いで見守る。
このまま行けば80年後くらいには1位になれるかもしれない。
……80年後くらいには……ね。
理不尽な君
逆らえないのが僕
fin!
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ballad
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