act.3

近藤さん…

俺ァ、もっと別に方法があったと思うんだ……


「えー、御町内の皆さん!!お騒がせしております!!諸事情により我々真選組では、新たな仲間を募集している次第であります!!さあ!!君の正義を江戸の町のために!!」


溜め息が止まらない…


act.3
小学校のボランティアかよ。


「どーですかィ、土方さん。"新たな仲間"って奴ァ 見つかりそうですかィ?」

別の場所でビラ配りをしている筈の総悟がいつの間にか横に現れていた。

「てめ、何やってんだ。ビラ配りはどうした。」

「とっくに終わってまさァ。だから戻ってきたんじゃねェですか。」

「ならい…って、お前ちょっと きな臭ェぞ。……まさかと思うが、ビラ、燃やしたのか?」

「あらァ 近藤さんが1枚1枚書いたヤツですぜ?いくら俺でもそんなことまでしやせんよ。…あ、土方さん。そういや、これ。土方さんのライター、落ちてましたぜ。」

「お前絶対燃やしただろォォォォ!!!」

「で、どうなんですかィ?こっちの状況は。」

無視か?!…ったく。さっぱりだ。こんなんで集まる筈がねェよ。」

煙草に火を付けながら答えた。

大体何でこんな企画が上に通りやがったのか、全く理解できねぇ。

「ま、来ようが来るまいが近藤さんには今日で諦めてもらうことになってんだ。おら、そういうことだから もっかいビラ配ってこい。」

俺は、近藤さんが上で騒音撒き散らしてる車のトランクに積んであった数十枚のビラを総悟に渡して言った。

「これまだあるんですかィ?」

「それで終わりだ。今度は燃やすんじゃねぇぞ。」

「判ってまさァ。」

珍しく素直にビラを受け取って、総悟は担当の場所へ向かっていった。


「おい、そこの兄ちゃん。ライター持ってねぇかィ?」


全然素直じゃなかった。

「駄目だ、トシ。一人も集まらねぇ。」

車から降りてきた近藤さんが肩を落として言った。

「だろうな。」

紫煙を燻らし俺は答える。

「大体企画自体がどうかしてんだよ。もし、間者でも来たらどうすんだ。」

「間者なんか来る筈ない。元気のある者って書いたもん。」

「間者が元気ないって根拠は何処にあんだよ。」

「だが 俺はやる気のあるヤツを仲間にしたいんだよ。そのためには有志を募るこの方法が 一番だと思うんだ。」

「小学校のボランティアかよ。」

ほとほとこの人は楽天家だ。
最悪の事態を考えちゃいねェ。
溜め息混じりに再び紫煙を燻らすと、前方から見慣れた影が走ってきた。

「局長ー!!副長ー!!」

山崎だ。
暢気に手ェ振りやがって。
てか、何であいつ腰にミントンラケット挿してんの?

「おー!!山崎!!ご苦労だったな!!」

近藤さんは近寄ってきた山崎を労う。

「で、どうだったんだ。」

「はい!見つかりましたよ!!隊士になってくれる人!!」

「え、マジでェェェェ!!ほら、みろ!!トシィ!!世の中にはちゃーんとそーゆー人が居るんだよぉ!!」

嬉しそうに近藤さんは山崎の背をバシバシ叩いた。
マジでいるとは思わなかったが…、辺りにそれらしきは見当たんねぇ。

「……で、山崎。その“隊士になってくれる人”は何処にいんだ?」

「へ…?何処ってここに……ってあれェェェェェェ?!さっきまで隣に居たのに!!鷹居さぁーん?!!」

山崎は慌てて周りをキョロキョロ見回すが、人影が見つかる所か声も返って来ない。

「居ねぇじゃねぇか。山崎、覚悟はできてんだろーな?」

「え゙え゙え゙え゙え゙え゙!!」

俺が腰の刀に手を掛けた、その時だった。

「速ぇっスよ、山崎さん。いきなり走り出さないで下さぁーい。」

前方から細身の野郎がダルそうに歩いてきた。

「鷹居さん!!何処行ってたんですか!!」

「や、走るのめんとかったんで。」

山崎は野郎に駆け寄り、手を引いて此方に戻ってくる。

「局長、副長、紹介します。隊士希望の鷹居さんです!!」

「宜しくお願いしゃーす。」

野郎は俺達に軽く頭を下げた。


To be continued……

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