act.4
ラケット君こと、山崎さんに連れられて、着いた先に居たのは、なかなか男前の仏頂面と人懐こい笑顔の……………ゴリラ?
act.4
あ、もしや、ミドルネームですか?
「おおっ!!君かっ!!俺達の仲間になってくれるのは!!」
ゴリラはあたしに話し掛けてきた。
このゴリラ賢いな。
人間の言葉喋れるよ。
しかし喋れても理解出来ないかもしれない。
そこであたしは、こう答えた。
「……ウホ。」
「え?ウホ?」
あれ、伝わんなかったかな。
「鷹居さん、これ人だから。ゴリラじゃないから。」
「あ、そうなんスか。そりゃ、失礼しました。」
「はっはっは!!まぁ気にするな。よくあることだ。」
ゴリラ…っぽい人は豪快に笑った。おお、このゴリラ…っぽい人、いい人だな。
てか、よくあるのか。ゴリラ間違われるの。
「鷹居さん、此方は局長ですよ。」
一人で納得してると、山崎さんがゴリラっぽい人を指して言った。
「近藤 勲だ。宜しくな!!」
ゴリラ局長なのっ!!?
驚いたが、ここはあたしも自己紹介すべきだ。
「あ、鷹居………」
まずい。
此処はフルネームで答えるトコだろ?
"紅羽"なんてモロ女の名前使ったら、折角掴めそうな刀振り回せる仕事がパァになるかもしれない。
……気は引けるが、以前 性別偽ってホストやってた(!)時の源氏名、アレ使うか…。
「どうかしたか?」
ゴリラ近藤さんがあたしの異変に気付いて声を掛けた。
ハッとして顔を上げると、ゴリラ近藤さんの後ろで男前の仏頂面があたしを睨んでいるのが目を入った。
瞳孔全開だよ。
ホントに警察か?コイツ。
イラっときたので睨み返して、ゴリラ近藤さんに向き直る。
「いえ、何でも無いです。後ろの男前の兄さんに睨まれたんで、ちょっと驚いただけです。」
我ながらナイス機転。
「そうかそうか。いや、すまんな。アイツも悪いヤツではないんだ。許してやってくれ。」
ゴリラ近藤さんも不思議に思ってないので、良しとする。
「気にしてないッスよ。改めまして、オレ 鷹居紅刃って言います。宜しくお願いします。」
あたしは、少し深く頭を下げて言った。
これで性別を偽って仕事する事が決定してしまった。性別詐称って違犯かなぁ…。
「紅刃君か。宜しく頼む。トシ、お前も自己紹介したらどうだ。」
ゴリラ近藤さんは頷いて、後ろの男前に声を掛けた。
「…っち」
今 舌打ちしたよね?
あからさまに舌 打ったよね?
男前は銜えていた煙草を踏み消して、一歩前に出た。
警察がポイ捨てしていいのか?
「副長の土方だ。」
お、コイツが噂の鬼さんか。
ヒジカタさんか……ん?
「…すんません、ヒジカタさん。何処までが苗字なんスか?」
ズルッ!!
ゴリラ近藤さん、山崎さん、ヒジカタさんは 同時に、見事に転けた。打ち合わせでもしたのか?
「ばっ…てめ、全部苗字に決まってんだろーがっ!!」
「え、じゃあ、名前は?あ、ゴリラ近藤さんが言ってた"トシ"ですか?女みたいですね。おトシさん。」
「アレ?紅刃君、今ゴリラっつった?」
「"お"を付けんじゃねェェェェ!!十四郎だ、十四郎!!」
「とおしろう?じゃあ、トシって何ですか?あ、もしや、ミドルネームですか?土方・トシ・十四郎さんですか?面倒な名前ッスね。」
「愛称だっつーの!!何コイツ、斬っていい?!斬っていい?!!」
「お、落ち着いて下さい!!副長!!」
今にも抜刀せんとする土方・トシ・十四郎さんを山崎さんが宥めにかかる。
「退けェェェェェェェェ!!山崎ィィィィィィィ!!代わりにテメェ斬るぞっ!!」
「えェェェェ!!何ですかそれェェェェェェェェ!!」
じゃれ合う(?)二人。
なんか、愉快な人だな、土方さん。これが上司なら、仕事続けられそうだわ。
そんな事を考えていると、背後に人の気配を感じた。
「…一体何の騒ぎでさァ?」
振り向くと、爽やかなルックスの可愛い顔した青年が立っている。
「おお、総悟!!見てくれよ、俺達の新しい仲間の紅刃君だ!!」
ゴリラ近藤さんは、彼をそう呼び、あたしを紹介した。
「へェ…マジで来たんですかィ。あんなビラで。」
To be continued……