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「改めて自己紹介を。皆さまのサポートを務めさせていただきます、オベロン社技術開発部のカリナと申します。」
「カリナか、私はマリーだ。よろしく頼む」
「俺はスタン、よろしくな!」
「はい。何かお困りのことがあればお申し付けください」
リオンがマリアンに挨拶を終え邸から出ると、待たせていた一行が庭で話していた。自己紹介をしているが、そのスタンのカリナへの態度に呆れてしまう。
「おい、お前。ね…カリナ様に馴れ馴れしいぞ」
「え?そっか、オベロン社の社長の娘さんだもんな。すいません、カリナさん」
「いえ。私などにかしこまって話していただく必要はありません。どうぞお好きに」
「へえ?お嬢さまの割には腰が低いのね」
『ルーティ。あなたも挨拶くらいなさい』
「はいはい、あたしはルーティよ。よろしくね」
「…ええ。こちらこそ」
二人の間が少し険悪な雰囲気になった。悪い奴ではないんだ、とマリーがフォローするが、当の本人はツンとそっぽを向いている。
『先が思いやられるな…』
『ルーティったら、もう』
ソーディアン二振りがため息を吐いた。
外に向けては笑顔を絶やさないカリナも、珍しくそっけない態度なのも気にかかる。
ルーティに関して何か知っているのだろうか?
「リオン様、出発が遅くなってはいけません。日暮れまでにはストレイライズ大神殿に到着しなくては」
「あ、ああ…そうですね。おい、お前たち!いつまでもじゃれ合っていないで行くぞ」
「何よ、待たせてたのはあんたじゃない!」
カリナに他人のような口調で話され、胸の中が焦りのような冷たさで波打つ。
馴れ馴れしいルーティとは対照的な態度。
こうして二人を比べて気にしてしまうのもあの日記のせいだ。疑心暗鬼になったままこんな任務を成功させなければならないなんて。
それでもリオンには、目の前の暗闇を歩くしか道は残されていないのだ。
目も耳も塞がれたまま歩いているみたいだ、と重苦しいため息が出た。
2016.10.11投稿
2017.11.14改稿
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