マナは、ひとり暗闇に包まれていた。


 ただただ何も見えない虚空を見つめていると、とめどなく思考が溢れる。良いことも、悪いことも。心に残ることも、忘れてしまいたいことも。


 それをずっと、ずっと繰り返していた。


 そして自分を責め続けた。
 天上を降りたこと。地上人と触れ合ったこと。彼らと敵対したこと。主を護れなかったこと。


 マナはずっと後悔していた。


 その謝罪の言葉を誰にともなく呟きながら、暗闇の中で自分を抱きしめていた。

 ずっとそんな時間が続いて。気の遠くなるような時間が続いて。
 もう、何かを考えるのを止めてしまって。
 それからまたとめどない時間が流れて。
 何もわからなくなった頃。


 ――何かが開くような音とともに、光が視界を埋め尽くした。







→To be continued


2018.11.09投稿


 
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